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タイプを見極めておすすめしたい催眠沈静剤

眠れない、と悩むお客様は数多くいます。とはいえ、かぜ薬や目薬ほど商品数があるわけでもないため漫然と1つの商品をおすすめしていませんか?しかし、実はOTC薬で対応できる不眠はごく一部。不眠のタイプを見極めて正しく商品を販売しましょう。

お客様の不眠を4タイプに分類する

不眠には大きく分けて入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害の4つのタイプがあります。

入眠障害
布団に入ってもなかなか寝付けないタイプで、通常30~60分以上寝付けず、そのことを苦痛に感じている場合が当てはまります。
中途覚醒
夜眠っている間に何回も目が覚めてしまうタイプ。覚める回数は個人差があります。
早朝覚醒
予定した時間やいつも通りの時間よりも2時間以上早く起きてしまうタイプで、その後の寝付きも良くありません。
熟眠障害
眠っているはずなのに寝た気がしない、眠りが浅いと感じるタイプです。悪夢を見るケースも多く、その分苦痛も大きいようです。

OTC薬で対応できるのは入眠障害のみ

上記4タイプの中でOTC薬で対応できるのは入眠障害、かつ不眠症状が出てから1週間以内の場合のみです。1週間以上続いている場合やその他のタイプの場合、別の基礎疾患などが原因となっている可能性もあるため、安易に医薬品を販売せず受診を勧めましょう。

ただ、その他3タイプの不眠症状でも、現在できている分の睡眠の質を改善する目的であれば効果を期待できます。したがってきちんと説明した上で販売することはできますが、使用目的が異なっても他の処方薬との併用ができるわけではありませんので正しくお伝えしてくださいね。

医薬品を販売しない場合の生活アドバイス

残念ながらOTC薬の適応外と判断した場合は医薬品の販売を避けるべきですが、お客様はよく眠れず悩んでいます。可能であれば不眠症状を改善するための生活アドバイスを行いましょう。

例えば、就寝前の水分の取りすぎは控える、寝酒は控える、昼寝をする場合は午後3時より前、30分以内にとどめるなどが挙げられます。

また、高齢者に多いのですが「寝なければ」と強く考えてしまい、余計に寝付けなくなっているケースがあります。そのようなお客様には寝付く時間を気にしすぎず、眠くなったら布団に入るなどのアドバイスをしましょう。

不眠は毎日の生活の質を著しく下げてしまう原因になりますよね。できるだけお客様の悩みを解決したいところですが、不眠症状はさまざまな要因が重なって起きるため専門家でも治療に苦戦する難しい状態。OTC薬で対応できるか否かをしっかりと見極め、販売または受診勧奨どちらかの対応を決断しましょう。

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