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霜焼けや冷え症で辛いと相談された時、あなたはどの市販薬を選びますか?
霜焼けとは?
寒暖による繰り返しの刺激(血管の収縮や拡張の繰り返し)によって血液循環に障害を引き起こし、身体の一部(四肢の末端など)が痒くなったり熱くなるような現象を言います。
特に、室内などで身体が温まると痒みが強くなることが多いです。
冷え症とは?
血液循環が悪いために血液が毛細血管へ流れず、手足などの四肢末端が冷えてしまう状態のことです。
霜焼けとは違い、冷え症の場合は気温とは関係なく手足などが温まらない場合があります。その為、たとえ真夏であっても冷え症の症状がでる方もいらっしゃいます。
有効な市販薬やサプリメントはある?
霜焼けと冷え症のどちらにも外用薬が推奨できます。血行促進成分のビタミンEが含有されている塗り薬が良いでしょう。
クリームタイプよりも軟膏タイプのほうが皮膚への刺激が少ないと言われる為、商品があればそちらを選ぶのも良いと思います。
霜焼けで赤みや痒みが出ている場合は、抗炎症成分が含有されている市販薬を一緒にご案内しても良いと思います。
またビタミンEに血行促進作用があるので、ビタミンE含有のサプリメントや市販薬もお話しても良いと思います。ただし、ビタミンEは脂溶性ビタミンである為、過剰摂取はしないように注意喚起をしましょう。
この他にも、冷え症に関しては飲み薬で症状が緩和できる場合があります。東洋医学は冷え症の治療に特化しています。
例えば、当帰芍薬散や当帰四逆加呉茱萸生姜湯、六君子湯、大建中湯、桂枝茯苓丸、加味逍遥散、呉茱萸湯は冷え症に効果があると言われています。
しかし、それぞれ冷え性のタイプによって使用する漢方薬が変わってくることも忘れてはいけません。
具体的には、
- 手足が冷えやすい人の食欲不振には「六君子湯(リックンシトウ)」
- おなかが冷えて痛む人の腹部膨満感には「大建中湯(ダイケンチュウトウ)」
- 足腰の冷え症に「当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)」
- 足が冷えてのぼせる人の月経痛に「桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)」
- イライラする人の冷え症や不眠症に「加味逍遙散(カミショウヨウサン)」
- 手足が冷える人の頭痛や頭痛に伴う吐き気には「呉茱萸湯(ゴシュユトウ)」
参照:TSUMURA & CO. Web サイト「冷え症チェック! わたしはどのタイプ?」
上記以外の冷え症改善薬として、アルコールと生薬成分が含有された市販薬もドラッグストアに販売されていると思います。
アルコール含有の為、もちろん二十歳以下のお客様は服用できません。また他の医薬品を服用されているお客様の場合は、その市販薬の副作用がでやすくなる可能性がある為、一度医師や薬剤師に相談してもらいましょう。
接客で気を付ける点はある?
気を付ける点は、症状を断言しすぎないことです。お客様の中には皮膚の状態を見せてくださる方もいらっしゃいますが、専門医でもない限り判断は非常に難しいです。
そもそも、私たちは医者ではありません。たとえば、霜焼けだとお客様がお話されても「洗剤のかぶれや、ひびわれ、あかぎれ」かもしれません。
もしくは、まったく別の病気かもしれません。お客様との会話の中で効果がありそうな市販薬をご案内するのは大切なことですが、「判断が難しい場合や、市販薬を一定期間使っても治らない場合、症状を繰り返す場合」は必ず医療機関を受診してもらうようにしましょう。
薬以外の対策もお伝えしよう
霜焼けの場合は「寒暖による繰り返しの刺激」が原因だと前述しました。つまり、外出する時は必ず手袋をつけるなど、末端を冷やさないように対策してもらうようにしましょう。
そのような薬以外の対策製品を扱っているのであれば、その商品をご案内しても良いと思います。
冷え症の場合は「気温とは関係なく起こる」ことがあります。原因は様々ですが、日々の食生活や習慣が原因の場合もあります。
例えば、冷たい飲み物ばかり飲んでいるのであれば常温のものに変更したり、運動不足で筋肉量が落ちているのであれば適度な運動をするべきです。
ストレスによる自律神経の乱れであれば、睡眠を改善することも一つの手です。お客様に時間があれば、とことん相談に乗るのも良いかもしれません。
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