登録販売者.com

ログイン 無料登録

登録販売者ドタバタ劇場

こんな頭痛は要注意|病院受診を勧めるべき頭痛

頭痛はありふれた症状ですが、その陰には重大な疾患が隠れていることもあります。頭痛を訴えるお客さまと接するときは、常にそのことを頭に置いておきたいもの。 登録販売者が知っておきたい注意すべき頭痛の症状には、具体的にどんなものがあるのでしょうか。

頭痛は種類によって対処方法が異なる

頭痛は、一次性頭痛と二次性頭痛に分けられます。

一次性頭痛は明らかな基礎疾患のない頭痛で、代表的なものには、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛があります。片頭痛と緊張型頭痛は、症状が軽度であればOTCの適応になりますが、群発頭痛は症状が激しいため、病院への受診が基本です。

二次性頭痛は、何らかの原因がある頭痛のことを指します。具体的には、脳腫瘍や髄膜炎、くも膜下出血などの緊急を要する器質性頭痛や、三叉神経痛や変形性脊椎症等に伴う症候性頭痛、薬物の乱用による薬物乱用頭痛があり、これらは医療機関での治療が必要な頭痛です。

怖いのは二次性頭痛!早めの受診が必要

二次性頭痛の場合、一時的に薬が効いたとしても、原因を解消しなければ頭痛は改善しません。特に、脳の異常が疑われる場合は、治療に緊急を要します。

薬物乱用頭痛の場合は、OTCの頭痛薬自体が頭痛の原因なので、適切な治療を受けなければ痛みは改善するどころか、悪化してしまう可能性があります。

そのため、薬局やドラッグストアでOTCを提案する際は、まず、二次性頭痛ではないことをチェックしましょう。少しでも二次性頭痛が疑われる場合は、市販薬はあくまで一時しのぎであることをお客さまに伝え、必ず病院へ受診するよう勧める必要があります。

お客さまへの聞き取りポイント

二次性頭痛を除外するには、痛みの程度や持続時間、発現時期等の痛みの特徴を確認しましょう。もし、今まで経験したことのないような頭痛だったり、痺れや麻痺、発熱や頚部硬直の症状を伴っていたりする場合は要注意です。また、50歳以降に初発した頭痛や、痛みの頻度や程度が増していくような場合も、病院への受診を勧める必要があります。

また、OTC頭痛薬の乱用が薬物乱用頭痛を引き起こしていることもあります。頻繁に頭痛薬を買いに来るお客さまには、薬の効果が現れているか確認し、効果に満足できていなければ、病院へ受診を勧めることが大切です。

二次性頭痛は、お客さま自身も気づいていないことが多くあります。適切な治療を受けられるよう、お客さまに気づきを与えてあげることも、登録販売者の大切な役割です。OTCの適応にならない頭痛ではありますが、二次性頭痛についても理解を深めておきましょう。
参考文献 「OTCメディケーション虎の巻 改訂版」 日経ドラッグインフォメーション編 泉澤 恵 監修・執筆

arrow_drop_up