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対策問題集

対策問題集

第33回:
“医薬品に共通する特性と基本的な知識 Part5”は全部で10問です。
さぁ、やってみよう!

次の医薬品の本質についての記述で誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:一般用検査薬は正しい解釈や判断がなされなければ、適切な治療を受ける機会を失うおそれがある。
  2. 2:医薬品は治療に用いられるが、予防に用いられることはない。
  3. 3:医療用医薬品と比較すると一般用医薬品のリスクは相対的に低い。
  4. 4:医薬品は高い水準で均一な品質が保証されていなければならない。
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答え
2
<解説> 医薬品の多くは人体に取り込まれて作用し、効果を発現させます。しかし、本来医薬品も人体にとっては異物であり、又医薬品が人体に及ぼす作用は複雑かつ多岐に渡り、そのすべてが解明されていないため、必ずしも期待される有効な効果のみをもたらすとは限らず、好ましくない反応を生じる場合もあります。
 人体に対して使用されない医薬品においても、例えば、殺虫剤の中には誤って人体がそれに曝されれば健康を害するおそれがあるものもあり、検査薬は検査結果について正しい解釈や判断がなされなければ、医療機関を受診して適切な治療を受ける機会を失うおそれがあるなど、人の健康に影響を与えるものと考えられています。
 医薬品は人の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人の身体の構造や機能に影響を及ぼすことを目的とする生命関連製品でその有用性が認められたものですが、保健衛生上のリスクが伴うものであるという認識を持つことが大切です。

次のアレルギーに関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。

  1. 1:眠気や口渇等比較的よく見られるものもアレルギーの一種である。
  2. 2:医薬品の薬理作用の一種であると考えられている。
  3. 3:アレルギーを起こす原因は体力の低下のみである。
  4. 4:近い親族にアレルギー体質の人が居る場合には、注意が必要である。
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答え
4
<解説> 免疫は本来、細菌やウイルスが人体に取り込まれた時、人体を防御するために生じる反応ですが、免疫機構が過敏に反応して好ましくない症状が引き起こされることがあります。通常の免疫反応の場合に炎症やそれに伴って発生する痛み、発熱等は、人体にとって有害なものを体内から排除するための必要な過程ですが、アレルギーにおいては過剰に組織に刺激を与える場合も多く、引き起こされた炎症自体が過度に苦痛を与えることになります。
 アレルギーはあらゆる物質によって生じるもので、医薬品の薬理作用とは関係なく、薬理作用のない添加物や外用薬によっても生じます。アレルゲンとなりえる添加物としては、黄色4号(タートラジン)、カゼイン、亜硫酸塩等が知られています。
 アレルギー体質ではない人でも病気等に対する抵抗力が低下している状態では思わぬアレルギーを生じることがありますが、アレルギーには体質的・遺伝的な要素もあります。
 医薬品を使用してアレルギーを起こしたことがある人ではその原因となった医薬品を避ける必要があります。又鶏卵や牛乳を原材料として作られているものがあるため、それらに対するアレルギーがある人では使用を避ける必要があります。

次の一般用医薬品の使用に関する記述について誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:かぜ薬とアレルギー用薬は併用を避ける必要がある。
  2. 2:酒類をよく摂取する人では、アセトアミノフェンが通常より早く代謝され十分な薬効が現れないことがある。
  3. 3:生薬成分が配合されている医薬品には相互作用を考えなくてもよい。
  4. 4:緩和を図りたい症状があれば、その症状にあった成分のみを配合する医薬品の選択が望ましい。
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答え
3
<解説> 複数の医薬品を併用した場合又は特定の食品(保健機能食品等)と一緒に摂取した場合に、医薬品の作用が増強したり、減弱したりすることを相互作用といいます。相互作用には医薬品が吸収代謝、分布又は排泄される過程で起こるものと、医薬品が薬理作用をもたらす部位において起こるものがあります。
 一般用医薬品は一つの医薬品の中に作用の異なる複数の成分を配合していることが多く、他の医薬品と併用した場合に同様な作用を持つ成分が重複することがあります。例えばかぜ薬、解熱鎮痛薬、鎮静薬、鎮咳去痰薬、アレルギー用薬等では成分や作用が重複することが多く、通常これらの薬効群に属する医薬品の併用は避けることとされています。
 食品との相互作用についてはアルコールが主として肝臓で代謝されるため、酒類をよく摂取する者ではその代謝機能が高まっていることが多く、アセトアミノフェンなどでは体内から通常より早く消失して十分な効果が得られなくなることがあります。又カフェインやビタミンA等のように食品中に医薬品成分と同じ物質が存在するためにそれらを含む食品と一緒に摂取すると過剰摂取となるものもあります。このほか、生薬成分については医薬品的な効能効果が標榜・暗示されていなければ、食品(ハーブ等)として流通可能なものもあり、生薬成分が配合された医薬品と併用すると、その効果を増強したり、副作用を発生させやすくすることがあります。

