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登録販売者ドタバタ劇場

頭痛がするお客様に、どの薬が一番効くのか?と聞かれた時の対応。

頭痛がするお客様に、どの薬が一番効くのか?と聞かれた時の対応。     頭痛で悩んでいるお客様は、想像以上に多くいらっしゃいます。その中でもドラッグストアの登録販売者の皆さんに相談がある内容のうち、トップ5に入ると言っても過言ではない相談は、『頭痛に効く薬がたくさんあるけれど、何が一番効きますか?』というものです。頭痛薬には様々な作用機序のものが多く、急に相談されるとあたふたしてしまうこともあると思います。困らずに対応するために、本日は頭痛薬について詳しく説明していきます。

頭痛薬の種類

  • ロキソプロフェンナトリウム製剤(ロキソニンSなど)
  • 非ピリン系鎮痛剤(イブプロフェン、アセトアミノフェンなど)
  • ピリン系鎮痛剤(イソプロピルアンチピリン配合剤)
  • 漢方処方の頭痛薬
  • 鎮痛剤と漢方薬の配合剤
  • 子ども用の頭痛薬

1.ロキソプロフェンナトリウム製剤(ロキソニンS、バファリンEX)

痛み止めとしての効果が速く、高いのが特徴。しかし肝臓への負担があることから一般用医薬品として販売されるまでに時間がかかりましたが、再試験によって問題ないと発表され、「ロキソニンS」として2011年に一般用医薬品として販売が開始されています。

2.非ピリン系鎮痛剤=イブプロフェン、アセトアミノフェン(イブクイック、リングルアイビー、バファリンプレミアム)

痛みの原因物質であるプロスタグランジン(PG)の産生を抑えることで頭痛を抑えるお薬(ロキソニンも同様)です。このPGは胃粘膜を保護する作用があるため、PGを抑制する痛み止めを服用すると、胃に負担がかかります。胃の負担を軽くするために胃薬とセット、または食後に服用することをおすすめします。

非ピリン系鎮痛剤の中でアセトアミノフェンは作用するポイントが異なります。PGの産生を抑える作用がほぼ無く、抗炎症作用は非常に弱く、鎮痛作用のみあるのが特徴で、胃の負担が低いという特徴があります。

中枢での鎮痛作用や解熱作用が働くので、小児のインフルエンザによる発熱時の解熱剤としても使用されます。

3.ピリン系鎮痛剤=イソプロピルアンチピリン配合剤(セデス、サリドン)

ピリン系の鎮痛剤というと、効果は高いものの強力な副作用があるイメージを持たれがちですが、市販薬に使用されているピリン系の鎮痛成分はイソプロピルアンチピリンだけで、これはピリン系成分の中でも特に安全性の高いものとなっています。

しかしアレルギー体質の人には問題となる傾向があり、その服用には十分注意が必要です。ほとんどの製品がアセトアミノフェンやカフェインとの配合剤となっています。

4.漢方薬の頭痛薬

漢方薬にも頭痛に対する効能があるものがあります。その数は限られているものの、頭痛の「原因」と薬がしっかり一致すると劇的な効果を発揮します。

冷え症や肩こり、むくみ等の症状を併発している人は検討してみる価値があります。体質から大きく外れている場合は効果が出ないばかりか逆効果になってしまうこともあるので、慎重に選びましょう。

5.鎮痛剤と漢方薬の配合剤

アスピリンやイブプロフェンに、胃の保護や筋肉の緊張の緩和などを目的として漢方薬のエキスを配合したお薬です。漢方薬と組み合わせることで意外な相乗効果が期待できることもあるので、通常の痛み止めで効果が不十分だったり明確な痛みではない「頭重感」などには使ってみる価値があります。

一番効く頭痛薬は?

全ての優劣をつけるのはとても難しいですが、お客様のご希望を聞いて、そのお客様に一番あったお薬を選びましょう。

①とにかくすぐ痛みに効いてほしい。

病院でもらっているお薬がロキソニンです!それと同じものが良い!

そんな主訴には、1.のロキソプロフェンナトリウム製剤をチョイスしましょう。ただし、これは薬剤師のいるドラッグストアでしか購入できません。

②痛み止めを飲みたいけど、胃が痛くなるのが怖い。よく胃が痛くなる!

そんな主訴には、2.の中のアセトアミノフェンをチョイスしましょう。
これは処方箋薬だと、カロナールというお薬です。
薬剤師のいない薬局でも購入できます。

③飲み続けても大丈夫な痛み止めがほしい。

なんとなく頭が痛い。

そんな主訴には、4.5.の漢方が含まれたものをチョイスしましょう。ただし、3〜4週間飲み続けた方が効果が出てきます。そして漢方は空腹時の服用の方が効果が高くなります。飲み忘れた場合や、漢方でも西洋薬が含まれており、やはり胃が痛くなってしまう方には食後でも構わないことを説明して、お渡ししましょう。

今回は、頭痛薬について西洋薬、処方薬と同じもの、配合剤など、様々なものを説明してきました。それぞれに特徴があり、適応が異なります。症状の状態や原因から選択する薬も変わってきます。お客様の状態や原因をお伺いして、適したお薬を進められる様に知識を頭に入れておいて下さい。

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