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これは盲点だった、登録販売者試験にも出題される小児の鎮静薬とは?
小児の鎮静薬に関する過去問(平成30年 京都府 午前)
早速、過去問から目を通してみましょう。
- 小児鎮静薬は、興奮状態を鎮めるため、血液の循環を抑制する作用があるとされる生薬成分を中心に配合されている。
- 漢方処方製剤は、用法・用量において適用年齢の下限が設けられていない場合にあっても、幼児には使用しないこととなっている。
- 柴胡加竜骨牡蛎湯を小児の夜泣きに用いる場合には、体質の改善に1か月位を要するため、症状の改善がみられないときでも、少なくとも1か月位は継続して服用すべきである。
- レイヨウカクは、健胃、強壮などの作用を期待して用いられることがある。
http://www.pref.kyoto.jp/yakumu/documents/h30mondaigozen.pdf より一部改変して抜粋
(ヒント 1、誤 正 正 誤 2、 正 誤 正 誤 3、 正 正 誤 正 4、 正 誤 誤 誤 5、 誤 誤 誤 誤のどれか)
解説
問題の答えはすぐ分かりましたか? ここからは、問題の解説をしていきましょう。
まず1問目。
「a 小児鎮静薬は、興奮状態を鎮めるため、血液の循環を抑制する作用があるとされる生薬成分を中心に配合されている。 」
小児(乳幼児も含む)では、身体的な問題がなかったり小児の欲求は既に満たされていても、夜泣きや疳の虫、ひきつけ等の興奮状態が現れることがあります。
これらは、興奮状態を鎮めるというのは正しいですね。
次は「血液の循環を抑制する作用」を見てみましょう。
これは少し怪しいなと思うでしょうか。ゴオウやジャコウ、レイヨウカクは鎮静薬として使うことがありますが、これらは血管を拡張する(血圧低下作用)があり、血液循環を良くします。「そこまで覚えられないよ!」と思う方もいると思いますので、イメージでも覚えられるようにしましょう。
まず、血液の流れが抑えられて(血圧が上がって)精神的に安心する方はいるでしょうか?
「交感神経が刺激されると(攻撃的な状態)血管が収縮され、血圧が上がる」ということを考えると、血液循環が悪くなって落ち着くことはないでしょう。
ゆえに、aの答えは 誤 になります。
2問目です。
「b 漢方処方製剤は、用法・用量において適用年齢の下限が設けられていない場合にあっても、幼児には使用しないこととなっている。」
これはどうでしょうか。とっさに 正 にしたい気持ちは分かります。
しかし、「幼児には使用しないこととなっている」がポイントです。子供は年齢によってその呼び方が違います。
医療における小児の年齢の定義を見てみましょう。
- 新生児とは、出生後 4 週未満の児とする。
- 乳児とは、生後 4 週以上、1 歳未満の児とする。
- 幼児とは、1 歳以上、7 歳未満の児とする。
- 小児とは、7 歳以上、15 歳未満の児とする。
https://www.pmda.go.jp/files/000218448.pdf より抜粋
小児への漢方処方製剤ですが、用法用量において適用年齢の下限が設けられていない場合にあっても、生後3ヶ月未満の 「乳児」 には使用しないこととなっています。
つまり、「幼児には使用しないこととなっている」という記述は 誤 になります。
3問目です。
「c 柴胡加竜骨牡蛎湯を小児の夜泣きに用いる場合には、体質の改善に1か月位を要するため、症状の改善がみられないときでも、少なくとも1か月位は継続して服用すべきである。」
ポイントは「少なくとも1か月位」ですね。漢方薬はなんとなく1ヶ月位は必要だと考えるのは、間違ってはいないこともあります。
しかし、柴胡加竜骨牡蛎湯の添付文書を見てください。「小児夜泣き、便秘に服用する場合には1週間位」と書いてあります。
このような例外も存在しますので、とくに小児に使用される漢方薬に関しては、一度添付文書に目を通すと良いでしょう。
正解は 誤 になります。
4問目です。
「d レイヨウカクは、健胃、強壮などの作用を期待して用いられることがある。」
これは覚えるしかないですね。
なぜかというと健胃、強壮に使用する生薬もあります。これはゴオウに関する記述でしょう。よって正解は 誤 です。
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