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授乳中・妊娠中の方への上手な頭痛薬の提案方法
妊娠中だからこそ多い頭痛
妊娠中は誰しもが薬を飲みたくないもの。にも関わらず、実は妊娠中は通常よりも頭痛が起きやすいのです。
その理由は、赤ちゃんの成長に伴うホルモンバランスの変化や血流の増加です。さらに、大きくなったお腹をかばう姿勢によって肩こりが起こりやすくなり、肩こりが頭痛を引き起こしてしまうこともあります。
赤ちゃんへの薬の影響に対する不安と、頭痛薬の服用との間で悩む妊婦さんも決して珍しくありません。妊娠中や授乳中の頭痛への対策は、薬を飲まないセルフケアを心がけ、どうしても服用する場合は、安全性の高い薬を選択するのが基本です。
勧められる薬と気をつけるべき薬
妊娠中でも比較的安全と言われているのは、アセトアミノフェンです。アセトアミノフェンは、脳内でしか作用せず、副作用が少ないため、医師も妊婦さんへよく処方する頭痛薬です。ただ、胎児へ薬の影響が出やすい妊娠12週以内の妊娠初期と、出産予定日12週以内の妊娠後期は念のため服用を避けたほうが良いでしょう。
一方、ロキソニンとアスピリンは、胎児の動脈管収縮を起こす可能性があるため、妊娠後期は禁忌とされています。イブプロフェンも、禁忌ではありませんが類似薬ですので、妊娠後期はできるだけ避けるのが望ましいでしょう。
自分でできるセルフケア
頭痛は、疲れやストレス、睡眠不足でも引き起こされます。そのため、休養や睡眠を十分に取り、ストレッチなどで体をリラックスさせるだけでも頭痛の予防になります。
また、適量のカフェインは頭痛の改善効果がありますので、コーヒーや紅茶を1日2〜3杯飲むのも良い方法なのですが、妊娠中のカフェイン摂取はできるだけ避けるようにしましょう。
頭痛に良い食品は他にも、トリプトファンを多く含む大豆製品や牛乳、マグネシウムを多く含むほうれん草や柿があります。みかんなどの柑橘類も、ビタミン類や抗酸化物質を含むので、頭痛の予防効果が期待できます。
これらの食品を積極的に摂ることは、頭痛のセルフケアとしてオススメです。
参考文献 「OTCメディケーション虎の巻 改訂版」 日経ドラッグインフォメーション編 泉澤 恵 監修・執筆
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