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骨密度って何? 骨密度が低いと相談された場合のご案内方法
骨密度改善を望む場合にお勧めできる成分
お客様に「骨密度が低かった」とご相談された際には、すぐにでも商品を紹介したい気持ちを少し抑えて、まずは先生の治療方針を伺うようにしましょう。
例えば、「先生は骨密度についてなんと仰っていましたか?」と伺うと良いと思います。この際に、今「薬をもらってきたんだけど、他にできることがないかと思って」や「注射を打ってきたんだけど、なんか飲み薬も飲んだほうがいいかなって」等の返答があった場合は要注意です。
薬剤師に助けを求められるのであれば、バトンタッチしても良いでしょう。自分ではわからない場合は生活面でのアドバイスを行いつつ、「先生に今飲んでる薬と一緒に市販薬を飲んで良いかどうか伺ってから再度ご来店してください」と伝えると良いでしょう。
特に治療が始まっていなければ、以下の成分はご案内して良いと思います。ただし、推奨・上限摂取量や相互作用には十分注意しましょう。
ビタミンD
ビタミンDは脂溶性ビタミンである為、過剰摂取は身体に悪影響を及ぼす可能性があります(高カルシウム血症、腎障害、軟組織の石灰化障害など)。
そのため成人では目安5.5μg(220IU)、上限100μg( 4,000IU)が推奨されています。注意すべき相互作用は特にありませんが、もしすでにビタミンDが含有された薬やサプリメントを飲んでいる場合には注意しましょう。
カルシウム
過剰摂取にならないために、18歳以上の男性と女性ともに耐容上限量2,500mgが設定されています。
過剰摂取すると軟組織の石灰化、泌尿器系結石、前立腺がん、鉄や亜鉛の吸収障害、便秘などが起こる可能性があるとされています。
そして年齢別カルシウムの推奨量は、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」で以下のように表わされています(50歳以上)。
年齢 | 推奨量(mg/日) |
---|---|
50~64 | 737 |
65~74 | 769 |
75 以上 | 720 |
年齢 | 推奨量(mg/日) |
---|---|
50~64 | 667 |
65~74 | 652 |
75 以上 | 620 |
注意すべき相互作用は、抗菌薬との相互作用です。ニューキノロン系抗菌薬、テトラサイクリン系薬、セフェム系薬を飲んでいる・飲む可能性がある場合は抗菌薬の作用や吸収が低下することがあるので注意が必要です。薬剤師や医師の判断を仰ぎましょう。
生活面のアドバイス
生活面のアドバイスとしては 、 バランスの良い食事(乳製品・小魚類・野菜など)、ビ適度な日光浴(ビタミンD合成)、適度な運動(運動の刺激が骨の形成を促進)が推奨できます。
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