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頼りになる登録販売者になる為には。~夏は経口補水液正しい飲み方と脱水について知ろう~
熱中症とか脱水ってどういう状態!?
私たちの体は、気温が高い場所や直射日光などで体温が上がると汗をかいたりすることで体温を正常に保つ仕組みになっています。
しかし、長時間暑い場所にいると体温調節が出来なくなります。そして、汗で体内の水分や塩分が足りなくなると脱水症状を起こしてしまいます。
ひどくなると失神や筋肉のひきつり等が起こることもありますので、熱中症を甘くみるととても危険です。
そもそも経口補水液ってなに!?
経口補水液とは水と電解質(塩分など)と糖質が含まれており、水だけより体が吸収しやすいように濃度が調節されているものです。
熱中症の時だけではなく、嘔吐下痢や発熱時など、体内から水分や電解質が失われた時にも用いることができます。
あくまでご家庭で治療できる状態の時に飲むものなので、脱水症状がひどくなり立っていられないほどの眩暈や吐き気、水様状下痢、意識混濁などがある場合はすぐに受診しましょう。
脱水は水を足すだけじゃだめ!?
脱水が起きてしまっている状態の体は水分だけではなく塩分などの電解質と呼ばれる成分も不足した状態になっています。
汗がしょっぱいのは水分と一緒に塩分も外に出てしまっているからです。
水だけを外から補ってもなかなか体は吸収できず、取りすぎてしまうと体内の塩分が足りなくなり水中毒(めまいや頭痛が起きます)になってしまう可能性があるため注意が必要です。
そのため、体が吸収のしやすい濃度の塩分も一緒に摂ることが大切です。また少量の糖分は水分や塩分の吸収を助ける作用があるため、経口補水液に含まれています。
具体的にどう飲めばいいの!?
「のどが乾いた!」と感じて水をがぶがぶ飲んだ経験はありませんか? 実はのどが乾いたと感じた時点で脱水症状が出てしまっているんです。
そのため、この症状が起こる前に水分補給をすることが大切です。
一般的には成人の方で1日500mLペットボトル2本を飲むことが目安になりますが、あくまでも目安なので体調に合わせた飲み方をするようにご説明できると良いです。
また、夏は冷えたものを持ち歩きたいからといって経口補水液を凍らせてしまう方もいらっしゃいます。
しかし、一部が凍ったままの状態で飲んでしまうと経口補水液中の電解質濃度が崩れてしまい経口補水液の本来の効果が見込めなくなってしまいます。
スポーツドリンク等を凍らせて飲んだことがある方はご存知かもしれませんが、溶け始めてから飲んだ最初の一口目は濃い味がします。
これは、まさしく電解質濃度が崩れている証拠です。この理由から、経口補水液は凍らせないか、凍らせたい場合は製氷機などで小分けして凍らせ、氷のまま食べればよいとお伝えして頂ければと思います。
塩分が入っているけど基礎疾患がある人でも飲んでいいの?
経口補水液は500mLに塩分がお味噌汁約1杯分、糖分がジュース約1杯分含まれています。汗として出てしまった分を補うには基本的に問題はありませんが、医師から制限を受けている方や基礎疾患のコントロールがうまくできていない方は医師、薬剤師へ相談することが望ましいです。
赤ちゃんも飲めるの??
赤ちゃんは成人よりも体の水分量が多いのですが、代謝が活発である為、気づかないうちにたくさんの水分を失うことがあります。
経口補水液に関しては、基本的には水分を摂ることが出来れば問題はないと言われておりますが、ひどい下痢や嘔吐、または発熱時などで初めて飲む場合は経口補水液では対処できない状態である可能性もありますので、一度医師に相談した上で飲ませてあげるのが望ましいです。
飲ませてあげる際はスプーンにのせて口に運んであげたり、スポイトを使用すると便利です。
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