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【登録販売者試験対策】知っておきたい代表的な漢方処方

登録販売者試験範囲の中でも苦手な方が多い漢方分野。他の薬とは考え方等が異なったり、漢字ばかりで覚えにくかったりと、あまり勉強するのも気が進まないことも多いのではないでしょうか。今回は、そんな漢方分野の中でもいくつか代表的な漢方処方についてまとめます。どんな疾患に用いるか、という視点で覚えておくとよいですよ。

試験に出題される代表的な漢方処方:黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)

配合生薬:黄芩(オウゴン)、黄連(オウレン)、山梔子(サンシシ)、 黄柏(オウバク)

比較的体力のある人(中等度以上)で、のぼせぎみで顔色赤く、いらいらして落ち着かない傾向のあるものの、鼻出血、不眠症、神経症、胃炎、二日酔い、血の道症、めまい、動悸、更年期障害、湿疹・皮膚炎、皮膚のかゆみ、口内炎などに用います。

また、高血圧に随伴する不眠症、神経症にも用います。なお、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)には不向きです。

黄連解毒湯は、まれに重篤な副作用として肝機能障害、間質性肺炎、腸間膜静脈硬化症が起こることが知られています。

試験に出題される代表的な漢方処方:防已黄耆湯(ボウイオウギトウ)

配合生薬:防已(ボウイ)、黄耆(オウギ)、蒼朮(ソウジュツ)、生姜(ショウキョウ)、大棗(タイソウ)、甘草(カンゾウ)

防已黄耆湯は、あまり体力のない人(中等度以下)に適する漢方処方です。疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるものの肥満に伴う関節痛、むくみ、多汗症などに用います。色白で筋肉が柔らかい、特に下肢がむくみやすいような方は、水分代謝が悪く、余計な水分が体にたまってしまっている状態です。

水分によるむくみで、いわゆる水ぶとりの方が防已黄耆湯を服用すると、水分代謝に働きかけて肥満症の改善が期待できます。

配合生薬に「甘草」が含まれているため、副作用としては偽アルドステロン症に注意が必要です。また、肝機能障害、間質性肺炎が起こることも知られています。

試験に出題される代表的な漢方処方:防風通聖散(ボウフウツウショウサン)

配合生薬:当帰(トウキ)、芍薬(シャクヤク)、川芎(センキュウ)、山梔子(サンシシ)、連翹(レンギョウ)、薄荷(ハッカ)、生姜(ショウキョウ)、荊芥(ケイガイ)、防風(ボウフウ)、麻黄(マオウ)、大黄(ダイオウ)、芒硝(ボウショウ)、白朮(ビャクジュツ)、桔梗(キキョウ)、黄芩(オウゴン)、甘草(カンゾウ)、石膏(セッコウ)、滑石(カッセキ)

防風通聖散は多くの生薬が配合されており、肥満症に効くと最近注目が高まっている漢方処方です。体力があって腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちな人で、高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘、蓄膿症、湿疹・皮膚炎、ふきでもの、肥満症に用います。

一方、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸が弱く下痢しやすい人、発汗傾向の著しい人では、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすいため、注意が必要です。

試験に出題される代表的な漢方処方:大柴胡湯(ダイサイコトウ)

配合生薬:柴胡(サイコ)、半夏(ハンゲ)、生姜(ショウキョウ)、黄芩(オウゴン)、芍薬(シャクヤク)、大棗(タイソウ)、枳実(キジツ)、大黄(ダイオウ)

大柴胡湯は、体力が充実して脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく、便秘の傾向があるものの胃炎、常習便秘、高血圧や肥満に伴う肩こり・頭痛・便秘、神経症、肥満症に用います。

この中でも特に覚えておきたいのは「常習便秘」に用いるという点です。常習便秘に用いる場合、漫然と長期使用することは避け、1週間位服用しても効果が認められない場合は、医療機関を受診するようにしましょう。

試験に出題される代表的な漢方処方:清上防風湯(セイジョウボウフウトウ)

配合生薬:黄芩(オウゴン)、 桔梗(キキョウ)、 山梔子(サンシシ)、 川芎(センキュウ)、 浜防風(ハマボウフウ)、 白芷(ビャクシ)、 連翹(レンギョウ)、 黄連(オウレン)、 甘草(カンゾウ)、 枳実(キジツ)、 荊芥(ケイガイ)、 薄荷(ハッカ)

清上防風湯は、体力中等度以上で、赤ら顔でときにのぼせがあるもののにきび、顔面・頭部の湿疹・皮膚炎などに用います。胃腸の弱い人では食欲不振、胃部不快感の副作用が現れやすいので不向きです。

配合生薬に「甘草」が含まれているため、副作用としては偽アルドステロン症に注意が必要です。他に肝機能障害が起こることも知られています。

また、まれではありますが清上防風湯の服用によって、もともとの状態から悪化することもあります。

今回ご紹介した漢方処方のポイントをまとめると、「黄連解毒湯:鼻出血や二日酔いに用いる」「防已黄耆湯:水ぶとりに用いる」「防風通聖散:肥満症(特に腹部に皮下脂肪があるような場合)に用いる」「大柴胡湯:常習便秘に用いる」「清上防風湯:赤ら顔や湿疹に用いる」となります。これらを覚えておけば、試験のあと数点のアップが期待できます。理解しにくい部分も多いかと思いますが、ポイントだけでもしっかり覚えておきましょう。

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