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いまさら聞けない薬の常識
ジェネリック医薬品は、先発医薬品と同じ効果がある?
新薬開発には莫大な資金と長い歳月が必要ですが、後発医薬品なら比較的短期間、低コストで製造できるうえ、簡単なテストを通過するだけで販売できます。
新薬に比べ価格が低く設定できるので、患者さんの医療費負担は軽減し、国家的医療費の削減にも貢献するとして、厚生労働省は後発医薬品のシェアを引き上げたいとしています。
ただし、それも後発医薬品の薬効が、先発医薬品と同じでなければ意味がありません。思うような治療効果が上がらなければ、いくら薬代が安くなっても患者さんは逆に不利益を被ります。
厚生労働省は一般向けのホームページで、「後発医薬品は、先発医薬品と同じ有効成分で同じ効能・効果をもつ医療用の医薬品」と紹介しています。
ただ、後発医薬品に対する実感は「成分が同じでも、コーティングの材料や製造過程に微妙な違いがあれば、体内での薬の溶け方や代謝時間、効きめは違ってくるのではないか」「臨床現場では、後発医薬品の効果に疑義を持つ医師もいる」というものです。
「むやみに心配し過ぎる医師がいるため、後発医薬品の普及が妨げられている」との意見もあるようですが、これは本末転倒と言わざるを得ません。後発医薬品の臨床上の実際の効果、経過、予後、エビデンス(医学的根拠)などに疑問が残るからこそ、処方を躊躇する医師が多いのです。
1日1回飲む薬は朝食後に飲む?
現在は胃腸薬から、抗がん剤まで「徐放性薬剤」のラインナップは多種多様。頻繁に薬を飲まなければならない患者さんの煩雑さや、飲み忘れの解消におおいに貢献しています。
ただ「1日1回飲むなら、朝ですね?」と誤解されることも多く、まだこの薬の性格や使い方を理解されていない患者さんがいらっしゃるようです。
たとえば、骨粗鬆症の治療に用いられる「ビスホスホネート剤(「フォサマック」「ボナロン」)などは、胃の中に食物があると効果が半減するので、起床後、朝食の少なくとも30分より前の服用が求められます。
また、気管支ぜんそく治療薬の「テオフィリン徐放剤(「ユニフィル」「テオドール」「テオロング」「スロービッド」など)は、就寝前に服用します。ぜんそく発作は夜中から明け方にかけて起こることが多いので(午前1時から7時ごろまで、魔の時間帯と言われます)、就寝中に薬の効果を高める必要があるからです。
さらに、早朝の高血圧が脳血管系の事故原因になることから、高血圧治療に使われる降圧薬を就寝前に服用することもあります。
このように、徐放性薬剤の服用法は、治療対象の病気や患者さんの症状により異なりますが、1日1回、決まった時間に飲むことが大切です。もし、朝服用する薬であれば毎日朝に飲み、就寝前に飲む薬であれば毎晩寝る前に飲むということです。
1日1回の服用だからといって、朝服用して翌日の夜に飲めば、時間が空き過ぎて薬の効果が薄くなってしまいます。逆に就寝前に飲んで、翌朝飲めば薬の血中濃度が上がりすぎて、副作用や中毒症状を引き起こす危険性が出てきます。
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