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「実務経験のカウント方法」はどう変わったか ~ 管理者要件を満たすには ~
実務経験のカウント方法はどう変わった?
では、この度変更された「定められた条件」とはどんなものでしょうか?
もともと「直近5年のあいだに月80時間以上の勤務を24ヶ月以上」と定められていましたが、2020年4月1日からは「直近5年のあいだに1920時間、かつ、24ヶ月以上」の実務経験をもって、管理者要件とすると変更されました。
一番大きな変更ポイントは「月80時間以上」の縛りがなくなったことです。
改定前は、例え月79時間勤務していても「月80時間以上」を満たさないため、それを1ヶ月の経験として数えることはできませんでした。これからは5年間のうちに1920時間を満たしていれば、1ヶ月のうちでの勤務時間の長さは問われません。
極端な例ですが、ある任意の1ヶ月のあいだに数時間しか勤務していなくても、24ヶ月のうちの1ヶ月としてカウントすることが可能ということです。
1ヶ月のあいだの勤務時間が80時間未満の場合、その月は実務経験24ヶ月のうちにカウントできない。1ヶ月の勤時間が80時間未満の場合、その勤務時間はカウントされず切り捨て。
変更後
1ヶ月の勤務時間がたとえ数時間でも、実務経験24ヶ月のうちとしてカウントできる。過去5年のあいだであれば「1920時間」に積算可能。
ただし注意が必要なのは「直近5年のあいだに1920時間以上、かつ、24ヶ月以上」という「かつ」の部分です。
たとえ23ヶ月以内で1920時間以上勤務したとしても、「24ヶ月以上の勤務実績」を満たさなければ、管理者要件を満たすことはできません。
実際に、正社員やフルタイム勤務のロングパートであれば、約12ヶ月程度で1920時間以上の勤務を達成することが可能となりますが、「かつ、24ヶ月以上」という条件があるため、それだけでは管理者とはなれないのです。
逆に、
- SVや店長職、管理部門などからの応援勤務
- 長期のブランク
- 扶養枠内での勤務
- 調剤薬局での
など、1ヶ月80時間以上の実務必須という規定により、管理者要件の維持が難しかった方は、より柔軟に管理者要件を維持できるようになります。
例えば扶養枠内での勤務を希望する方では、最低限1ヶ月平均32時間ペースで勤務を続けていれば「1920時間以上、かつ、60ヶ月」となり、管理者要件を維持できることになります。
働き方の幅がより広がるわけですが、以下に例をあげてみましょう。
例えば月32時間勤務であれば、1500円などの高時給でも扶養枠内で勤務することが可能であり、月末などに慌てて勤務時間を減らすなどして調整する必要もなくなります。
【時給1500円での勤務の場合】
《変更前:勤務時間80時間以上必須》
月給例 時給1,500円×80時間=120,000円
⇒年収例 1,440,000円 扶養枠オーバー!
扶養枠内で働こうと思うと、管理者要件を維持できない。もしくは、時給の引き下げが必要。
《変更後:勤務時間32時間で可能》
月給例 時給1,500円×32時間=48,000円
⇒年収例 576,000円 扶養枠内勤務となりOK
高時給で効率よく働きながら、管理者要件も維持できる。
全国に5万件あると言われる調剤薬局。そのほとんどに種類や量の違いはあれどOTCも置かれています。
そのため、薬局データ入力、医薬品のピッキング、そのかたわらにOTC販売できる登録販売者の需要は高まっていますが、働く登録販売者からすれば、なかなか1ヶ月80時間の医薬品販売に関わる実務経験の維持は難しいことでした。
1か月32時間ペースでもいいのであれば、今後はずいぶんと仕事の按分が利きやすくなり、実務経験の維持が簡単になります。
勤務時間の積算は、1つの企業・1つの店舗のみに限らず掛け持ち勤務でも可能です。
WワークでA社とB社で働いている場合、それぞれに実務経験証明は必要ですが、両方の勤務時間を合算して積算することができます。
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