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登録販売者ドタバタ劇場

1日3回服用の薬は1日2回服用の薬に比べて効きますか?への回答

お客様は様々なことを疑問に思い、相談してきます。中でも用法用量についての疑問は、効果と共に気になる方が多いようですね。お客様の質問に正しく応えることは、その後の信頼獲得への近道です。そこで今回は「1日3回服用の薬は1日2回服用の薬に比べて効くか」という質問を受けたときについて考えてみましょう。

服用回数は製剤設計によって調節されている

結論からいえば、決められた用法が1日2回か3回かで効果の強弱はありません。かぜ薬などは商品が違っても1日に身体に入る薬効成分の総量が大体同じで、次に飲む時間まで血中濃度を一定にするように設計されているからです。

つまり、1日2回服用の薬は1日3回服用のものと比べて1回分に含まれる量が多い代わりに、少しずつ長い時間をかけて溶けるように作られているのです。

このような工夫は製剤設計といい、薬効成分を最大限有効に使うためには欠かせません。薬の開発というと新しい成分の研究と考えられてしまいがちですが、実はこの製剤設計の工程こそが製薬会社の腕のみせどころといわれています。製薬会社は様々な工夫をすることで、お客様のいろいろなニーズに応えられるようにしているのですね。

用法用量からアドバイスする商品提案

効果が同じであれば、用法用量は商品選択の重要なポイントになります。例えば、仕事の都合で決まった時間に昼食を食べられないお客様や、薬を飲んでいることを人に知られたくないお客様には1日2回服用の商品が向いています。

お客様によっては、普段からサプリメントなどを毎食時に飲む習慣がある、毎食時飲む方が忘れない、と言って1日3回服用を希望する方もいます。

また、効果の感じ方には個人差がありますので、1日2回だけではすぐに効き目が切れてしまうと感じる方もいるでしょう。そのような時は、「○○時間は効いているはず」などと否定せず、服用回数の多いものを提案したり、薬の合間にのど飴など別のものをおすすめしたりするとスムーズに接客ができます。

快適な生活をサポートすることが市販薬の役割ですから、しっかりと聞き取りをして、お客様のライフスタイルに合わせた商品を提案できると良いですね。

医薬品の選択ではお客様自身、ついつい効果のほうに気が行ってしまうもの。中には効果のためには多少の我慢も仕方ない、と諦めてしまう方もいます。そうした場合でも、普段の生活に合わせられることをひとことアドバイスするだけで、薬が身近になりますのでぜひ教えてあげてくださいね。

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