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漢方でイボが治せる?意外と知らないイボの治療法

お店に来られるお客様の中には体にできたイボに悩んでおられる方もいらっしゃいます。こういったお客様に漢方のヨクイニン(薏苡仁)をお勧めすると「イボに漢方が効くなんて」とびっくりされる方がほとんどです。今回は実際にイボの治療にはどのような方法があるのか漢方も含めてみていきたいと思います。

そもそもイボって何?

イボは専門用語では「疣贅(ゆうぜい)」とも呼ばれ、皮膚から盛り上がっている硬くて小さなできもののことを指します。

一言でイボといってもいくつか種類があり、大きくはウイルスが原因の「ウイルス性イボ」と皮膚の老化が原因の中年イボや老人イボに分けられます。

ウイルス性イボの原因はヒトヘルペスウイルスであり、このイボは放っておくと大きくなっていき数も増えていくので治療が必要です。

イボに漢方が効くの?

イボ治療に用いられる漢方として「ヨクイニン」があります。

ヨクイニンは正式には生薬の一種であり、イネ科のハトムギを脱穀した種子のことを指します。

このヨクイニンは鎮痛作用や抗炎症作用・滋養強壮作用をもつとして、神経痛や関節痛に用いられてきましたが、内服でイボにも効果があることが知られており古くは江戸時代からイボ治療にも使用されてきました。

作用機序としてはヨクイニンがウイルス性イボの原因ウイルスであるヒトヘルペスウイルスに対する免疫を活性化させるためイボが治癒すると考えられています。

しかしヨクイニンの効果は人によって大きな差があり、使用しても十分な効果が得られないこともあるので注意が必要です。

一般用医薬品のヨクイニンの場合は数週間使用してもイボが改善しない場合は、皮膚科の受診を勧めましょう。

漢方のほかにイボに使える薬はあるの?

ヨクイニンのほかにサリチル酸含有の外用薬(イボコロリなど)もイボの治療に使用可能です。

サリチル酸は皮膚を柔らかくし小さなイボであれば直接除去することができます。
サリチル酸の剤型には塗るタイプの外用液や貼るタイプのパッチなどがありイボのできている部位によって使い分けを提案しましょう。

手のひらなど広い部分にできているイボにはパッチタイプが、指先など狭い部分にできているイボには外用液タイプがおすすめです。

ただサリチル酸のイボに対する効果は限定的であり、あまり大きなイボには効果がないこともあります。サリチル酸はあくまでイボの補助的な治療法と捉えておいたほうが良いかもしれません。

それでもイボが治らなければどうするの?

先ほども述べた通りヨクイニンやサリチル酸のイボに対する効果は個人差が大きく、人によっては思うような効果が得られないこともあります。

ウイルス性イボは生命を直接おびやかすようなものではありませんが、足や手などに感染が移ると歩行に障害が出たり、ものをつかみにくくなったりすることもあり、治療が必要です。

ヨクイニンやサリチル酸を長期間使用しても効果が得られない場合は、これらの薬を漫然と使用することは避けて、必ず皮膚科への受診勧奨を行ないましょう。

皮膚科では基本的にイボの凍結療法を行います。
この方法はイボに直接液体窒素を塗りつけるかスプレーするもので、少なからず痛みは伴いますが確実にイボを除去することが可能です。

皮膚科によってはイボのレーザー治療や電気メスでの除去を行っているところもあるので、こういった情報提供もしっかりとしてあげましょう。

以上のようにイボの治療にもさまざまなステップがあることが分かります。薬を販売するだけでなく、お客様の病気の経過を確認することも登録販売者の重要な業務です。お客様にとってどの治療法が最も適しているかを考えながらイボの治療を行っていきましょう。

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