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乗り物酔いは、薬に頼らない方法でも大きな効きめがある?

行楽や校外学習でのバスや電車は、友達とお話ししたりお菓子を食べたり、とても楽しい時間ですよね。しかし乗り物酔いをしやすいお客さまにとっては何日も前から心配になるほど大きな悩み。今回は基礎疾患を持つお客さまに酔い止めについて相談されたときの対応を考えてみましょう。

基礎疾患のあるお客さまへの商品提案は難しい

最近では乗り物酔いの薬も効きめが鋭くなり、酔ってからでも効く商品が手に入ります。また、お子さまにもよく見られる症状ですので、小児用の商品も数多く発売されていますね。

しかし、アレルギー体質のお子さまや、ほかに疾患のあるお子さまを持つ保護者の方は心配も大きく、より安全な薬を求めてスタッフに相談する傾向にあります。アレルギーや基礎疾患の影響は個人差がとても大きいため、商品提案は難しいですよね。

そのようなとき、薬剤師や医師への相談をおすすめするのも正しい手段ですが、薬を使わない方法も紹介すると人まかせだけではない丁寧な対応になるでしょう。

どんな「薬に頼らない乗り物酔いの対処法」があるか

一般的な対処法としては、前日は睡眠をしっかりとる、ゆったりした服装にする、走行中は進行方向を向き、読書やゲームをしないなどがあります。これらに加えて、乗車前にラムネやタブレットのような「薬のようなもの」を飲む方法も効果的です。

後に説明しますが、薬を飲んだから大丈夫、と思い込むことで改善するケースが非常に多いのです。しかしお子さまの場合、自分を騙す(思い込む)ことがあまり得意ではないため、可能であれば薬と言って飲ませてしまうほうが効果があることを保護者の方に説明しましょう。

また、朝食を抜いたほうがいいかと質問される場合もありますが、血糖値が下がり、自律神経がうまく働かなくなるため、かえって乗り物酔いをひどくしてしまう可能性があります。朝食はきちんと摂るようおすすめしましょう。

なぜ薬でなくても効果があるの?

プラセボ効果(偽薬効果)といって、薬効成分が含まれていないにもかかわらず、「薬」を服用すると効果や副作用が現れることがあります。このプラセボ効果、薬効を証明しなければならない臨床試験では、いつも研究者の頭を悩ませているほど大きな効果。病は気からと言われますが、あながち嘘ではないようです。人間の身体は不思議ですね。

ともかく、個人差や症状にもよりますが、乗り物酔いは比較的プラセボ効果の影響を受けやすい症状といわれています。ですので、実際には薬効のない物でも「薬を飲む行為をすること」で代用ができるのです。

薬に頼らない方法をおすすめする際、間違っても口にしてはならないのが、「気のせい」という言葉。確かに気の持ちようによって改善することは多いですが、症状自体は決して気のせいではありません。お客さまの信頼を失わないためにも、ひとことひとことに注意を払って接客したいですね。

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