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さて11月です!さすがに寒くなってきました~入浴剤のお話~
日本人が大好きなお風呂!いつからあるの?
日本人のお風呂好きは世界中に知られていますが、日本書紀にまで温泉の記述があり、聖武天皇(奈良の東大寺を建立された方です)の皇后である光明皇后の「施浴」も有名な伝説です。
この時代の風呂は、現在のお湯に浸かるものではなく、今でいうサウナのようなもので、最初は仏教寺院で寺僧が身を清めるために行っていたものを庶民にも開放した(=施浴)ことからだんだんと広まっていったそうです。現在のお湯に浸かる形式になったのがいつかははっきりしないそうですが、江戸時代にはすでにその形式のお風呂屋さんがあったとのこと。
入浴剤の原点
入浴剤の起源も、最初は温泉の湯の花であったり、ショウブやユズなど、天然の温泉の材料を使ったり、薬用植物による薬湯だったようです。明治時代には生薬配合のものが、昭和初期には無機塩類入浴剤=今のバスクリンやノボピンなどの商品が登場します。
それでも、昭和30年代くらいまでは入浴剤を使用するのは銭湯が主で、その後、内風呂が増加するにつれて市場も大きく拡大しました。また、使用目的も温浴効果・温泉効果のみではなくなり、今ではスキンケアやリラックス効果なども重要視されますね。
入浴剤の種類により効果が違う!
さてこの入浴剤ですが、使用することで乾燥を和らげたり、皮膚がしっとりしたり、湯冷めしにくくなったりするとされています。
1.無機塩類系=塩類が皮膚の表面の蛋白質と結合して膜を形成し入浴後の保温効果が高くなる。
2.炭酸ガス系=炭酸ガスの血管拡張作用を利用することで血量が増加し、全身の新陳代謝、疲労回復、保温効果などが高まる。
3.スキンケア系=保湿成分を含むものが多く、皮膚の乾燥を防ぐ。
メジャーなところでは、以上のような効果が謳われています。また、さら湯だと浸透圧の加減で肌がぴりぴりするという方もいらっしゃると思いますが、入浴剤を入れればそれも緩和されます。
自分好みの入浴剤に出会えるには!?
販売されている商品に加え、漢方生薬やアロマテラピーの精油、オイルや塩や、重曹、クエン酸、泥(クレイ)などを使って自作される方もおられるようなので、それこそ数限りない入浴剤が、日々消費されていることになりますね。入浴剤は化粧品、医薬部外品、医薬品のいずれかとして扱われますが、そのほとんどが医薬部外品です。
薬事法の規制により「化粧品」と分類された入浴剤のほうが効能・効果を謳う範囲が限定されます。医薬部外品のほうが、薬事法第2条第2項によって「人体に対する作用が緩和であること」とされていますので、自由な表現がある程度認められているんですね。
「人体に対する作用が緩和である」ということで、実は入れても入れなくてもただの温浴効果とそう変わりはないんじゃないかという辛口な意見も目にするのですが、お店にたくさん並んだ入浴剤を選ぶのも、今日はどの入浴剤にしようかなと迷うのもお風呂の楽しみのひとつ。
確かに色素や人工香料や合成界面活性剤など、肌の弱い方には問題になる成分を含む商品もありますので、いっそ含有成分のお勉強とでも思って調べたり勉強したりしながら、自分の気に入った商品、自分にあった商品を見つけてくださいね♪
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