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鎮痛薬の定番! イブシリーズ5商品の違いを解説
イブシリーズのラインナップ
2021年夏現在、販売されているイブシリーズは全5商品。いずれも第2類医薬品で15歳以上の成人用となっています。その商品名及びそれぞれの含有成分は以下のとおりです。
- ①イブA錠
- イブプロフェン 150㎎
- アリルイソプロピルアセチル尿素 60㎎
- 無水カフェイン 80㎎
- ②イブA錠EX
- イブプロフェン 200㎎
- アリルイソプロピルアセチル尿素 60㎎
- 無水カフェイン 80㎎
- ③イブクイック頭痛薬
- イブプロフェン 150㎎
- 酸化マグネシウム 100㎎
- アリルイソプロピルアセチル尿素 60㎎
- 無水カフェイン 80㎎
- ④イブクイック頭痛薬DX
- イブプロフェン 200㎎
- 酸化マグネシウム 100㎎
- アリルイソプロピルアセチル尿素 60㎎
- 無水カフェイン 80㎎
- ⑤イブメルト
- イブプロフェン 200㎎
こうしてみると、含有成分の数やその量が少しずつ違うことがわかります。それぞれの製品の特徴を見ていきましょう。
イブA錠
イブA錠には、解熱鎮痛作用を示すイブプロフェンのほかにアリルイソプロピルアセチル尿素と無水カフェインが配合されています。
アリルイソプロピルアセチル尿素は痛みに関する感受性を抑えることで、イブプロフェンの鎮痛作用を助ける作用があり、無水カフェインは血管の拡張を抑え、イブプロフェンの鎮痛効果を助ける作用があります。
イブプロフェンに加えて鎮痛成分の効果を高める成分を2種類配合することで、つらい痛みに良く効く薬となっています。
また、薬自体も小粒で喉にひっかからず、苦味を感じることも少ないので飲みやすいとの評判です。
イブシリーズの中では、イブプロフェンの含有量が少ない方なので、効果は緩やかかもしれませんが、胃への負担が気になる場合の使用はオススメできます。
アリルイソプロピルアセチル尿素には眠気をきたすといった副作用もあるので、イブA錠も「眠くなりやすい」と感じる場合があります。
イブA錠EX
イブA錠と同じ配合成分(イブプロフェンだけでなく、アリルイソプロピルアセチル尿素、無水カフェイン含有)ですが、イブプロフェンが200㎎と少し多くなっています。(イブA錠が150㎎含有)そのため、イブA錠と比べてイブA錠EXの方が、効き目が強いと言えるでしょう。
イブシリーズの中でもイブプロフェン含有量が多い方なので、効き目と速効性に優れますが、その分胃への負担が気になる場合もあります(ある意味、コストパフォーマンスがよい商品とも言えるかもしれません)。
イブクイック頭痛薬
イブA錠と同じ配合成分に加えて、酸化マグネシウムも含有しています。
酸化マグネシウムには胃酸を中和し鎮痛成分の吸収を促進し、同時に胃粘膜を保護する役割があります(簡単に言うと、イブA錠よりも胃に優しい薬ということですね)。
商品名で「頭痛薬」として謳っていますが、主な成分はイブプロフェンで他製品と変わらないため、もちろん頭痛以外の一般的な痛み(月経痛(生理痛)・咽喉痛・関節痛・筋肉痛・神経痛・腰痛など)にも効果的です。
イブクイック頭痛薬DX
イブクイック頭痛薬と同じ配合成分(酸化マグネシウムも含有)ですが、イブプロフェンが200㎎と少し多くなっています。
そのため、イブクイック頭痛薬と比べてイブクイック頭痛薬EXの方が、効き目が強いと言えるでしょう(イブシリーズでは「DX」と付く商品の方が、効き目が強い)。
強い鎮静効果に加えて胃に優しいという点からも、様々な方にオススメできる薬です。
イブメルト
含有成分はイブプロフェンのみという非常にシンプルな薬です。しかし、水なしで服用できる(口の中で溶ける)といった特徴があります。
口の中でラムネのように溶けるので、外出先などいつでも服用することが可能です。眠くなる成分(アリルイソプロピルアセチル尿素)が入っていないので会議中や通勤中にも服用しやすく、忙しい社会人にとっても服用しやすい薬の一つでしょう。
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