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試験に合格しても売り場に立てない?! 登録販売者として働くのに必要な「販売従事登録」とは?
登録販売者として働くための第一歩「販売従事登録」
登録販売者試験に合格したら、合格証もしくは合格通知書が届きます。そのまま就職先さえ決まっていれば、登録販売者デビューが飾れる!そんな風に思っている方も多いかと思いますが、実は必要な手続きが存在します。それが「販売従事登録」です。
登録販売者として働く店舗が決まったら、その勤務先を管轄する都道府県において販売従事登録を行わなければいけません。これは“登録販売者として医薬品販売に携わりますよ”ということを登録する、といったイメージでしょうか。販売従事登録証を発行してもらって、ようやく登録販売者として売り場に立つことが可能となります。
登録販売者試験が各都道府県で行われるのと同様、販売従事登録も各都道府県で登録することになります。ただし、必ずしも試験に合格した都道府県で行う必要はありません。
あくまでも「勤務先の店舗を管轄する都道府県」が登録先です。例えば、東京都の登録販売者試験を合格し、実際に働く店舗が埼玉県にあったとしたら、販売従事登録は埼玉県に対して行います(なお、複数の都道府県における重複登録は不可能です)。
販売従事登録に必要な書類
販売従事登録には以下の書類等が必要です。
- 登録販売者試験の合格証(合格通知書)
- 都道府県ごとの販売従事登録申請書
- 医師の診断書(精神機能の障害がないこと、及び麻薬、大麻、あへんもしくは覚せい剤の中毒者でないことを示すもので、発行3ヶ月以内のもの)
- 戸籍謄本、戸籍抄本又は戸籍記載事項証明書(発行6ヶ月以内のもの)
- 勤務先との使用関係を示す書類
- 登録手数料(料金は都道府県により異なる)
登録販売者試験の合格証は原本を提出します。手元に戻ってきませんので、必要があればコピーを取っておくことをオススメします。販売従事登録申請書は都道府県のホームページに掲載されていますが、保健所等で入手することも可能な場合が多いです。
また、医師の診断書は普段行くような内科のクリニックでも発行可能です。特別な医療機関への受診等は必要ありませんので、かかりつけ医に相談してみると良いでしょう。診断書の用紙は合格通知書に同封されてきますが、紛失してしまった場合、インターネットからのダウンロードも可能です。
勤務先との使用関係を示す書類だけは、自分で準備することができません。勤務先となる会社へ書類の作成を依頼し、記入してもらうようにしましょう。
これら申請書類の提出は、郵送もしくは直接窓口への持ち込みとなっています。提出方法も含め、各書類について都道府県ごとに細かい規定等がある場合があるので、詳細は必ず自分が登録する都道府県のホームページ等で確認するようにしてください。
販売従事登録証が届いたら…
販売従事登録証は即時交付ではありません。多くの場合は申請2週間後以降に交付され、郵送もしくは窓口で直接受け取ることとなっています。
販売従事登録証が手元に届いた後は、今度はこれを保健所に登録(勤務登録)する必要があります。勤務先に自分の販売従事登録証のコピーを提出すれば、代理で手続きを進めてくれることがほとんどです。気になる場合は、勤務先の会社に確認してみましょう。
その際、販売従事登録証の原本は手元に残ります。紛失しないように気を付けてください。
ちなみに、一度販売従事登録を行えば登録した都道府県以外でも登録販売者として働くことができます。埼玉県で販売従事登録をしていて、配属が神奈川県の店舗に変更になっても再登録の必要はありません。
一方、結婚等で販売従事登録証の記載事項(本籍地、氏名、生年月日など)に変更があった場合には、登録内容変更の手続きが必要となります。
また、何らかの理由で退職する(今後、登録販売者として働かないことになる)場合は、登録消除の手続きも必要となります。登録消除の手続きそのものには、手数料等は発生しませんが、後々改めて登録販売者として働く際には再度販売従事登録が必要となり、手数料も発生しますので、ご注意ください。
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