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咳止めの相談。ゴホンとコホンで薬が変わること、知っていますか?

熱や頭痛はないんだけど咳がひどくて…とお悩みのお客さまは年間通していらっしゃいますよね。実はひとくちに咳といっても湿性咳と乾性咳の2種類に分類できます。今回はこの2つの違いとそれぞれにおすすめする薬について考えていきましょう。

湿性咳、乾性咳とはどんな咳?お客さまへの聞き方は?

簡単に言ってしまえば湿性咳(しっせいがい)は痰がからむ咳、乾性咳(かんせいがい)は痰がからまない乾いた咳です。湿性咳と乾性咳ではおすすめすべき商品が異なるので、相談を受けたらまずどちらかを見分けなければいけません。

お客さまがその場で咳をしていればわかりやすいのですが、来店する時間帯は症状が落ち着いている場合や、症状がある本人でない場合もありますよね。したがってお客さまには「痰は絡みますか?」と訊ねてみましょう。

もしどちらかわからない・覚えていないようであれば「コホンとゴホンどちらですか?」と音を思いだしてもらうのも上手な手段です。

湿性咳のために提案する商品の選び方

湿性咳では痰がからみ、日常生活に支障が出てしまう場合もあります。とはいえ咳は本来、のどの異物を排出するための機能ですので、痰がからむ湿性咳の場合、やみくもに咳を止めようとするのはおすすめできません。したがって、痰を切り、排出しやすくするために去痰作用のある薬を選択しましょう。

成分としては、カルボシステインやブロムヘキシン、グアイフェネシンなどがあります。カルボシステインやブロムヘキシンなどは処方薬としてもよく使われますので、病院で出された薬でよく効いた経験があるお客さまであれば薬に対するイメージも良く、おすすめしやすいですね。

乾性咳に効く商品はどれ?

乾性咳の場合、異物を排出するためというより、のどが敏感になり過ぎてしまっていることなどが原因で連続的な咳が出ている場合があります。したがって咳中枢を抑える作用のある薬を選択しましょう。

成分としては、コデインリン酸、デキストロメトルファンなどがあります。しかしコデインリン酸などの麻薬性鎮咳成分は腸の動きも抑えてしまう働きがあるため、高齢者や便秘に悩むお客さまにはあまりおすすめできません。

このようなお客さまには、デキストロメトロファンなどがメインの商品を提案しましょう。また、「麻薬性」という単語を怖がるお客さまもいらっしゃいますので、依存性などは心配ないことを添えられると良いですね。

咳は不快なだけでなく体力を消耗してしまいますよね。深夜から明け方にかけて症状が悪化するケースも多く、十分な睡眠が取れないことも。お客さまの悩みが大きい分、相談件数も増えます。お客さまの気持ちに寄り添いながら、湿性咳と乾性咳をきちんと見分けて商品を提案できるとすばらしいですね。

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