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現場で役立つ季節の健康ネタ

「長期連用」はどのくらいの期間?

医薬品を漫然と使い続けることはやはりあまり薦められることではなく、長期連用を禁止する商品も多いですね。「長期」や「連用」とひと口に言っても、具体的にはどのくらいの期間で、どのようなところに注意するべきでしょうか?

一般的な長期連用の期間

商品ごとで「長期」に該当する期間は異なりますが、一般的には2週間~1ヵ月程度です。似たような注意書きに「5、6回使用しても改善しない場合は相談すること」がありますが、使用した時に症状が改善する場合でも2週間~1ヵ月を超えて続けてはいけません。

「連用」の解釈もいくつかありますが大抵の場合、連日や毎日と読みかえて問題ないでしょう。商品によっては、数日の休薬期間を開ければ再び連続して使用して良いとされているものもあります。

長期連用が禁止される理由

思わぬ副作用や事故を防ぐために、多くの商品の「してはいけないこと」の欄に長期連用を禁止する文言が記載されています。多くの市販薬は日常的に続けるためではなく、対症療法として使用することを目的として作られています。

したがって症状が改善した後も、もしくは効き目がないにも関わらず漫然と使用し続けることで副作用が発生する危険が高まってしまうのです。使用した医薬品特有の副作用以外にも、肝臓や腎臓の機能が落ちる危険があります。

薬を身体の外に出すために重要な役割を果たす肝臓や腎臓は、医薬品の長期連用によって疲弊してしまうのです。そのため肝、腎機能に自信の無い人へはもちろん、現在健康であっても負担をかけないよう不必要な医薬品の使用はおすすめできません。

また、市販薬を使用し続けることですぐに治療を受けるべき疾患を見逃してしまう可能性もあります。例えば、胃や十二指腸に潰瘍がある場合、本来であれば当然医師による治療が必要ですよね。

しかし胃の粘膜を保護する効能の強い市販薬を使用することで、治療までは出来ないにも関わらず症状を隠してしまい、発見を遅らせる原因となるのです。このような理由から市販薬では長期連用が禁止されています。

お客様への説明で気をつけること

お客様への説明の中ではできるだけ具体的な数字を提示するほうが良いのですが、伝え方によっては「2週間~1ヵ月は飲みつづけても問題ない」と印象に残ってしまいます。

したがってお客様のようすと症状、医薬品の種類によって、「5、6回で様子を見る」と伝えるか「1ヶ月以上は避ける」と伝えるかを変える必要があります。

例えばかぜ薬、鎮痛剤など通常1~数回で改善するものや、睡眠改善薬、眠気防止薬など長期間続けてしまいやすい薬は長期連用の禁止を強調するよりも、数回の使用で改善しない場合の受診をすすめるほうが良いでしょう。

登録販売者は長期連用の危険性を正しく理解し、お客様に伝える必要があります。しっかりと聞き取りを行い、お客様の症状、医薬品の特性などを把握し、適切な説明対応ができるようにしたいですね。

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