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対策問題集

対策問題集

第25回:
“医薬品に共通する特性と基本的な知識 Part4”は全部で10問です。
さぁ、やってみよう!

次の記述のうち正しいものを一つ選びなさい。

  1. 1:人体に直接使用されない医薬品については、有害事象につながることはない。
  2. 2:医薬品を販売する際は必要以上の大量購入や頻回購入などを試みる購入者もいるが、積極的な関与は必要ない。
  3. 3:医薬品の不適正な使用は使用する人の誤解や認識不足に起因するものがある。
  4. 4:医薬品は他の医薬品や酒類と一緒に摂取すると、その薬効が減弱される。
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答え
3
<解説> 人体に対して使用されない医薬品についても、例えば殺虫剤の中には誤って人体がそれに曝されれば健康を害するおそれがあるものもあり、検査薬は検査結果について正しい解釈や判断がなされなければ、医療機関を受診して適切な治療を受ける機会を失う恐れがあるなど、人の健康に影響を与えるものと考えられます。

 医薬品はその時の必要な適量を購入することが適切で一度に大量購入したり、頻回購入をする人があれば積極的に事情を伺い、場合によっては販売を差し控えることが必要です。

 医薬品の中には他の医薬品や酒類と一緒に摂取するといった乱用がなされると、過剰摂取による急性中毒等を生じる危険性が高くなり、また、乱用の繰り返しによって慢性的な臓器障害等を生じるおそれがあります。

医薬品の副作用に関する記述について、誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:一般用医薬品は通常その使用を中断することによる不利益よりも、重大な副作用を回避することが優先される。
  2. 2:一般用医薬品は副作用が少ない成分を配合しているため、重篤な副作用はない。
  3. 3:複数の疾病を持つ人の場合、ある疾病に薬効のある医薬品が別の疾病の症状を悪化させることがある。
  4. 4:副作用は容易に異変を自覚できるものばかりでなく、血液や内臓機能への影響等のように、直ちに明確な自覚症状として現れないこともある。
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答え
2
<解説> 医薬品は複数の薬理作用を併せ持つため、医薬品を使用した場合には、期待される有益な反応以外の反応が現れることがあります。主作用以外の反応であっても、特段の不都合を生じないものであれば、通常副作用として扱われることはないが、好ましくないもの(有害事象)については一般的に副作用といいます。

 副作用が起きる仕組みや起こしやすい要因の認識、また、それらに影響を与える体質や体調等が予め把握され、適切な医薬品の選択、使用が図られることが重要です。しかし、医薬品が人体に及ぼす作用は、すべてが解明されているわけではないため、十分注意して適正に使用された場合であっても、副作用が生じることがあります。

 一般用医薬品は軽度な疾病に伴う症状の改善等を図るためのものであり、一般の生活者が自らの判断で使用するものであり、通常はその使用を中断することによる不利益よりも重大な副作用を回避することが優先され、その兆候が現れたときには基本的に使用を中止する事とされています。

アレルギーに関する記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

  1. 1:アレルギーは、免疫機構が過敏に反応して、人体にとって好ましくない症状が引き起こされる反応である。
  2. 2:医薬品の中には、鶏卵を原材料に作られているものがあるが、製造段階で高度に精製してあり、だれがその医薬品を使用しても問題はない。
  3. 3:アレルギーには遺伝的な要素はあるが、体質的な要素は関連性がない。
  4. 4:普段アレルギーを起こしたことがない人では、医薬品によるアレルギーを起こすことはない。
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答え
1
<解説> 免疫は細菌やウイルスなどが人体に取り込まれたとき、人体を防御するために生じる免疫反応ですが、免疫機構が過敏に反応して好ましくない症状が引き起こされることがあります。通常の免疫反応の場合、炎症やそれに伴って発生する痛み、発熱等は人体にとって有害なものを体内から排除するための必要な過程であるが、アレルギーにおいては過剰に組織に刺激を与える場合も多く、引き起こされた炎症自体が過度に苦痛を与えることになります。

 普段は医薬品にアレルギーを起こしたことがない人でも、病気等に対する抵抗力が低下している状態等の場合は、医薬品がアレルゲンになりやすくなり、思わぬアレルギーを生じることがあります。またアレルギーには体質的・遺伝的な要素もあり、アレルギーを起こしやすい体質の人や、近い親族にアレルギー体質の人がいる場合には注意が必要です。

 医薬品を使用してアレルギーを起こしたことのある人はその原因となった医薬品の使用を避ける必要があり、又医薬品の中には鶏卵や牛乳等を原材料として作られているものがあるため、それらに対するアレルギーがある人では使用を避けなければならない場合もあります。

一般用医薬品におけるおおよその、めやすとする年齢区分のうち正しいものを一つ選びなさい。

  1. 1:小児:1歳以上15歳未満
  2. 2:幼児:1歳以上7歳未満
  3. 3:乳児:1歳以下
  4. 4:高齢者:70歳以上
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答え
2
<解説> 医薬品の使用上の注意等において、乳児、幼児、小児、高齢者という場合には、おおよそのめやすとして、次の年齢区分が用いられています。

