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現場で役立つ季節の健康ネタ

医薬品ではないけれど、ドラッグストアにもスーパーにもあるもののお話

接客対応をなさる登録販売者さんのいる店舗なら、業種を問わず結構どこででも売っているのではないでしょうか。 これからの汗ばむ季節には必需品、シャンプーです。

肌・環境などに優しいシャンプー

最近はすっかりノンシリコン・シャンプーという言葉を耳にするようになってきましたが、石鹸やシャンプーなどは結構ダイレクトに肌や頭皮の環境に影響したりもします。アレルギーや湿疹の原因となることもあります。

最近では、無添加、植物由来、石油系界面活性剤不使用、パラベンフリーなどいろいろな成分の安全性を謳う製品も増えてはきましたが、これも各個人の体質であったりアレルゲンに関係してくることですので、一概にこれがいい!とは言えないところがあり、難しいところです。

ただ、間違うと困る、誰にでも共通する「シャンプーの使い方」があるんです。それは、最近ドラッグストアでも1~2種類くらいは見かけることが多くなった石鹸シャンプーに関することです

アレルギー事情や石油系界面活性剤について懸念される危険性、健康志向、エコ志向などと相まって認知度が上がり、興味を持つ方も増えてきた石鹸シャンプー。

「環境に優しい」「肌に優しい」「ナチュラル」というイメージばかりが先行しているところもあり、またそれもある意味確かに間違いではないのですが、実は使い方にやや面倒なところがあります。

使用の際に知っておきたいこと

まず問題になるのが、石鹸が弱アルカリ性であること。
石鹸シャンプーは弱アルカリ性であるために、使うとキューティクルが開き、もちろんコーティング剤なども入っていないので、髪がきしきしします。

ですので、石鹸シャンプーはシャンプーだけで終わらせずに、必ず弱アルカリを中和し、髪のキューティクルを閉じた状態に戻すためにクエン酸などを成分とする酸性リンスを使わなければならないわけです。

「普通のリンスだけは残っているから、まずは石鹸シャンプーだけでいいわ」は基本NGです。通常販売しているような中性のリンスではアルカリを中和できませんので、きしきしごわごわのままになります。

ただ、必ず販売しているリンスが必要というわけでもなく、ようはアルカリを中和できればいいわけですから、お湯で希釈したお酢などで代用することも可能です。

実は石鹸は結構洗浄力が高く、人によると皮脂の取り過ぎになってしまうということもあるようですので、特に乾燥肌の方には注意が必要です。これは逆に言えば洗い上がりがとてもすっきりするということでもあり、カラーリングなどしている方は、色が抜けやすいとも言われています。

また、石鹸のアルカリ成分は硬水に反応するので金属石鹸(水に溶けない、俗にいう石鹸カス)などができやすくなり、泡立ちも悪くなり洗浄力も落ちてしまうため、実は水の硬度の高い地域では石鹸シャンプーは使いづらいという地域性の問題もあるようです。

石鹸シャンプー実践

『石鹸シャンプー』

  • シャンプー前に必ず髪をお湯でよく洗い、汚れやホコリなどをまず落とす。
  • シャンプーはよく泡立ててから手際よく行い、すすぎも十分に行う。
  • シャンプーだけで使わず、必ず酸性リンスも使う。

最低限、これだけのことには注意しないといけません。それでも今まで通常のコーティング剤などが入ったシャンプーを使っていた方が石鹸シャンプーに慣れるまでには時間がかかるとも言われています。

「環境に優しい」「肌に優しい」「ナチュラル」という理由で「なんとなくいいかも」と思って気軽に使い始めるには、やはり少し面倒には思えますが、石鹸シャンプーが合う方にはとても良い効果があることも事実のようです。従来のシャンプーが合わないという方は、試してみる価値があるのではないでしょうか。

どんなに良いものも使い方によって効果が変わるもの。石鹸シャンプーに初めて挑戦というお客さまがいらっしゃったら、最低限上記3つのお約束はお伝えして差し上げてくださいね!

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