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大人にも子どもにも多い?便秘の3分類とその薬

便秘、というと若い女性をイメージする人もいるかもしれません。しかし、実際は赤ちゃんから高齢者まで幅広い年齢の男女が便秘に悩まされています。便秘薬の相談を受けたことがある人も多いのではないでしょうか?今回は便秘を3つのタイプに分けて、それぞれおすすめしたい薬を紹介します。

食物繊維不足や筋力低下が原因?弛緩性便秘

3タイプの中で最も頻度が高いのがこの弛緩性便秘。女性や高齢者に多く、食物繊維・水分の不足や、腹筋が弱いことが原因といわれています。これらの原因によって腸の蠕動運動が低下し便を正常に送り出すことができなくなるため、便秘になってしまうのです。

このタイプの便秘では、便が腸管内に長時間滞留することで必要以上に硬くなっているケースが多く見られます。そのため、酸化マグネシウムや水酸化マグネシウムなど便を膨潤化させる塩類下剤やカルボキシメチルセルロースナトリウムなど腸管内の水分を増やして便をやわらかくする膨潤性下剤をおすすめすると良いでしょう。

便秘薬の使いすぎでも起こる直腸性便秘

このタイプの便秘は、便意を無理に我慢したり、便秘薬を使いすぎたりして起こることが多いようです。腸の排便反射機能が鈍くなっている状態ですね。薬としては、弛緩性便秘と同じように塩類下剤や膨潤性下剤もおすすめできるほか、センナやヒマシ油といった刺激性下剤もよく効きます。

刺激性下剤は腸管神経叢に作用し、腸管運動を活発化させます。しかし、下剤はあくまでも対症療法的な効果です。長期的な改善には排便リズムを整えさせることが重要ですので、生活スタイルの改善などもアドバイスしてみましょう。

毎日のストレスで悩む方に多い痙攣性便秘

精神的ストレスでも起こる痙攣性便秘は、便秘と軟便を繰り返すことも多く、医薬品の選択には迷いがちです。便秘症状が強く下剤を希望された場合には、塩類下剤や膨潤性下剤、ジオクチルソジウムスルホサクシネートなどの浸潤性下剤を提案できます。

しかしこのタイプでは蠕動運動が亢進していることも多いため、より亢進させてしまう刺激性下剤は向きません。また、軟便にも悩んでいるようなら整腸剤を提案しても良いですね。腹痛の発生頻度を聞き、毎朝何度もトイレに行きたくなるほどひどい症状の場合は、一度医療機関を受診することをおすすめしましょう。

今回紹介した3タイプはどれも、別に原因となる疾患を持たない慢性の便秘です。現在治療中の疾患がある場合や他に医薬品を処方されているお客様には、医師または薬剤師に相談するように説明してくださいね。

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