 乳児:1歳未満、幼児:7歳未満、小児:15歳未満、高齢者:65歳以上

 小児は、医薬品を受けつける生理機能が未発達であるため、その使用に際して特に配慮が必要です。例えば、小児は大人と比べて身体の大きさに対して腸が長く、医薬品が吸収されやすくなっています。また、吸収されて循環血液中に移行した医薬品の成分が脳に達しやすいため、中枢神経系に影響を与える医薬品で副作用を起こすこともあります。加えて肝臓や腎臓が未発達であるため、医薬品の成分の代謝・排泄に時間がかかり作用が出過ぎたり、副作用がより強く出ることがあります。

 高齢者については生理機能が衰えつつあり、特に肝臓や腎臓の機能が低下していると医薬品の作用が強く表れやすく、一般的に若年時と比べて副作用を生じるリスクが高くなることがあります。

プラセボ効果に関する記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:主観的な変化だけでなく、客観的に測定可能な変化として現れることもある。
  2. 2:医薬品の有効成分の薬理作用による効果である。
  3. 3:プラセボ効果を目的として医薬品が使用されるべきではない。
  4. 4:暗示効果や条件づけによる生体反応、自然緩解等が関与して生じるものと考えられている。
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答え
2
<解説> 医薬品を使用したとき、結果的又は偶発的に薬理作用によらない作用を生じることをプラセボ効果(偽薬効果)といいます。プラセボ効果は、医薬品を使用したこと自体による楽観的な結果への期待(暗示効果)や条件づけによる生体反応、時間経過による自然発生的な変化(自然緩解など)が関与して生じると考えられています。

 通常医薬品を使用したときにもたらされる反応や変化には、薬理作用によるもののほか、プラセボ効果によるものも含まれています。プラセボ効果によってもたらされる反応や変化にも、望ましいもの(効果)と不都合なものとがあります。

 プラセボ効果は主観的な変化だけでなく、客観的に測定可能な変化として現れることもありますが、不確実であり、それを目的として医薬品を使用するべきではありません。

登録販売者の対応に関する記述について適切なものを一つ選びなさい。

  1. 1:一般用医薬品の大人用のかぜ薬を子供に半量にして使用するようアドバイスした。
  2. 2:小児にはカプセル剤をはずして服用するように説明した。
  3. 3:乳児は医薬品の影響を受けやすく、一般用医薬品の対処は最小限にとどめるように説明した。
  4. 4:妊娠している可能性のある人に解熱鎮痛剤を販売した。
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答え
3
<解説> 医薬品の販売に従事する専門家は、安全性の観点から、購入者等から状況を聞き、想定される使用者の把握に努めるなど積極的な情報収集と、それに基づく情報提供が重要となります。保護者に対して、大人用の医薬品の量を減らして小児へ与えるような安易な使用は避け、必ず年齢に応じた用法用量が定められているものを使用するよう説明されなければなりません。

 また、錠剤、カプセル剤等は小児等にそのまま飲み下させることが難しいことが多く、5歳未満の幼児に使用される医薬品では服用時に喉につかえやすいので注意するよう添付文書に記載されています。ただし、むやみに錠剤をつぶしたり、カプセルをはずしたりすることはお勧めできません。

 妊婦や妊娠している可能性のある人や他の病気で医療機関を受診している人などは、むやみに一般用医薬品を使用すると、胎児や病気の治療に支障をきたすおそれがあるので、主治医等と相談することが大切です。

HIV訴訟とCJD訴訟に関する記述について誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:CJD訴訟は脳外科手術等に用いられていたヒト乾燥硬膜を介してクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)に罹患したことに対する損害賠償訴訟である。
  2. 2:HIV訴訟は血友病患者がヒト免疫不全ウイルスの混入した原料血漿から製造された血液凝固阻止因子の投与を受けたことによりHIVに感染したことに対する損害賠償である。
  3. 3:CJDは蛋白質の一種であるプリオンが原因とされている。
  4. 4:HIVやCJDの感染被害が多発したことから、生物由来製品による感染等被害救済制度の創設がなされることとなった。
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答え
2
<解説> HIV訴訟は血友病患者がヒト免疫不全ウイルス(HIV)が混入した原料血漿から製造された血液凝固因子製剤の投与を受けたことにより、HIVに感染したことに対する損害賠償です。国及び製薬企業を被告として1989年大阪地裁と東京地裁で提訴され、1996年3月に両地裁で和解が成立しました。

