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覚えていますか?ステロイドの強弱と部位別の吸収しやすさ

ステロイドを含む軟膏やクリーム、傷やかぶれにはなくてはならない医薬品ですよね。多くの副作用もある反面、すばらしい薬効を示すステロイドですが、その強度によってランク分けされていることを知っていますか?このランクを目安にすると症状に適した商品をご案内できるため、チェックしておきましょう。

覚えておきたいステロイド剤の強度ランク

ランクは全部で5つ。強いほうから順にstrongest, very strong, strong, mild, weak に分けられます。市販薬でよく使われる成分はどこに分類されるのでしょうか?

strongにはベタメタゾン吉草酸エステル、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、フルオシノロンアセトニドなどがあります。mildとしてはヒドロコルチゾン酪酸エステル、weakとしてヒドロコルチゾン(酢酸エステル)、プレドニゾロン(酢酸エステル)、デキサメタゾン(酢酸エステル)が挙げられます。

似たような名前も多いので覚えるのはむずかしいかもしれませんが、一覧にしてポケットなどに入れておくと便利ですよ。

皮膚の症状に適したランク選択

さて、上で紹介したようなランクは連用期間や量、使用部位などさまざまなことについての目安になります。

例えば、アトピー性皮膚炎や接触性皮膚炎、光線過敏症による症状には、その症状の程度によってvery strong~weakまで使い分けるのが効果的ですが、あせもやおむつかぶれにはmildやweakの弱めのものをなるべく短期間で使います。

症状に見合わないほどの強すぎる薬は副作用を起こしてしまいやすいので、弱めのステロイドと抗ヒスタミン剤や保湿剤など別の医薬品や化粧品を組合せておすすめしても良いですね。

外用ステロイドの部位別の吸収しやすさ

外用ステロイドは身体の色々な部位に使う可能性がありますよね。しかし、使用する部位によってステロイドの吸収しやすさが異なるので、注意が必要です。

前腕屈側(ヒジから手首までの手のひら側)を1としたとき、頭皮は3.5倍、下顎部は13倍、男性の陰嚢にいたっては42倍にもなります。

したがってこれらの部位に使うときには、前腕の同じ面積に比べて少なく使うよう説明する必要があるということですね。また足首では1/2程度、足の裏では1/5程度ですので、このような皮膚の分厚い部位には多めに塗ってもかまいません。

多くの外用薬に含まれるステロイド剤。医療用も含めると非常に使い方の難しい場面もあるため、医師や薬剤師でも苦手と感じる人が多い分野です。市販薬だけでもしっかりと勉強し、効果的かつ安全に使いこなせるようになれれば、一人前以上のかっこいい登録販売者ですね。

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