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【登録販売者試験対策】禁煙補助剤のまとめ! 出題ポイントを確認しよう

登録販売者試験「第3章 主な医薬品とその作用:第12節 禁煙補助剤」から、試験頻出ポイントを解説します。試験本番では1問出るか出ないか程度のものですが、比較的「常識的に」考えれば答えられる内容ばかりです。得点しやすい範囲でもありますので、出題ポイントを確認して、試験で点を取り逃すことのないようにしておきましょう。

喫煙習慣とニコチンについて

そもそも喫煙はなぜ習慣になってしまうか、考えたことがありますか?

タバコの煙に含まれるニコチンは肺胞の毛細血管から血液中に取り込まれると、速やかに脳内に到達し、脳の情動を司る部位に働いて覚醒、リラックス効果などをもたらします。これが「喫煙が心地よい」と感じる理由です。

ただニコチンには依存性があるため、喫煙していないと次第に体の調子が悪く感じられるようになり、血中ニコチン濃度の低下によってイライラ感、集中困難、落ち着かない等のニコチン離脱症状(禁断症状)が現れます。

そのため、喫煙習慣からの離脱(禁煙)は困難になってしまうのです。

禁煙補助剤

禁煙を達成するには本人の確固たる意志が必要ですが、併せて禁煙補助剤が用いられます。禁煙補助剤はニコチン離脱症状を軽減するニコチン置換療法で使用される、有効成分としてニコチンを含む医薬品です。

ニコチン置換療法はニコチンの摂取方法を喫煙ではなく薬に変えて、離脱症状の軽減を図りながら徐々に摂取量を減らし、最終的にニコチン摂取をゼロにしていく方法です。
現在使用されている禁煙補助剤は咀嚼剤とパッチ製剤の2種類があります。

咀嚼剤:噛むことにより口腔内でニコチンが放出され、ニコチンが口腔粘膜から吸収されて循環血液中に移行する薬

パッチ製剤:1日1回皮膚に貼付することによりニコチンが皮膚を透過して、循環血液中に移行する薬

それぞれの製剤でニコチンがどのようにして循環血液中へ移行するのか、試験に出題されることが多いので必ず覚えておいてください。

禁煙補助剤使用の注意点1

咀嚼剤の使用に関する注意点は、ガムのように噛まないということです。ガムのように噛むと唾液が多く分泌されてニコチンが唾液とともに飲み込まれてしまい、口腔粘膜からの吸収が不十分になりがちです。

また、吐き気や腹痛等の副作用が現れやすくなるとも言われています。また、咀嚼剤の使用は1日1個までです。大量に使用したからといって、禁煙達成が早まることはありません。1日1個、継続的な使用が大切です。

また、うつ病と診断されたことのある人では、禁煙時のニコチン離脱症状によりうつ症状を悪化させることがあるため、使用を避ける必要があります。

妊婦又は妊娠していると思われる女性、授乳中の女性は、摂取されたニコチンにより胎児、乳児に影響を与える恐れがあるので、使用を避けてください。

禁煙補助剤使用の注意点2

また、口腔内が酸性になるとニコチンの吸収が低下します。そのため咀嚼剤を使用する場合、コーヒーや炭酸飲料などの口腔内を酸性にする食品を摂取した後すぐの使用は避ける必要があります。

そもそも禁煙補助剤は喫煙を完全に止めてから使用を開始すること、とされています。なぜなら、禁煙補助剤使用中もしくは使用直後に喫煙すると、血中のニコチン濃度が急激に高まる恐れがあるからです。

他のニコチン含有製剤を併用した場合も、同様にニコチンの過剰摂取となる恐れがありますので、避ける必要があります。

また、下記のような疾患を持つ人は禁煙補助剤を使用することで、元々持っている疾患で服用している治療薬の効果に影響を与えてしまったり、症状を悪化させる可能性があります。禁煙補助剤の使用前には主治医に相談するように案内しなければいけません。

心筋梗塞・狭心症・不整脈等の心臓疾患、脳梗塞・脳出血等の脳血管障害、高血圧、甲状腺機能障害、糖尿病(インスリン製剤を使用している人)、咽頭炎、胃・十二指腸潰瘍、肝臓病、腎臓病など

禁煙達成を迎えるためのアドバイス

登録販売者として、禁煙を目指すお客様に向けてアドバイスすべき内容は以下のようなものがあります。

  • 禁煙に伴うイライラ感、集中困難、落ち着かないなどのニコチン離脱症状は、通常、禁煙開始から1~2週間の間に起きることが多い
  • 日常生活では、日々感じるストレスに対して喫煙以外のリラックス法を実践すること、スポーツ、散歩、趣味等でタバコを忘れる努力をするとよい

禁煙補助剤は、ニコチン離脱症状を軽減しながら徐々にその使用量を減らしていくことになります。

初めから無理に減らそうとしない方が結果的に禁煙達成につながりますが、禁煙補助剤は長期間にわたって使用するものではありません。必ず添付文書で定められた期間内での使用に留めるように留意しましょう。

禁煙達成はなかなか簡単にはいかないものです。個人の意思だけではどうにもならない部分もありますが、禁煙補助剤を使用することで少しでも禁煙達成に近づくことを目指します。ただし、禁煙補助剤を使用しても禁煙達成が困難なほどの重度ニコチン依存を生じている場合もあり、本人がそれに気が付くことも難しい場合があります。登録販売者として、必要に応じてニコチン依存症の治療を行う禁煙外来の医療機関へ受診を勧めることも覚えておいてください。

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