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甘いけどノンカロリー。なぜカロリーにならないか説明できますか?

ダイエットや糖質制限をしているお客様はノンカロリーな食材や、甘味料を探していることも多いですよね。具体的な商品や、使用法などを説明できるのはもちろんですが、なぜ強い甘みを感じるのにカロリーとしてカウントしなくて良いかはきちんと知っておきたいところ。今回はカロリーと糖の分解について復習しておきましょう。

そもそもカロリーとはなにか

カロリーとは(生理的)熱量ともよばれ、人間をはじめとした生物が生きていくために使うエネルギーの単位です。数ある栄養素の中でも、私たち人間がカロリー、つまり身体を動かすためのエネルギーとして使うものには3大栄養素の炭水化物やたんぱく質、脂肪がありますね。

1日に必要なカロリーは性別や年齢、体格、運動量などによって大きく異なりますが、1800~2200 kcal 前後といわれ、1 gの炭水化物やたんぱく質からは4 kcal、1 gの脂肪からは9 kcal生み出すことができます。これは食事やダイエットの相談を受けたときには非常に重要なことですので覚えておきましょう。

糖質や甘味料をカロリーとして使うには?

糖質や甘味料に限ったことではありませんが食物をカロリーとして使うためには、体内の分解酵素を用いてグルコース(ブドウ糖)など、エネルギーを生み出す物質に代謝する必要があります。

お米に含まれるでんぷんや、砂糖などは人間が体内に持つ酵素によって代謝し、グルコースを作ることができるため、カロリーとして用いることができます。

しかし、ノンカロリーの甘味料は、舌の上では強い甘みを感じさせますが、体内では全くあるいはほとんど代謝されません。「甘みを感じること」と、「カロリーにできること」は別の問題。

したがって、アスパルテームやサッカリンなどの甘味料は強い甘みを持ちながら、カロリーは生み出さないのです。

ちなみに、植物の細胞壁(食物繊維と呼ばれる部分)を構成するセルロースもでんぷんと同じようにグルコースが繋がってできていますが、人間には分解できないためカロリーにはなりません。

また、食品100 gもしくは飲料水100 mlあたり5 kcal未満のものは少量のカロリーを含んでいても「ノンカロリー」と表示できることもあわせて知っておくと良いですね。

カロリーや栄養についての考え方は中学、高校の理科や家庭科で習いますが、しばらくすると「あれ、どっちだったかな?」と忘れてしまうことも。しかし規則正しい食事は、へたな医薬品よりもよほど効果のある治療法です。定期的に復習し、常に正しい情報をお客様に伝えられるようにしたいですね。

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