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登録販売者、採用の現場から

妊娠中にお勧めできる栄養素とは?

登録販売者として働いている方やドラッグストアに勤めている方などにとって、1番迷いやすいと言っても過言でないのが妊婦さんへの対応だと思います。「妊娠したのでサプリメントを購入しようと思ってるんですがどれが良いですか?」など質問をされたことはありませんか。経験されたことがない方にとっては「葉酸が良いってよく聞くけど…」や「これは妊娠中も大丈夫って書いてあるからこれが良いかな…」などと、あいまいな回答が思い浮かぶのではないでしょうか。今回はそんな時に迷わずご案内が出来るように、それぞれなぜ必要か、どの程度必要かも合わせてまとめてみました。ぜひ店頭でご案内する際に、参考にして下さい。

妊婦さんからご質問を受けた時の対応

元気な赤ちゃんを産むためには食事から栄養素を摂る必要があります。

しかし、つわりがあって思うように食事が摂れなかったり、働いていてきちんとした食事が摂れないこともあるかと思います。そんな妊婦さんたちにとって強い味方なのがサプリメントです。

妊娠中、特に初めての妊娠の場合はナーバスになりやすいため、現場で聞かれたときには言葉選びに気をつけ、さらにスムーズに答える必要があります。

また、食事から摂りたいのに摂れないと悩んでいる方には、つわりや多忙で食べられない時にこそ、サプリメントに頼っても良いことを伝えましょう。

言葉選びは難しいですが、逆に考えればここでしっかりした対応が出来ることでリピーターになってくれることもありますし、赤ちゃんが産まれた後、おむつや粉ミルクを買いに来てくれることもあるかと思います。

この記事を読んで妊娠中のことを勉強し、さらに赤ちゃんについてご自身で勉強をしてみるのも良いと思います。

具体例に必要な栄養素

基本的にはこの栄養素だけ必要!といったことはなく、バランスよく全ての栄養素を必要分摂取することが大切です。バランスの良い食事を摂ることができれば、サプリメントは必要ないことが多いです。

食事で摂取しにくく、特に必要な栄養素についてまとめてみましたので、妊婦さんとの接客をイメージしながら読んでみましょう。

葉酸

妊娠中に必要な栄養素と聞いてまず初めに浮かんでくるのが葉酸だと思います。妊娠6週目頃から赤ちゃんの脳が作られますが、その働きを助けてくれたり、赤ちゃんの神経を作る働きもあります。

そのため、妊娠の準備の頃から飲むことがより効果的だと考えられています。妊娠中の葉酸の1日摂取目安ですが、目安は400μgになります。

また、葉酸はビタミンB群の一種であり、ビタミンB6やB12などと一緒に飲むとさらに効果が高まると言われていますのでビタミンB群が含有されたサプリメントを一緒にご案内しても良いかと思います。

2つ目は鉄分になります。血液にのって全身に酸素を運ぶ際に必要になってくる鉄ですが、お腹の中に赤ちゃんがいればその分さらに血液量が必要になります。

そのため、今までの鉄だけでは足りなくなります。1日摂取目安量は15週以降の妊婦さんで21mgと言われ、これは普段の目安量の約1.5倍です。

貧血になってしまうと赤ちゃんに血液が十分いかなくなり、栄養不足を起こしてしまう可能性があるため普段より意識的に摂取する必要があります。

しかし、鉄分は健康な成人が飲んでも胃腸への副作用が起こることがあり、つわりが悪化してしまうこともあります。その際は無理に市販薬に頼らず、かかりつけの医師に相談するように伝えて下さい。

カルシウム

カルシウムと聞くと歯や骨のイメージが強いと思います。そのイメージ通り赤ちゃんの歯や骨を作る際に必要になってきます。

しかし母体に十分なカルシウムがない場合、母体の骨から溶け出して赤ちゃんへカルシウムが届けられます。つまり、カルシウム不足になってしまうと母体へ影響が出てしまい、骨粗しょう症になってしまったり、骨密度が下がってしまいます。

元気な赤ちゃんを産んで、これから育てるという大切なときにこのような影響が出てしまうととても大変です。

妊婦さんの1日摂取目安量は900mgであり、葉酸と一緒になっているサプリメントもあるため、オススメする際にお伝えしてみて下さい。

さらに現場で出来ること

「なぜ必要なのか」「足りないとどうなるのか」などを分かりやすい言葉でまとめてポップを作り、「妊婦さん応援」の売り場を作ってみても良いかと思います。

お試しセットとして何種類かサプリメントがセットになっているものを作ったりすると、わかりやすく、初めて妊娠される方も手に取りやすいと思います。

いかがでしたでしょうか。今回は妊娠中に必要な栄養素についてまとめてみました。経験がない方にとってはわからないことも多いと思うため、その分は知識で補っていくことが大切です。登録販売者として間違った情報を伝えないために常に新しい情報を取り入れていきましょう。また、妊婦さんを売り場で見かけたら、声をかけて商品を棚から取ってあげるなどの優しい気遣いも忘れずに!

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