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「透析療法を受けている人」は使用しないこと

使用してはいけない理由

このような注意書きがある医薬品を該当者が使用してはいけない理由は、アルミニウム脳症やアルミニウム骨症を引き起こす可能性があるからです。したがってこの注意書きは主に、アルミニウムを含有する制酸剤など胃腸薬に記載されています。

通常、人間の身体ではアルミニウムが摂取されると、ほとんどは吸収されることなく排泄されます。わずかに腸管から吸収されたアルミニウムも、速やかに尿中へ排泄されることがわかっています。

しかし、透析療法を受けている人は腎臓の働きが著しく低下、または全くありません。長期間アルミニウムを含む医薬品を使用することで排泄できなかったアルミニウムが、脳やその他の器官に蓄積してしまう可能性があるのです。

透析療法を受けていない人の長期連用

腎機能の低下が認められていない人の場合であっても、長期にわたって連用してしまうとアルミニウム脳症やアルミニウム骨症を引き起こす可能性はゼロではありませんので禁止されています。

とはいえアルミニウムは他の毒性のある金属と比べても、もともと吸収率が低い上、制酸剤に含まれるアルミニウムは天然の食べ物に含まれているアルミニウムの吸収率の1/10以下であることがわかっています。したがって、過度に恐れる必要はありません。

アルミニウムによる副作用を心配するよりも、長期に医薬品を使用しなければならない原因を改善するようにしましょう。

この注意書きが記載される医薬品に含まれる成分

成分としては、アルジオキサ、スクラルファート、水酸化アルミニウムゲル、乾燥水酸化アルミニウムゲル、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、天然ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム・炭酸カルシウム共沈生成物、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、ヒドロキシナフトエ酸アルミニウムがあります。

アルミニウム脳症とアルミニウム骨症の症状

アルミニウム脳症 :
軽度の口ごもりや一時的にぼーっとする状態などから重症になると認知症のようなせん妄症状や痙攣などが起こります。高齢者では加齢性の認知症と間違えて診断され、発見が遅れてしまう可能性もありますので家族や近しい人は注意が必要です。
アルミニウム骨症 :
他の原因で引き起こされる骨軟化症のように骨折しやすくなります。

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