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【登録販売者試験対策】鎮痛に用いる漢方処方を覚えよう
鎮痛に用いる漢方:芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)
配合生薬:甘草(カンゾウ)、 芍薬(シャクヤク)
芍薬甘草湯は登録販売者試験に頻出される漢方処方の一つです。配合生薬はとてもシンプルで2つだけ。名前からもわかるように「甘草」と「芍薬」のみから構成されており、このうち「甘草」が試験で問われやすい生薬となっています。
甘草の有効成分「グリチルリチン酸」、起こりやすい副作用「偽アルドステロン症」は必ず確認しておきましょう。
芍薬甘草湯は古くから痛み止めの頓服薬として、比較的広く使用されています。体質を問わず、特に急激に起こる筋肉の痙攣を伴う痛みに対してよく用いられ、こむら返り(足のつり)の治療薬として知られています。
こむら返り以外に腹痛、腰痛に対しても用いられますが、連用してはいけません。
また、まれに重篤な副作用として肝機能障害、間質性肺炎、鬱血性心不全や心室頻拍を生じることが知られており、心臓病の診断を受けた人では使用を避ける必要があります。
鎮痛に用いる漢方:桂枝加朮附湯(ケイシカジュツブトウ)
配合生薬:桂皮(ケイヒ)、芍薬(シャクヤク)、蒼朮(ソウジュツ)、大棗(タイソウ)、甘草(カンゾウ)、生姜(ショウキョウ)、附子末(ブシマツ)
桂枝加朮附湯は「体力虚弱」で冷えがある人の関節痛、神経痛に用いられます。変形性膝関節症などの関節痛や神経痛などにおいて、関節が痛んで曲げ伸ばしがつらい(こわばりがある)ようなときが使用の目安です。
整形外科では、痛み止めのNSAIDs(非ステロイド抗炎症薬)の継続使用が困難な場合などの代替薬として用いられることが多く、慢性関節リウマチの代表的な処方としても有名です。
鎮痛に用いる漢方:桂枝加苓朮附湯(ケイシカリョウジュツブトウ)
配合生薬:桂皮(ケイヒ)、芍薬(シャクヤク)、蒼朮(ソウジュツ)、大棗(タイソウ)、甘草(カンゾウ)、生姜(ショウキョウ)、附子末(ブシマツ)、茯苓(ブクリョウ)
先に述べた桂枝加朮附湯に「茯苓」を追加配合した漢方処方です。基本的な効能は桂枝加朮附湯と同様と考えて問題ありません。
「体力虚弱」で冷えがある人の関節痛、神経痛に用いられます。「体力虚弱」な人に適する漢方処方であるため、動悸やのぼせ、ほてりが出やすく、赤ら顔で体力が充実している人には不向きな処方となります。ちなみに茯苓は利水、抗炎症作用を強める働きを持っています。
鎮痛に用いる漢方:薏苡仁湯(ヨクイニントウ)
配合生薬:麻黄(マオウ)、当帰(トウキ)、 蒼朮(ソウジュツ)、薏苡仁(ヨクイニン)、 桂皮(ケイヒ)、 芍薬(シャクヤク)、 甘草(カンゾウ)
薏苡仁湯は「体力中等度」な人で、関節や筋肉のはれや痛みがある関節痛、筋肉痛、神経痛に用いられます。薏苡仁湯に配合されている「麻黄」は登録販売者試験にも頻出の配合生薬です。
麻黄の有効成分「エフェドリン」はアドレナリン作動性の作用を示すことから、高齢者や肝臓病、高血圧、糖尿病又は甲状腺機能障害を持つ人には服用に注意が必要な場合がありますので注意が必要です。
また、配合生薬の「薏苡仁」は瀉下薬の補助成分として幅広く配合されています。さらに肌荒れやいぼにも効果があるため、美容目的のサプリメント等としても広く一般的に用いられています。
鎮痛に用いる漢方:麻杏薏甘湯(マキョウヨクカントウ)
配合生薬:麻黄(マオウ)、杏仁(キョウニン)、薏苡仁(ヨクイニン)、甘草(カンゾウ)
「体力中程度」な人の関節痛、神経痛、筋肉痛、いぼ、手足の荒れ(湿疹や皮膚炎)などに用いられます。この中で最も覚えておきたいのは「いぼ」と「手足の荒れ」に用いること。先に述べた薏苡仁湯によく似ています。
薏苡仁湯、麻杏薏甘湯どちらも「体力中程度」な人に適する漢方処方であるため、悪心・嘔 吐、胃部不快感等の副作用が現れやすい等の理由で、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸の弱い人、発汗傾向の著しい人には不向きです。
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