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ダイエット薬について知っておきたいこと
日本で認可されているやせ薬(西洋薬)は1種類だけ?
日本で認可されている西洋薬のやせ薬は、食欲中枢を抑える「マジンドール(サノレックス)」という薬がわずかに1種類あるだけです。
健康保険も適用されますが、 BMI(ボディ・マス・インデックス )で35以上の高度肥満の方が、3ヶ月間しか使うことができません。さらにリバウンドや頭痛、口渇、便秘などの副作用があります。
BMIは「身長と体重から求める体格指数」で、体重(キログラム÷身長(メートル)÷身長(メートル)で計算される国際的な肥満度基準です。
成人では、BMI 22が病気にかかる可能性がもっとも低く、理想的とされています。日本肥満学会では25以上を肥満(世界保健機関では30以上)、18.5未満を低体重としています。
BMI 35は、身長が仮に170センチメートルであれば、体重は101~102キログラム 。筋肉量の多いスポーツ選手などを除けば、かなり太った方で内臓脂肪が多く蓄積しているのではないかと思われます。したがって、健康保険でこの薬を使える方はごくわずか。自費でも服用できますが、副作用の関係で緑内障、心臓病、腎臓病、肝臓病、高血圧症、糖尿病、脳血管障害などの病気のある方は要注意です。
ところで、やせ薬やダイエット食品をめぐり、問題が続出しています。ここ10年間でも、中国のやせ薬で死亡したり、ダイエット食品で中毒症状を起こし病院に運ばれたりするなど、命にかかわるような事例があとを絶ちません。
安易にやせ薬やダイエット食品に手を出すべきではありません。
ダイエットの基本は、食事療法と運動療法です。やせ薬などに頼らず、健康的なダイエットに励みましょう。
体外排出をうたうダイエットサプリは、使用できない?
この種のサプリメントの広告で、よく行われるのが「ビーカーに脂肪分を入れ、サプリメントの成分を加えると脂肪分が固まる」といった実験です。しかし、人間の体は試験管ではありません。もし、同じことが胃や腸の中で起こったら、ダイエットどころかたいへん危険な状況です。
また、ラットを使い、「腸の脂肪吸収を80%抑えます」といった実験データが示されるケースも多いですが、もし、腸が脂肪吸収を80%もブロックしたら、体内バランスが完全に狂い、最悪の事態も考えられます。
アメリカの医療現場で使われる「ゼニカル」という肥満治療薬は、腸での脂肪吸収を30%しか抑制しません。それでも、胃もたれ、脂溶性のビタミンA・D・E・K欠乏などの副作用が報告されています。
したがって、ビーカー実験やラット実験は、真っ赤なウソとまでは言いませんが、その結果をそのまま人間に当てはめられないことは明確です。
厚生労働省は、「食事により摂取した脂質、炭水化物の体内吸収を阻害し、体外に排出できるというダイエット食品9品目について、実際にラット実験を行ったが、その効果は確認できなかった」として、この種の製品の広告やコマーシャルを2004年に禁じています。
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