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ステロイド含有口内炎治療薬が使えないケース

痛―い口内炎。早く治したいですよね。薬局・ドラッグストアではさまざまな口内炎治療薬を販売していますが、お客様によっておすすめする商品を変えたほうが良いのでしょうか?今回は薬効成分としてステロイドを含む商品をおすすめすべきでないケースを紹介します。

「ステロイドは感染を悪化させる」という知識を目の前のお客様に繋げる

数あるステロイドの副作用の中でも感染悪化は有名ですが、実際具体的に注意はできているでしょうか?当然、口周りで気にしておきたい感染もあります。例えば口唇ヘルペスや口腔カンジダ。このような感染症が併発している場合はステロイドが含まれた口内炎治療薬をおすすめしてはいけません。

口唇ヘルペスも口内炎も体力が落ちたときにできやすいですよね。たまたま両方できているところにステロイド含有の口内炎治療薬を購入し、うっかり両方に塗ってしまうことも十分に考えられます。

また、かなりの割合の人が持つといわれる歯槽膿漏や歯肉炎なども感染悪化の可能性がありますので場合によっては注意が必要。

お客様のほうから質問してもらえれば気付きやすいですが、必ずしも相談してもらえるとは限りません。

お客様自身全く関係がないものとして認識していれば、疑問や不安は起こらないからです。教科書で学んだ知識を実際の接客にあてはめるのはとても難しいことですが、少しずつ確実に自分のものにしていきましょう。

併用薬も販売前に確認

市販薬で口内炎に使用する外用の商品ですので、ステロイドが含有されているとはいえあまりに過度な使い方をしなければ通常問題にはなりません。

しかし、他の疾患治療のためにステロイドの内服薬を処方されている患者さんは、数mg単位で調整を行っている場合があります。この場合ではいくら市販薬の外用であっても治療に影響を及ぼす可能性がありますので、販売前にしっかりと確認をしましょう。

口内炎の治療であれば長期的に使用し続けることは考えにくいですが、もし可能であれば、そうした治療が始まるときに医師に確認するよう伝えておくとよりすばらしい接客と言えるでしょう。

口内炎によく効くステロイド含有薬ですが、おすすめするにも注意が必要です。せっかく「登録販売者」を頼って質問してくれたお客様ですので、一人一人に適した商品を紹介したいですよね。今回紹介した口内炎治療薬だけでなく、どの薬効群の医薬品でもおすすめする商品をいくつかのお客様パターン別に決めておくとスムーズな対応になります。

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