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お客様の訴えから選ぶ登録販売者の商品選択~乗り物酔い予防薬編~

同じ薬効の医薬品を求める相談でも、お客様によって重視することは違いますよね。そのため主な薬効だけでなく、お客様の訴えにしっかりと応えられる知識が必要です。今回は乗り物酔いの予防薬について考えてみましょう。

「酔ってから飲んでも効く薬が欲しい」

乗る前の服用をつい忘れてしまう、タイミングがつかめないなどの理由もあって、酔いを感じてから使用しても効く商品は高い人気があります。こうした相談を受けた場合は成分よりも剤形に注目して商品を選択しましょう。

例えばトラベルミンチュロップのように舐めたり噛み砕いたりして服用するタイプや、センパアのように水分がなくても服用できる口腔内崩壊錠は即効性が高いのでおすすめ。また、液体タイプも比較的速く効くといわれています。

酔い止め用の商品はそれぞれ味がつけられていることが多いのですが、嫌いな味は吐き気を助長する原因にもなります。お客様に好きな味を選んでもらうようにしましょう。

「緑内障、前立腺肥大症が気になる」

多くの乗り物酔い予防薬には、クロルフェニラミンやスコポラミンといった抗コリン作用を持つ成分が含まれていますよね。乗り物酔いを予防するメカニズムとして効果的な一方で、症状が悪化したり副作用が現れやすくなったりするため、緑内障や前立腺肥大症のお客様は使用しないほうが良いと考えられます。

乗り物酔いは十分な換気や緩めの服装など別の方法でも予防できることも多いため、可能な限り薬に頼らない方法を試してもらうと良いでしょう。

「夏休みの旅行・旅行で暑い国に行く」

抗コリン作用が気になるのは、緑内障や前立腺肥大症の方だけではありません。普段はあまり気に留めていない副作用ですが、抗コリン薬には発汗を減らす効果があります。乗り物酔い予防薬は行楽へ向かう途中で使用することも多いですから、行先にも注意すべき。夏休みの旅行や暑い国への渡航、海やプールなど炎天下に曝される危険のある場所へ向かうお客様は特に危険です。

可能であれば副交感神経を遮断しない成分の商品を選びましょう。もしどうしても避けられない場合は、いつも以上に体温の上昇や熱中症に気をつけるよう注意喚起をしてください。

お客様の質問ではさまざまな表現が使われます。ですので、接客に慣れるまでは知識として知っていても相談を受けたときにその知識を引き出せない、といったこともよく起こります。少しずつこうしたミスを減らし、よりお客様の希望に沿った商品を提案できるよう練習していきたいですね。

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