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現場で役立つ季節の健康ネタ

新年早々の体調不良と世界の飲酒事情

さて、1月に発症するというのがお正月病。実際には病気と言うわけではなく、長いお休み明けに身体がだるくなったり、ごちそうやお酒の食べ過ぎ飲み過ぎで胃腸の調子を悪くしたりすることです。

お正月病は贅沢病?

不規則な生活になってしまって、休み明けに会社に行くのが億劫になってしまうような方もいらっしゃるようですね(笑)。

また、ちょうど寒い時期にあたりますので、あまり外には出ずにお家の中に閉じこもりっきりでテレビの特番ばかりを見ていた、というのも原因のひとつになるようです。

登録販売者が多く所属する流通業界にはお盆もお正月もあまり関係なく、お休みは元日のみ、もしくは元旦も働いているという方もいらっしゃるでしょう。

そういう方は、お正月病になっている暇もありませんね。お正月病だと言っていられるのは、ゆっくり長期のお休みを取れる者の贅沢なのかもしれません。

アセトアルデヒド脱水素酵素の働き

さて、年末年始は忘年会、新年会とお酒を飲む機会も多くなります。
夜の繁華街では顔を真っ赤にした方もちらほら見かけますが、日本人は欧米人などに比べて、基本的にお酒に弱い人が多いのだと言われています。

半分近い方が、アルコールを分解する「アセトアルデヒド脱水素酵素」の働きが低い、もしくは、まったく不活性ということが原因で、欧米人ではこれは100%の人が活性型なのだそうです。

不活性型の人は、いわゆる下戸の方で、これはもう訓練で強くなるなどという範疇の話ではないので、無理にお酒を薦めることは厳禁です。

日本人の所属するモンゴロイドよりもなおこの不活性型の多いオーストラリアの先住民であるアボリジニの居住区には、アルコール類を持ち込んではいけないという法律まであるそうです。

アルコール依存症にかかる可能性が高い活性型

では、とにかく欧米人のように活性型であればよいのかというと、そうでもないようで、この酵素はつまり、悪酔いの原因となる毒性の高い物質「アセトアルデヒド」を分解するのであって、まったくアルコール酔いの影響がなくなるわけではないのです。

そのため、悪酔いにあまり縁がなく飲酒量の多い欧米では、逆にアルコール依存症が大きな社会問題となっています。悪酔いせずにたくさん飲める体質のほうが、アルコール依存症にかかる可能性が高いというのも皮肉な話ですね。

のんびりするのも、ごちそうを食べるのも、お酒を飲むのも、なにごともほどほどがよいということなんでしょうね。お薬も大事ですが、まずは日ごろの生活態度、生活習慣などの基本から、健康を考えたいものです。

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