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登録販売者、採用の現場から

今年の夏に活躍する制汗剤の種類と成分とは

今現在ドラッグストア等で働いている方も、働いていない方も、日差しが強い時期になるとドラッグストアで制汗剤等の商品が大きく店頭に展開されていることに気が付くと思います。何気なく販売したり、購入している制汗剤は一体どのような成分が含まれているのでしょうか。また、どのような種類が販売されているのでしょうか。今回は、制汗剤の種類と成分に着目して記事を書いていきます。お客様から様々な質問をされても答えられるようにしておきましょう。今日でただ制汗剤を売る人から卒業し、登録販売者としてお客様に合った制汗剤販売できる販売員になりましょう。

制汗剤の種類

スプレータイプやスティックタイプ、ロールオンタイプ、ローションタイプがあります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

スプレータイプ

汗やその匂いを抑えることを目的としたスプレータイプの商品です。スプレーした後にすぐに乾くように制汗防臭成分を液化石油ガス(LPG)噴出できるようになっています。

よって、飛行機に持ち込むことは出来ませんので、旅行用で探している方には接客に注意が必要です。

スプレータイプなので簡単で一回で幅広い体表面にスプレーすることができますが、着ている服やスプレーしたい場所以外に成分がついてしまう欠点もあります。

スティックタイプ

スティック状の制汗剤では、内容成分をアルコールに溶解させて、これを石けん(ステアリン酸ソーダなど)で固めたものになっています。

特徴としてはさっぱりとした使用性ですが、脇などに直接塗ったものを毎回使うのは抵抗がある方も居ます。

ロールオンタイプ

回転するボールがついた特殊な容器に入っており、そのボールを皮膚に擦り付けるように塗布する制汗剤。

ボールが回ることで内容成分を塗布できる仕組みになっており、擦りつけた部分だけ内容成分を適用することができます。

ローションタイプ

ローションタイプの制汗剤はアルコール水溶液が使用されており、様々な内容成分を溶かし込め、多くの商品は内容量も多くなっていることが特徴です。

容器に入っている液体が一度に沢山でないように容器が工夫されている商品が多いです。

シートタイプ

シートに内容成分が染み込まれており、汗を拭くように内容成分が塗布できる制汗剤。シートが乾燥しないように、密閉が保てる容器に入っています。

種類別の長所と短所

上記でも少し記載しましたが、長所と短所を表にまとめておきましょう。ひと目でわかるようにしておけば、知識として定着しやすいので接客で役立つかもしれません。

長所 短所 利用場面
スプレータイプ ・冷感を感じる
・素早く噴霧できる
・捨て方が面倒
・飛行機×
・噴霧したい場所以外に内容物が付着する
・効果持続時間が短い
・大きな音がでる
・汗をかいた後
・友人とのシェア
スティックタイプ 小さく持ち運びやすい
決まった部分だけ塗布できる
・汗をかいた後だと不快
・皮膚に直接触れる
・乾くと白っぽく残ることあり
・汗をかく前
・外出先(旅行)
ロールオンタイプ ・小さく持ち運びやすい
・ムラなく決まった部分だけ塗布できる
・粉っぽくなりづらい
・汗をかいた後だと不快
・皮膚に直接触れる
・薬液が乾くまで時間がかかる
・汗をかく前
・外出先(旅行)
ローションタイプ ・塗布後に冷感を感じやすい ・重たい
・その場所にあまり留まらない
・服を着る前など
・自宅用
シートタイプ ・汗を拭くのと制汗剤を塗布するのを同時にできる
・顔に使用できるタイプもある
・持ち運びやすい
・シートが乾燥してしまうと使えない
・1枚使い捨てなので使える回数が比較的少ない
・汗をかいた後
・友人とのシェア

制汗剤の成分

制汗剤と一言に言っても、多くの内容成分が含まれています。ここでは、お客様が改善したいと考えられる点を列挙し、それに対して有効である成分を説明します。

汗の量が多い・汗ジミができる:下記の収れん作用をもつ制汗剤

  • クロルヒドロキシアルミニウム
  • パラフェノールスルホン酸亜鉛
  • ミョウバン
  • 酸化亜鉛

汗の匂いを改善したい:下記の殺菌成分が入っている制汗剤

  • 銀イオン(Ag+)
  • イソプロピルメチルフェノール
  • ミョウバン
  • 塩化ベンザルコニウム
  • β-グリチルレチン酸
  • メントール

汗の匂いを隠したい:下記の消臭成分が入った制汗剤

  • 亜鉛華(酸化亜鉛)
  • 柿渋タンニン
  • 緑茶抽出物
  • 焼ミョウバン
今回は制汗剤の種類と成分を勉強しました。長所短所、種類別の使用場面も記載しましたので、この情報を覚えておくことで制汗剤コーナーで迷っているお客様に自信をもって対応することができるでしょう。明日からは「どれが良いですかね?」と聞かれた時に「まあ、好みですかね」と答えることからは卒業ですね! お客様の使用場面やどんな事に悩んで制汗剤を探しているのかを親身になって聞き、それに合った商品を選べるようにしましょう。もちろん、商品の香りも最終的に商品を決める大きな決定打になりますので、サンプルの用意も忘れずに。

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