 CJD訴訟は脳外科手術等に用いられていたヒト乾燥硬膜を介してクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)に罹患したことに対する損害賠償です。CJDは細菌でもウイルスでもない蛋白質の一種であるプリオンが原因とされ、プリオンが脳の組織に感染し、次第に認知症に似た症状が現れ死に至る重篤な神経難病です。ヒト乾燥硬膜の原料が採取された段階でプリオンに汚染されている場合があり、プリオン不活化のための十分な化学的処理が行われないまま製品として流通し、脳外科手術で移植された患者にCJDが発生しました。

 これらの訴訟の和解に対して国は生物由来医薬品等の安全性を確保するための必要な規制の強化を行うとともに、医薬品医療機器総合機構による生物由来製品による感染等被害救済制度を創設することになりました。

スモンに関する記述について誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:キノホルム製剤は整腸剤として販売されていた。
  2. 2:スモンはその症状として次第に認知症に類似した症状が現れる神経難病である。
  3. 3:スモン患者に対し施術費及び医療費の自己負担分の公費負担、重症患者に対する介護事業等が行われている。
  4. 4:医薬品副作用被害救済制度創設の契機となった。
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答え
2
<解説> 整腸剤として販売されていたキノホルム製剤を使用したことにより、亜急性脊髄視神経症に罹患したことに対する損害賠償訴訟です。スモンはその症状として初期には腹部の膨満感から激しい腹痛を伴う下痢を生じ、次第に下半身の痺れや脱力、歩行困難等が現れます。麻痺は上半身にも拡がる場合があり、ときに視覚障害から失明に至ることもあります。

 キノホルムは1924年から整腸剤として販売されていました。1958年ころから消化器症状を伴う特異な神経症状が報告されるようになり、米国では1960年にアメーバ赤痢に使用が制限されました。わが国では1970年8月になって、スモンの原因はキノホルムであるとの説が発表され、9月に販売が停止されました。

 スモン患者に対しては治療研究施設の整備、施術費及び医療費の自己負担分の公費負担、重症患者に対する介護事業等が行われています。

 サリドマイド訴訟、スモン訴訟を契機として1979年医薬品の副作用による健康被害の迅速な救済を図るため、医薬品副作用被害救済制度が創設されました。

一般用医薬品を使用する高齢者への対応に関して誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:75歳の高齢者は薬に対する感受性が低下しているため、添付文書の用量で効果がないときは、その2倍まで増量可能であることを説明した。
  2. 2:高齢者の副作用発生頻度は若年者より高いため、その対処法を説明した。
  3. 3:口渇の副作用が出ることがある医薬品を販売する際、誤嚥に対する注意を促した。
  4. 4:基礎疾患を抱えていることがないか、併用している薬がないか尋ねた。
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答え
1
<解説> 医薬品の使用上の注意等において『高齢者』という場合にはおおよその目安として65歳以上を指します。一般に高齢者は生理機能が衰えつつあり、特に肝臓や腎臓の機能が低下していると、医薬品の作用が強く現れやすく、若年時と比べて副作用を生じるリスクが高くなっています。しかし高齢者であっても基礎体力や生理機能の衰えの度合いは個人差が大きく、年齢のみから一概にどの程度のリスクが増大しているかを判断することはできません。生理機能が衰えている高齢者では少ない用量から様子を見ながら使用するのが望ましいとされますが、一般用医薬品の用法用量は使用する人の生理機能を含めて、ある程度の個人差は折り込んで設定されているので、基本的には定められた用量の範囲内で使用することが望ましく、それ以下に量を減らしても十分な効果が得られなくなるだけで、必ずしもリスクの軽減には繋がりません。

次の医薬品についての記述で誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:瀉下薬には配合成分や用量によっては流産や早産を誘発するおそれがある。
  2. 2:どの程度の医薬品の成分が胎盤を通過するかは未解明の事が多い。
  3. 3:ビタミンAの大量摂取は催奇形性のリスクが高まる。
  4. 4:妊婦は体の変調や不調を起こしやすいため、一般用医薬品での対処が推奨される。
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答え
4
<解説> 妊婦は体の変調や不調を起こしやすいため、一般用医薬品を使用することによ り、症状の緩和等を図ろうとする場合もありますが、その際には妊婦の状態を通じて 胎児に影響を及ぼすことがないよう配慮する必要があり、一般用医薬品による対処が 適切かどうかを含めて慎重に考慮する必要があります。

胎児は誕生するまでの間は母胎との間に存在する胎盤を通じて栄養分を受け取っています。胎盤には、胎児の血液と母体の血液とが混ざらない仕組み(胎盤関門)があります。

母体が医薬品を使用した場合には、胎盤関門によって、どの程度医薬品の成分が、関門通過を防御されるかは未解明の事が少なくなく、一般用医薬品においても、多くの場合妊婦が使用した場合における安全性に関する評価が困難であるため、妊婦の使用については「相談すること」とされており、推奨されるものではありません。

ビタミンA含有製剤のように妊娠前後の一定期間に通常の用量を超えて摂取すると胎 児に先天異常を起こす危険性が高まるとされているものや、便秘薬の中には、流産や 早産を誘発するものがあります。

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