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今さら聞けない!「満量処方」ってなに?
決められた製法通りに生薬が配合された満量処方
満量処方について説明する前に、「日本薬局方」という言葉を知っていますか?
薬は病気や不調を治す力を持つ心強い味方ですよね。しかし、使い方を誤れば副作用が出てしまう諸刃の剣でもあります。したがって薬を作ったり、使ったり、保存したりするためのルールが必要です。
このルールが収載されているのが日本薬局方。そして漢方薬の製法が載っているのも日本薬局方であり、この製法通りの最大量が含まれた商品が「満量処方」となるわけです。
満量処方以外にはどんなものがあるか?
それでは全ての商品が満量処方かというとそうではありません。1/2処方や3/4処方など成分が少なく配合されたものもあります。
例えば更年期症状の緩和によく用いられる加味逍遥散エキスの製法は「トウキ3 g、シャクヤク3 g、ビャクジュツ3 g、ブクリョウ3 g、サイコ3 g、ボタンピ2 g、サンシシ2 g、カンゾウ2 g、ショウキョウ1 g、ハッカ1 gのそれぞれの生薬をとり、エキス剤の製法により乾燥エキスまたは軟エキスとする」と書かれていますが、この全量を1日で服用するように作られているものが満量処方、半分に薄めたものが1/2処方、4分の3に薄めたものが3/4処方です。
やっぱり飲むならいつでも満量処方がいいの?
なぜこのように1/2処方や3/4処方といったものがあるのでしょうか? 成分がいっぱい入っていてより効き目が高いのなら全て満量処方でも良いと思いますか?
実はお客様にはそのように考える方も多いようです。しかしはじめに言ったように薬は副作用の可能性もある諸刃の剣。漢方薬は副作用がないなどと誤った認識を持っている方もいますが、適切に使用しなければ当然副作用があらわれます。
したがって、不要な薬はできるだけ減らすのが好ましく、代謝機能の落ちた高齢者や長期的に服用したい方、試しに使ってみたい方には成分が少なめの商品がおすすめなのです。
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