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現場で役立つ季節の健康ネタ

節分の「恵方巻」って、海苔問屋さんが広めたって知ってました?~海苔~

さて、明後日2/3は節分です。すっかり全国区になった「恵方巻」ですが、関西以外の地域ではどのくらいの割合で食べられているのでしょうか?

恵方巻の風習の始まりは?

●恵方巻(wikipedia)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%81%B5%E6%96%B9%E5%B7%BB

もともと節分に太巻き寿司を食べる風習は大阪近辺のローカルイベントだったのですが、セブンイレブンが全国発売を開始した2000年以降に急速に全国広まったようです。

「恵方巻」という名前もセブンイレブンの命名なんだそうで、それ以前は、そういう名前では呼んでいませんでした。

恵方巻が広く知られた理由は?

昔から船場の花街などで局地的にあるにはあったこの大阪の風習が、広く一般的な商業イベントとして広まったきっかけは、大阪鮓商組合や寿司業界のプッシュもあったのですが、昭和30年代の海苔販売の促進活動とされています。

そして昭和40年代よりメディアなどに取り上げられるようになり、大阪海苔問屋協同組合の尽力通りより知名度が上がっていったようです。メインは海苔の販促だったんですね。

海苔に含まれる要素

さて、この海苔。100g中、意外なことに40g程度がタンパク質なのです。そして、同じくらいの炭水化物を含むのですが、その中で食物繊維が30~35g程度になるようですから、糖質はごく少ないことになります(炭水化物=糖質+食物繊維です)。

突出しているのはビタミンAの含有量で、同じ海草であるわかめの5倍以上になります。

その他、鉄、ビタミンB2、C、カルシウム、リン、マグネシウム、亜鉛、ヨウ素なども豊富に含みます。昔から、日本人の健康を支えてきた食べ物なのですね。

食文化による話

ただ、こんな話を聞いたことはないでしょうか?

「海苔は日本人にしか消化できない」
これは、ほぼ正しいのですが、全面的に正しいわけではありません。

正確には、

  • 「生海苔」を消化するにはバクテロイデス・プレビウスという腸内バクテリアが必要で、これを持っていないと消化できない。
  • 2010年、フランスの微生物学研究チームがバクテロイデス・プレビウスは日本人の腸内にしか存在しないと発表した。

ということです。

日本人の腸だけに存在?:海藻を消化する細菌(WIRED)

簡単に言えば、ずっと生海苔を食べてきた人たちで、腸内にバクテロイデス・プレビウスを持つ環境にある人たちであれば、日本人でなくても生海苔を消化できます。腸内バクテリアは人種固有のものではなく、むしろ食文化や環境によるものです。

しかし、日本が島国であるゆえに、上記のような状況が出来上がったのも事実。では、世界的なスシ・ブームで巻き寿司や軍艦巻きを食べる外国人の方はどうなるのでしょう?

これに関しては「焼き海苔なら大丈夫」ということになります。佃煮も、十分火を通したものであれば大丈夫そうですね。海苔は、熱を加えると消化しやすくなるので、大量に食べなければ問題ないようです。

せっかく栄養たっぷりの海苔を楽々と消化できる日本人。節分の日は、やはり恵方に向かって太巻き寿司を丸かぶりしてみるのはいかがでしょう?今年の恵方は「南南東」ですよ!

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