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あなどってはいけない市販薬のこんな副作用
市販薬の副作用死が毎年報告されている?
市販薬の副作用で最近注目されているのは、「皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)」と「中毒性表皮壊死症(ライエル症候群)」という疾患です。
これらは順に、100万人あたり年間1~6人、0.4~1.2人と発症例は極めてまれですが、重症になると失明したり、死亡したりするケースが毎年報告されています。
前者の症状は突然発熱し、むくみ、水疱、発疹、口・唇・陰部の痛みとただれ、眼の充血などが起こり、次第に全身の粘膜に症状が広がります。
後者はさらに重症で、全身の灼熱感と痛みを伴う発疹が現われ、数日のうちにまたたく間に全身に広がります。
死亡率は皮膚粘膜眼症候群が6~10%、中毒性表皮壊死症が20~30%と報告されています。
この副作用を起こす可能性のある成分に含まれるサリチルアミド、アセトアミノフェン、無水カフェイン、メチレンジサリチル酸プロメタジンは配合剤として、市販の総合感冒薬などに使われています。
風邪薬で、オシッコが出なくなる?
「風邪をひいて市販の風邪薬を飲んだら、オシッコを出したいのに出せなくなって、たいへんな目に遭いました」
こう話すのは60歳の男性です。この男性は前夜、オシッコがしたいのに出せない「尿閉」となり、苦しみながら救急車で病院へ運ばれました。そして診察後、尿道から管を入れて膀胱に溜まった状態の尿を抜き出す「導尿」を施され、ことなきを得たそうです。
いままで風邪薬を飲んでオシッコが出なくなったことはなかったそうで、今回久しぶりに風邪薬を飲んだら、このようなことになったそうです。
風邪薬には、くしゃみ、鼻みず、鼻づまりを改善させる目的で、抗ヒスタミン薬の「メチレンジサリチル酸プロメタジン」や、抗コリン薬の「ヨウ化イソプロパミド」などが配合されています。これらの薬は、副交換神経の働きを抑え、鼻やのどで有効に働いて症状をやわらげてくれます。
しかし、いっぽうで腸の働きを悪くして便秘を誘発したり、膀胱排尿筋の収縮力を低下させて排尿困難を強くする副作用が生じます。
もともと尿の排泄に関係する器官に異常がない人は、風邪薬を飲んでも排尿障害は生じません。しかし、前立腺肥大症などにより、排尿障害を生じやすい状態にある人には、排尿困難や尿閉が起こることがあります。
前立腺肥大症は、男性特有の病気で、50歳を過ぎたころからかかりやすくなります。排尿に時間がかかる、頻繁にトイレに行く、などの症状があれば、前立腺肥大症の可能性があります。このような症状が気になり始めたら、一度、泌尿器科で前立腺肥大症の有無をチェックしてもらうことが大切です。
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