登録販売者.com

ログイン 無料登録

登録販売者ドタバタ劇場

「保管及び取り扱い上の注意」から読み取れること

医薬品の使用期限は通常、製造から3~5年程度は保証されていますが、これは指定された保存方法を守っている場合のみ有効です。それではその保存方法はどこで確認することができるのでしょうか。今回は添付文書の「保管及び取り扱い上の注意」の項目について考えてみましょう。

記載されている内容

この項目には、医薬品の保管に適した環境、つまり医薬品の保存方法や起こりそうな危険について記載されています。

具体的には直射日光や高温多湿を避ける、小児の手の届かない場所に置く、使用期限を過ぎたものは使わないなど、どの商品にも当てはまるような記載の他、ビンの中のつめ物(ビニール)は開封後取り除くなどの一部の商品にのみ当てはまる記載もあります。理由が併記されている場合と、注意事項のみが記載されている場合があります。

医薬品の効果や副作用を直接言及するような記載は通常ありません。しかし、物理的な要因で医薬品の効果や副作用が変化することもありますので、お客様に無関係であるような説明はしてはいけません。

記載事項をどのように活用すべきか

お客様にとってこの項目は興味深いものではないようです。たしかにどの商品にも似たような注意事項が記載されていますので、医薬品の基本的な取り扱い方がわかっていれば毎回読む必要はありません。

しかし、誤った保管方法をしてしまうことで期待した効果が得られないばかりか、思わぬ副作用を起こしてしまう可能性もあります。したがって、特に注意すべき商品と注意事項については販売時、登録販売者が説明する必要がありますよね。

お買い上げがなくても、「家に使用期限が切れてしまったものはありませんか?」などの注意喚起からはじめても良いでしょう。購入時ビンの中に入っているビニールの扱いについて疑問を抱いているお客様は多いため、話をつなぐきっかけにしやすいですよ。

また普段は読み飛ばされてしまうこの項目ですが、きちんと読むと「湿気の少ない涼しい場所」などのように温度など具体的な数字が書いていない場合が多いため疑問も生まれやすいようです。

質問を受けたら、なぜその注意をしなければならないかの理由と合わせて回答できるようにしておきましょう。

お客様はさまざまで、添付文書を隅から隅まで熟読する方も全く読まない方もいます。しかしやはり、効果効能や使用方法、副作用に比べて保管方法は読む方が格段に減ってしまいます。保管方法の説明に限ったことではありませんが、お客様がどの程度の知識量かに合わせて説明を変えられるようになると良いですね。

arrow_drop_up