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肩が凝っている時と肩が凝って痛い時ではオススメの商品が変わる!?
肩こりってどうして起きるの?
人の身体は約5kgにもなる頭を首と肩で支えるような構造になっています。普段から常に首と肩に負荷をかけている状態のため肩が凝ったり痛くなったりしやすいと考えられています。
原因としては、同じ体勢での作業や運動不足、猫背、冷房、眼精疲労、ストレスなどが考えられます。さらに、最近は血圧も肩こりと関係していると考えられています。
また、年齢と共に筋肉や骨も衰えてくるため症状が出やすくなってきます。
症状としては、肩が凝るだけではなく首や首筋から背中まで凝りや痛み、頭痛や吐き気まで伴うこともあります。これらの症状によって薬の選択やアドバイスが変わってくるかと思います。
肩が凝っている時では何を勧めるべき?
まだ凝っていると感じるだけで痛みがひどくなければ、サリチル酸が入った抗炎症剤の方が安価で副作用も少ないためオススメしやすいと考えられます。
ただ他の商品に比べ、サリチル酸やメントールは匂いが独特なため、その点はきちんとお伝えしておくと良いでしょう。
また温湿布・冷湿布のどちらを勧めるべきか悩んだときは好みももちろんありますが、皮膚が弱い方は冷湿布の方がかぶれにくかったり、入浴で改善するような肩凝りであれば温湿布の方が良かったりと、ヒアリングがとても重要になってきます。
肩が凝って痛い時では何を勧めるべき?
痛みがある場合はフェルビナクやジクロフェナクなど痛み止め成分が配合されている貼り薬の方が緩和されたという実感をもつことが出来るでしょう。
インドメタシン配合の商品など塗るタイプの商品はかぶれやすい方や関節など貼り薬を貼ることが難しい方には使いやすいため好まれます。
ただし、貼り薬とは異なり1日に何度も塗りなおす必要があるためその点もきちんとお伝えすることが大切になってきます。
外用薬を使用しても症状がよくならない方にはご一緒に飲み薬をご案内するのも良いでしょう。
葛根湯などの漢方薬やイブプロフェンやロキソプロフェンなどの鎮痛剤が代表的ですが、飲み薬は外用薬に比べて漫然投与が危険なため注意点はきちんとお伝えしましょう。
さらに追加でオススメできること!
肩こりというのは薬を使用することで一時的には緩和されますが、何もしなければその後また症状が戻ってきてしまう可能性があります。
その時のためにストックとして多めに入っている商品をオススメしたりしてみてもいいでしょう。つぼ押し系や磁気を使用した商品もご案内しやすいです。
また温めることで症状が緩和されるため肩用の湯たんぽや入浴剤などを一緒にご紹介してみるのも一つの手です。
貼り薬は入浴後すぐ貼ってしまうとかゆみやかぶれが起きやすいため、皮膚が弱い方には使い方のご説明が必要です。
お風呂から上がった後、まずは保湿剤を塗り、保湿剤が乾いた後に湿布を貼るようにするとかぶれにくいです。もしご自宅に保湿剤がなければご一緒に保湿剤のご紹介をしても良いでしょう。
ただ商品のご案内をするだけではなく、使い方や理由まで一緒にご説明すると喜んで頂けるかと思います。もちろん皮膚が弱くない方でもかぶれることはあるため必要に応じてお伝えすると良いかと思います。
予防のためには何をすべきと聞かれたら
まずほとんどの方に言えることは姿勢の改善と適度な運動です。このことをお伝えした上でもう一歩踏み込んで心当たりのある原因を伺いましょう。
毎日デスクワークで同じ体勢を続けているのであれば、立ったときやお手洗いのときに軽めのストレッチをしたり、職場の冷房が強いのであれば肩を温められるような対策を考えたり、その方に合ったアドバイスが出来るよう、事前にいくつか対策を勉強しておくと実践しやすいかと思います。
また仕事中が難しければ帰宅後湯船に浸かったり、蒸しタオルで肩を温めたりするだけでも変わってきます。猫背であったり姿勢があまりにも酷いようであれば整体や整形外科などに一度行ってみるようにお伝えしても良いかと思います。
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