医薬品と小児の関係についての記述で、誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:小児が容易に手に取れる場所に、医薬品をおかないようにする。
  2. 2:医薬品の使用上の注意等において、幼児とはおおよその目安として1歳以上7歳未満をいう。
  3. 3:肝臓や腎臓の機能が未発達であるため、医薬品の作用が現れにくい。
  4. 4:成人用の医薬品の量を減らして小児へ与えることは避ける必要がある。
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答え
3
<解説> 医薬品の使用上の注意等において乳児、幼児、小児という場合にはおおよその目安として、1歳未満を乳児、7歳未満を幼児、15歳未満を小児とする年齢区分があります。
 小児は医薬品を受けつける生理機能が未発達であるため、その使用に際して特に配慮が必要です。例えば小児は大人と比べて身体の大きさに対して腸が長く、服用した医薬品の吸収率が高いことがあります。又、吸収された医薬品の成分が脳に達しやすいため、中枢神経系に影響を与える医薬品で副作用と起こしやすいと言われています。このほか、肝臓や腎臓の機能が未発達であるため医薬品の成分の代謝・排泄に時間がかかり、作用が強く出過ぎたり、副作用がより強く現れることがあります。
 医薬品成分によっては、小児への使用を避ける必要のあるものもあり、成人用の医薬品を減量して小児へ与えることは避けなければなりません。

高齢者と医薬品の関係についての記述で、誤っているものを選びなさい。

  1. 1:一般に高齢者は生理機能が衰えつつあり、若年時と比べて副作用を生じるリスクが高くなる。
  2. 2:高齢者の一般用医薬品の使用については常用量より少ない用量から様子を見ながら使用するのが望ましい。
  3. 3:持病を抱えている高齢者は一般用医薬品の使用によって、その症状を悪化させる場合がある。
  4. 4:高齢者は喉の筋肉が衰えて飲食物を飲み込む力が弱まっている場合があり、内服薬を喉に詰まらせることがある。
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答え
2
<解説> 医薬品の使用上の注意等において、「高齢者」という場合には、おおよその年齢の目安として65歳以上を指します。
 一般に高齢者は生理機能が衰えつつあり、特に肝臓や腎臓の機能が低下していると医薬品の作用が強く現れやすく、若年時と比べて副作用を生じるリスクが高くなります。しかし、高齢者であっても、基礎体力や生理機能の衰えの度合いは個人差が大きく、年齢のみから一概にどの程度リスクが増大しているかを判断することはできません。
 生理機能が衰えている高齢者では、少ない用量から様子を見ながら使用するのが望ましいとされていますが、一般用医薬品の用法用量は、使用する人の生理機能を含めてある程度の個人差は折り込んで設定されているため、定められた用量の範囲内で使用することが望ましく、それ以下に量を減らしても十分な効果が得られないだけでなく、必ずしもリスクの軽減には繋がりません。

次のプラセボ効果についての記述で誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:医薬品を使用したとき、結果的又は偶発的に思わぬ副作用を生じることをプラセボ効果という。
  2. 2:医薬品を使用したことによる楽観的な期待からプラセボ効果が現れることがある。
  3. 3:医薬品を使用した際に薬理作用によらない、偶発的な望ましいもののみをプラセボ効果という。
  4. 4:プラセボ効果には主観的な変化だけでなく、客観的に測定可能な変化として現れることがある。
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答え
3
<解説> 医薬品を使用したとき、結果的又は偶発的に薬理作用によらない作用を生じることをプラセボ効果(偽薬効果)といいます。プラセボ効果は医薬品を使用したこと自体による楽観的な結果への期待(暗示効果)や、条件付けによる生体反応、時間経過による自然発生的な変化(自然寛解など)等が関与して生じると考えられています。
 通常、医薬品を使用したときにもたらされる反応や変化には薬理作用によるもののほか、プラセボ効果によるものも含まれています。プラセボ効果によってもたらされる反応には望ましいものと不都合なものとがあります。
 プラセボ効果は主観的な変化だけでなく、客観的に測定可能な変化として現れることもありますが、不確実でありそれらを目的として医薬品が使用されるべきではありません。

医薬品の品質についての記述で誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:医薬品は適切な保管・陳列がなされれば、品質が劣化することはない。
  2. 2:一般用医薬品ではすぐに使用されるとは限らないため、使用期限から十分な余裕をもって販売されることが望まれる。
  3. 3:医薬品は高い水準で均一な品質が保証されているが、適切な保管がなされなければ品質の劣化により人体に好ましくない作用をもたらす物質を生じることがある。
  4. 4:表示されている「使用期限」はいったん開封されると記載されている期日まで品質が保証されない場合がある。
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答え
1
<解説> 医薬品は高い水準で均一な品質が保証されていなければなりません。ところが配合されている医薬品成分や添加物成分には、高温や多湿、紫外線等によって品質の劣化を起こしやすいものが多く、適切な保管・陳列がなされなければ、医薬品の効き目が低下したり、人体に好ましくない作用をもたらす物質を生じたりすることがあります。
 医薬品が保管される場所については、清潔性が保たれるとともに、その品質が十分保持される環境となるよう留意する必要があります。又医薬品は適切な保管がなされたとしても経時変化による品質の劣化は避けられず、一般用医薬品では購入された後、すぐに使用されるとは限らないため、外箱に記載されている使用期限から十分な余裕をもって販売等がなされることも重要です。
 なお、表示されている「使用期限」は未開封状態で保管された場合に品質が保持される期限であり、液剤などではいったん開封されると記載されている期日まで品質が保証されない場合があります。

