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「直射日光の当たらない」「涼しい」場所とは?
日本薬局方によって定められる温度と保管場所
医薬品のルールが載っている日本薬局方には、常温は15~25℃、室温は1~30℃、冷所は1~15℃を指すと決められています。添付文書に記載された「涼しい場所」は厳密に日本薬局方でいう冷所と同じではありません。
したがって指定された方法が「直射日光の当たらない涼しい場所」または「冷暗所」であれば必ずしも冷蔵庫に入れる必要はないでしょう。
「20℃以下」など常温の範囲では超えてしまう可能性が高い場合以外は、年間通して室内の湿度が低く、窓向きではない引き出しなどに保管できます。
また、生活形態によっては車内に薬を常備しておくと便利なこともありますが、夏季の車内は非常に高温になりますので避けてください。
直射日光は要注意
医薬品を保管する際は直射日光や強い光の当たる場所は避けなければなりません。
日光は医薬品に限らず、物質に非常に大きな影響を及ぼします。看板などの赤い塗料が色褪せてしまっているのをよく目にしますよね。これは赤い色を出している塗料中の物質が日光によって壊れているからです。
これと同様に医薬品の成分も日光に当たると壊れ、薬効を失ってしまうことがあります。薬効を失うばかりではなく、体に害のある物質になる可能性もあるのです。
茶色の瓶や、赤いPTPシートのような遮光性の高い容器に入って販売されている薬は光に弱い可能性が高いため、特に注意が必要。
日光ほどのエネルギーは無くとも、蛍光灯の光もなるべく避けた方が良いでしょう。日常的に使用することは少ないかもしれませんがUVライトなどもエネルギーの強い光ですので当ててはいけません。
また、温度変化も変質の原因になりますので直射日光が当たっていなくても温度変化の激しい場所は避けてください。
常温で良い医薬品を冷蔵庫に入れた場合
冷蔵庫に入れる必要のない医薬品を誤って冷蔵庫に入れてしまったとしても、凍結しなければ通常通り使用できるものが多いようです。
この場合、冷蔵庫から取り出したあとすぐに開封すると結露により水気を帯びてしまいますので、個装でない場合は室温に戻るまで待ちましょう。すぐに内服するのであれば結露によって水分が付着してしまっても問題ありませんが、再び保管する場合水分は厳禁。食品などと同様、カビも生えますし、薬効成分が変質してしまいます。
なお液体の医薬品(医療用医薬品のインスリン注射などは特に)は1度凍結させてしまうと解凍しても成分が変質したり分離したりしてしまうことが多いため、通常使用できません。
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