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これは盲点だった! 歯槽膿漏薬に関する種類とその問題を解説!
歯槽膿漏薬に関する過去問(平成30年 京都府 午前)
問51歯槽膿漏薬に関する記述について、正しいものの組み合わせはどれか。
- 歯周組織の炎症を和らげることを目的として、グリチルリチン酸二カリウムが配合されている場合がある。
- 炎症による腫れや出血を抑える効果を期待して、ビタミンEが配合されている場合がある。
- 抗菌などの作用を期待して、生薬成分であるカミツレが配合されている場合がある。
- ステロイド性抗炎症成分の含有量が少ない場合には、長期連用を避ける必要はない。
- (a、b)
- (a、c)
- (b、d)
- (c、d)
http://www.pref.kyoto.jp/yakumu/documents/h30mondaigozen.pdf より一部改変して抜粋
歯槽膿漏とは
解説の前に、まず歯槽膿漏とは何かを確認しておきましょう。
歯周病の一つである歯槽膿漏(歯周炎)は、歯周病の中でも最も重い症状だと考えられています。
症状が悪化してその部位が感染してしまっても気付きにくく、気付いたときには症状が進行していることが多くなっています。
様々なウェブサイトにチェックリストがありますので、歯周病かなと悩まれているお客様がいらっしゃる場合には、ウェブサイトをチェックしてもらうことも接客の一つになりそうです。
もちろん、歯医者に行ける場合は歯科医に確認してもらうことが確実です。症状としては歯ぐきからの出血や膿、ひどい口臭、歯がグラグラするなどが挙げられます。
悪化すると歯を食いしばると痛みがあったり、頭痛がしたり、歯が抜けてしまうこともあります。
過去問解説
a 歯周組織の炎症を和らげることを目的として、グリチルリチン酸二カリウムが配合されている場合がある。
→記述のとおりです。ドラッグストアで働いている方は歯磨きのコーナーに行って商品に含まれている成分を確認してみましょう。
グリチルリチン酸はこの作用から、風邪薬や喉の腫れの改善薬など非常に多くの市販薬で使用されています。この機会にそれらの商品を確認してみるのも良いでしょう。
b 炎症による腫れや出血を抑える効果を期待して、ビタミンEが配合されている場合がある。
→ビタミンEは末梢の血流を良くするビタミンです。腫れや出血を抑える効果はありません。
末梢の血流を良くするとは言いましたが、出血を悪化させることは考えにくいので、ビタミンEのサプリメントの服用をやめなければならないということはありません。
c 抗菌などの作用を期待して、生薬成分であるカミツレが配合されている場合がある。
→記述のとおりです。生薬成分が含まれている商品は多く存在しますので、そのパッケージを確認し、カミツレが含まれているか確認しましょう。
カミツレ=抗菌と覚えたとしてもすぐに忘れてしまうかもしれません。なので、もう少し知識を広げておきましょう。
実はカミツレから抽出される精油には、主要成分としてアズレンが含まれています。
この成分を水溶性にしたアズレンスルホン酸ナトリウムは、多くのうがい薬にも配合されている成分です。
実際に歯科医からも処方箋でアズノールというアズレンスルホン酸ナトリウムが含有されたうがい薬が処方されることがあります。これでカミツレには抗菌作用があることが良く分かったのではないでしょうか。
d ステロイド性抗炎症成分の含有量が少ない場合には、長期連用を避ける必要はない。
→皮膚に塗る外用薬も弱いステロイドだからといって長期連用して大丈夫でしょうか。もちろん、それは良くないと思うはずです。
よって、ステロイド性抗炎症成分の含有量が少ない場合も長期連用はしないようにしましょう。
皮膚薬にも言えることですが、ステロイドは炎症を抑えるだけでなく、その部位の免疫力も下げてしまいます。
その為、感染が疑われる場合にはむやみに販売しないように気を付けましょう。または、使用後に悪化した場合は必ず医療機関を受診するようにお伝えしてください。
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