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切り傷ができた時の対処方法
ドラッグストアやお店で傷をそのままにした状態でお客様がいらっしゃることは考えにくいですが、正しい方法で、より早く治るような手助けをするために正しい知識をつけましょう。
ご自身のスキルアップだけでなく、自分の身に起こった時にも使える知識なため、ぜひ活用してみて下さい。
基本的な対処方法
- まず切り傷ができてしまった場合、傷口の洗浄が必要です。水で洗い流し、外で切ってしまった場合や砂などがついている場合は確実にキレイにする必要があります。
ここで清潔にしておかないと、かえって悪化してしまうことがあります。 - 清潔にしたあと、出血をしている場合は止血をしましょう。傷口を清潔なガーゼなどで押さえて、圧迫して出血を止めます。この時に幹部が腕や手などの場合は心臓より高い位置にしておくと早く止血することが出来ます。
※傷が深くかなり出血している時は止血を先にした方が良い場合もあります。 - 止血が出来たあとは、症状に応じて絆創膏を貼ったり、湿潤療法を行ったりします。(湿潤療法については後述します)
以上が基本的な対応方法になります。傷が浅いと①のよく洗うことを省いてしまうことがあります。
感染せずにすぐ治る場合も多いため、省略しやすい点ではありますが、感染予防・悪化予防としてとても大切なポイントになります。
お客様からご相談があった際に重要ポイントをご説明したり、売り場にPOPを用意しておいても良いかと思います。
湿潤療法とは?
モイストヒーリングとも呼ばれ、傷口から出る滲出液を利用して治療する方法です。ラップや専用の絆創膏で覆い、常に湿った状態を作ることで治療します。
痛みも和らげ、傷跡も残りにくいと言われています。ちなみにこれに反して消毒して、かさぶたを作って治すことをドライヒーリングと呼びます。
傷は乾燥するときに神経への刺激が起きてしまい痛みが起きます。
また、かさぶたが出来、無理に剥がそうとしてしまうことで傷跡が残ってしまいます。湿潤療法はドライヒーリングによるデメリットを改善した方法であり、最近注目されている療法です。
ご自身でされる場合は汚れがきちんと落ちていなかったり、細菌が入ってしまうと逆に悪化してしまうことがあるため、洗い流しはきちんとしっかりやる必要があります。
売り場で湿潤療法用の絆創膏などを販売する際はこのこともお伝えできると良いと思います。
病院に行くべき状態
- 痛みがひどい、熱をもっている、腫れてくる、じゅくじゅくがひどい場合
→感染している可能性があります。必要な処置を受けないとさらに悪化してしまうので、受診が必要です。 - 奥深くまで切ってしまった場合
→出血が止まらなかったり、血管が傷ついてしまっている可能性があるため、受診が必要です。
店舗での売り場作り
実際に現場での売り場を作る際のおすすめ方法をご紹介します。あくまで一例になるため、参考程度に読んで頂ければ幸いです。
切り傷を作ってしまった時や、今後のために家に置いておく用に購入するなどお客様が買いにいらしたとき、ドライヒーリングとモイストヒーリングで売り場を分けるとより手に取りやすいと思います。
もちろん絆創膏エリアを作るのも良いかと思いますが、切り傷が出来た際に消毒してかさぶたを作るという昔ながらの方法が良いというお客様もたくさんいらっしゃいます。
その際には消毒液とこの絆創膏、モイストヒーリング用にはこの絆創膏と分かるように売り場が作られていると「ついでにこれも買っておこう」という購買意欲にも繋がると思います。
また、その際にモイストヒーリングやドライヒーリング、簡単な自宅で出来る切り傷の対処方法などのPOPがあるとより立ち止まりやすいです。
まだまだ湿潤療法は浸透しきれていないため、正しい使い方をして頂くためのPOPがあっても親切かと思います。
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