一般用医薬品で対処可能な範囲の中で誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:軽度な疾病に伴う症状の改善
  2. 2:生活の質の改善・向上
  3. 3:健康の維持・増進
  4. 4:生活習慣病の治療、改善、予防
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答え
4
<解説> 一般用医薬品は薬事法上「医薬品のうち、その効能効果において人体に対する作用が著しくないものであって、薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされているもの」と定義されているように、主として軽医療の分野で使用されるものです。
その役割としては①軽度な疾病に伴う症状の改善、②生活習慣病等の疾病に伴う症状発現の予防、③生活の質の改善・向上、④健康状態の自己検査、⑤健康の維持・増進、⑥その他保健衛生(衛生害虫の防除・殺菌消毒等)の6つがあります。
 急速な高齢化の進展や生活習慣病の増加など疾病構造の変化、生活の質向上への要請等に伴い、自分自身の健康に対する関心が高い生活者が多くなっている現在、専門家による適切なアドバイスの下、身近にある一般用医薬品の利用により対処するセルフメディケーションが拡がっています。
 一般用医薬品の販売等に従事する専門家においては購入者等に対して常に科学的な根拠に基づいた正確な情報を提供することで適切に支援をしていくことが重要であると考えられます。

サリドマイドについての記述で正しいものを一つ選びなさい。

  1. 1:一般用医薬品の整腸剤として販売されていた。
  2. 2:サリドマイドには血管新生を妨げる作用がある。
  3. 3:1957年にアメリカで販売が開始された。
  4. 4:米国では1960年にアメーバ赤痢に使用が制限された。
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答え
2
<解説> サリドマイドは催眠鎮静剤として承認されていましたが、(その鎮静作用を目的として胃腸薬にも配合された)副作用として血管新生を妨げる作用もありました。
 妊娠している女性が摂取した場合、サリドマイドは胎盤関門を通過して胎児に移行します。胎児はその成長過程において、諸器官形成のため細胞分裂が活発に行われますが、血管新生が妨げられると細胞分裂が正常に行われず、器官が十分に成長しないことから、四肢欠損、視聴覚等の感覚器や心肺機能の障害等の先天異常が発生しました。
 サリドマイド製剤は1957年旧西ドイツで販売が開始されていましたが1961年西ドイツのレンツ博士がサリドマイド製剤の催奇形性について警告を発し製品回収がなされました。 日本では1962年9月に販売停止・回収という対応の遅延が問題視されていました。
 サリドマイドの薬害事件は世界的に問題となり、WHO加盟国を中心に市販後の副作用情報の収集の重要性が改めて認識され、体制の整備が図られることになりました。

クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)について誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:認知症に類似した症状が現れ、死に至る重篤な神経難病である。
  2. 2:CJDはウイルスの一種であるプリオンが原因とされている。
  3. 3:CJD患者の在宅対策の充実、患者家族・遺族に対する相談事業等に対する支援が行われている。
  4. 4:HIVやCJDの感染被害により生物由来製品による感染等被害救済制度の創設がなされた。
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答え
2
<解説> 1996年大津、1997年東京で脳外科手術等に用いられていたヒト乾燥硬膜を介してクロイツフェルト・ヤコブ病に罹患したことに対する損害賠償訴訟が起こされました。有名なCJD訴訟です。
 CJDの原因とされるプリオンは感染能をもつ蛋白質因子のことです。CJDはプリオンが脳の組織に感染することで、次第に認知症に似た症状が現れ、死に至る重篤な神経難病です。ヒト乾燥硬膜の原料が採取された段階でプリオンに汚染されている場合があり、十分な化学的処理が行われないまま製品として流通し脳外科手術で移植された患者にCJDが発生しました。
 国、輸入販売業者及び製造業者を被告として大津と東京で提訴されましたが、2003年に和解が成立しました。2002年に行われた薬事法改正に伴い、生物由来製品の安全対策強化、(独)医薬品医療機器総合機構による生物由来製品による感染等被害救済制度の創設がなされました。これらのほか、CJD患者の入院対策・在宅対策の充実、CJDの診断・治療法の研究開発、CJDに関する正しい知識の普及・啓発、患者家族・遺族に対する相談事業等に対する支援、CJD症例情報の把握、ヒト乾燥硬膜の汚染の有無を確認するための患者診療録の長期保存等の措置が講じられるようになりました。

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