登録販売者.com

ログイン 無料登録

現場で役立つ季節の健康ネタ

よく効くけれど、使い方が難しいステロイド外用薬。注意点とは?

春先は、黄砂や花粉などの外的要因や、環境の変化やさまざまな内的要因で、アレルギーの悪化や、湿疹、じんましんの発症が増える季節です。 気温が上がるにつれて外に出ることも多くなり、草にかぶれたりすることや、虫刺され、強まる紫外線の影響による湿疹・かぶれなどもあります。

ステロイドの副作用

肌に異常が出た場合、すぐに皮膚科を受診できればいいですが、なかなかそうもいかない場合、とりあえずはOTCの塗り薬を使ってみようとする方も多いことでしょう。

昨今「ステロイド」も有名になり、なんとなく怖い副作用のある薬、と思われている方も多いのではないでしょうか。

実際は、長期に渡る連用や、内服、注射などの大量投与により起こる強い副作用を、ほんの少しでも肌に塗ると起こるものだと勘違いなさっている方もいらっしゃるようです。

薬により異なる濃度

ステロイドはよく効く薬ですが、使い方が難しいのも副作用があるのも事実。
お薬自体にStrongest(最強)、Very strong(かなり強力)、Strong(強力)、Medium(中等度)、 Weak(弱い) の5段階の分類があったり、身体の部位や使用者の年齢によって吸収率が変わってしまうからです。

また、必要以上に怖がって、弱いものから使い始めるというのも実は間違った使い方で、使用する時は強いものでいっきに治し、短期間でやめる、というふうに使うのが基本になります。
ただこの「強いものから」の見極めも、もちろん症状によって適切に判断しなければならないわけですから、とても難しいですよね。

OTCではStrongest(最強)、Very strong(かなり強力)の医薬品はなく、下の3ランクがありますが、これも医療用と比べると濃度を下げているものもあるため、一概には医療用のランクとは同じに考えられないそうです。

「フルコートf(第二類/田辺三菱製薬)」などはすでに半世紀にもなろうかという歴史を持つお薬ですが、テレビCMも頻繁に見るようになりましたね。

このお薬はStrong(強力)、OTCでは最強ランクのお薬に分類されています。

使用する時の注意点

湿疹やかぶれなどのひどいかゆみに悩んでいる方は、とかく用法用量を超えてたくさん塗ってしまったり、何度も塗ってしまったりすることがあり、こちらも問題になります。

ステロイド外用薬は、たっぷりつけたからといって効果が高まることはありません。
お薬のチューブから、大人のひとさし指の第一関節の長さ分程度を出した量が、大人の手のひら2枚分くらいの広さの患部への適量とされています。

これを「フィンガーチップユニット」と言い、ステロイドだけに限らず、一般的な塗り薬全体の使用量の目安にできます。

また、「長期に渡って連用しない」の長期とは、塗る部位にもよりますが、だいたいは1~2週間程度とされ、それを超えてもまだ治らないようでしたら、皮膚科への受診をお薦めしてください。

最低限注意すべき大事なことは、以下の3点となりますでしょうか。

  • 年齢、患部の部位、症状に合わせて適切な強さの薬を選ぶ。
  • 長期に漫然と使用しない。長引くようなら皮膚科受診を考えるよう伝える。
  • かゆみなどが強くても、用法用量をきちんと守るように説明する。
ご相談を受けた登録販売者さんは、症状や使用について聞く事はもちろんですが、特にお子さんへの使用や、大人でも顔への使用などの場合には注意点など伝えながら気をつけて差し上げてくださいね!

arrow_drop_up