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丁寧に包むのは間違い?薬をオブラートに包むときの注意

子どもだけでなく大人でも粉薬を飲むのは苦手、という方はいますよね。味や感触が嫌、むせる、など理由はさまざまですが苦手な人にとっては服用のたびに苦痛なもの。そんな方にはオブラートや服用易化ゼリーがおすすめ。今回は粉薬をオブラートに包むときの注意点を紹介します。

オブラートはほどよく雑に包む

オブラートはバレイショなどのデンプンから作られた、食べられるフィルムです。水に溶けやすく、身体に害もありませんので、薬や食品を包むことを目的に昔から親しまれてきました。

薬を飲むときの基本的な使い方は、円錐状にしたオブラート(もともと袋型のものはその中)に薬を入れたら、軽くねじって水に湿らせ、すばやく飲み込みます。

一度水に湿らせるということも上手に飲みこむコツですが、「軽くねじって」というところもポイント。本来粉薬は口から服用した後、胃ですばやく溶けだし、効果を発揮しますよね?近年の製剤設計でわざと腸に着くまで溶けないような工夫をしている薬もありますが、いずれにしろ適切に溶けていく必要があります。

しかし、粉薬が苦手であればあるほど薬が出てこないように丁寧に丁寧に折り畳みたくなってしまうもの。そうなるとオブラートが水に溶けやすいとしても、粉薬の周りにドロドロとしたデンプンの層を作ってしまいます。

この層もいつまでも残るわけではないため、たいていの場合は問題ありませんが、即効性を求めたい薬などで影響を及ぼしてしまいます。

したがって、オブラートは厳重で丁寧に畳むのではなく、軽くねじって破れやすくするよう説明してくださいね。

苦味健胃薬はオブラートに向かない

苦い粉薬や舌触りが良くない粉薬の服用にとても便利なオブラートですが、全ての粉薬に使えるわけではありません。

よくオブラートと相性が悪いとされるのは苦味健胃剤。つまり、苦い胃の薬です。センブリやゲンチアナなどの生薬は胃での消化を助けるとされ、漢方薬をはじめとした胃薬によく用いられます。

これらは非常に苦く、この苦味を舌が感じることで唾液や胃液の分泌を促すと言われているため、オブラートに包むと苦味を感じることができず効果が弱まってしまいます。

したがって、苦味や香りそのものが薬効に関係する医薬品にはオブラートは向きません。とはいえ、飲む必要があるのに全く飲めないのであればそちらの方が問題ですので、他の手段を試しても難しいようならオブラートを使ってもかまいません。

最近ではおくすり飲めたねシリーズのようなゼリータイプの服用易化剤も発売されています。そのためもあってか若いお客様の中には、オブラートなんて古い物は誰も使っていないと考える方もいますが、一度使い方に慣れれば量の多めな粉薬にも使いやすいのでおすすめ。ぜひ、粉薬が苦手なお客様に提案してみてくださいね。

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