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対策問題集

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第26回:
“人体の働きと医薬品 Part4”は全部で10問です。
さぁ、やってみよう!

消化器系の臓器に関する記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:小腸は全長6~7mの管状の臓器で、空腸、回腸の二つの部分に分かれる。
  2. 2:膵臓は胃の後下部に位置する細長い臓器で、膵液を十二指腸へ分泌する。
  3. 3:胃は中身が空の状態では扁平に縮んでいるが、食道から内容物が送られてくると、その刺激に反応して胃壁の平滑筋が弛緩し容積が拡がる。
  4. 4:胆嚢は肝臓で産生された胆汁を凝縮して蓄える器官で、十二指腸に内容物が入ってくると収縮して腸管内に胆汁を送り込む。
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答え
1
<解説> 胃の内壁は粘膜で覆われて多くのひだをなしている。粘膜の表面には無数の微細な孔があり、胃腺につながって塩酸のほか、ペプシノーゲンなどを分泌しています。

 小腸は全長6~7mの管状の臓器で、十二指腸、空腸、回腸の3部分に分かれています。十二指腸は胃から連なる約25cmのC字型に彎曲した部分で、彎曲部には膵臓からの水管と胆嚢からの胆管の開口部があって、それぞれ膵液と胆汁を腸管内へ送り込んでいます。

 胆嚢は肝臓で産生された胆汁を凝縮して蓄える器官で十二指腸に内容物が入ってくると収縮して腸管内に胆汁を送り込みます。

 肝臓は体内で最も大きい臓器であり、横隔膜の直下に位置し、胆汁を産生するほかに、栄養分の貯蔵、生体に有害な物質を無毒化、胆汁酸やホルモン等の生合成の出発物質となるコレステロール、フィブリノゲン等の血液凝固因子、アルブミン等、生命維持に必須な役割を果たす生体物質の産生、必須アミノ酸以外のアミノ酸の生合成を行います。

呼吸器に関する記述について、誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:呼吸を行うための器官系で鼻腔、咽頭、喉頭、気管、気管支、肺からなる。
  2. 2:鼻腔は吸入した空気と接触面積を広げ、効率よく適度な湿り気と温もりを与えて、乾燥した冷たい外気が流れ込むのを防いでいる。
  3. 3:咽頭は喉頭と気管の間にある軟骨に囲まれた円筒状の器官である。
  4. 4:咽頭の後壁にはリンパ組織が集まってできている扁桃がある。
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答え
3
<解説> 鼻の内側の空洞部分を鼻腔といいます。鼻腔の入り口にある鼻毛は空気中のちり、埃等を吸い込まないようにフィルターの役目を果たしています。鼻腔の内壁は粘膜で覆われた棚状の凹凸になっており、吸入された空気との接触面積を広げ、効率よく適度な湿り気と温もりを与えて、乾燥した冷たい外気が流れ込むのを防いでいます。鼻腔内に物理的又は化学的な刺激を受けると、反射的にくしゃみが起きて激しい呼気とともに刺激の原因物を排出しようとします。

 鼻腔の内壁には粘液分泌腺が多く分布し、鼻汁を分泌します。鼻汁にはリゾチームが含まれ、気道の防御機構の一つとなっています。

 咽頭は鼻腔と口腔につながっており、消化管と気道の両方に属します。喉頭は咽頭と気管の間にある軟骨に囲まれた円筒状の器官で、軟骨の突起した部分がいわゆる「のどぼとけ」で、咽頭は発声器としての役割もあり、咽頭上部にある声帯で呼気を振動させて声がでる仕組みになっています。

腎臓に関する記述について誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:腎臓には心臓から拍出される血液の1/5~1/4が流れている。
  2. 2:尿細管では原尿中のブドウ糖やアミノ酸等の栄養分及び血液の維持に必要な水分や電解質が再吸収される。
  3. 3:副腎皮質ホルモンのアルドステロンは体内にカリウムを貯留し、塩分と水分の排泄を促す作用がある。
  4. 4:副腎髄質では自律神経に作用するアドレナリンとノルアドレナリンが産生・分泌される。
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答え
3
<解説> 腎臓は横隔膜の下、背骨の左右両側に位置する一対の空豆状の臓器で、中央部のくびれた部分に尿管、動脈、静脈、リンパ管等がつながっています。

 腎臓に入る動脈は細かく枝分かれして、毛細血管が小さな球状になった糸球体を形成しています。糸球体の外側を袋状のボウマン嚢が包み込んでおり、これを腎小体といいます。ボウマン嚢から1本の尿細管が伸びて、腎小体と尿細管とで腎臓の基本的な機能単位(ネフロン)を構成しています。

 副腎は左右の腎臓の上部にそれぞれ付属し、皮質と髄質の2層構造となっています。副腎皮質では副腎皮質ホルモンが産生・分泌されます。副腎皮質ホルモンのひとつであるアルドステロンは、体内に塩分と水分を貯留し、カリウムの排泄を促す作用があり、電解質と水分の排出調節の役割を担っています。アルドステロンが過剰に分泌されると高血圧、むくみ、カリウム喪失などを生じます(アルドステロン症)。

 副腎髄質では自律神経に作用するアドレナリンとノルアドレナリンが産生・分泌されます。

次の中枢神経系の神経伝達物質で(   )の中にあてはまるものの正しい組み合わせを選びなさい。
(ただし、A:アドレナリン、NA:ノルアドレナリン、Ach:アセチルコリン と記す。)

交感神経の神経伝達物質は( a )、副交感神経の神経伝達物質は( b )、汗腺を支配する交感神経線維の末端では( c )が伝達物質として放出される。

  1. 1:(a)AとNA, (b)Ach, (c)A
  2. 2:(a)Ach, (b)AとNA, (c)Ach
  3. 3:(a)AとNA, (b)Ach, (c)Ach
  4. 4:(a)Ach, (b)AとNA, (c)A
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答え
3
<解説> 脳や脊髄から体の各部へと伸びている末梢神経は体制神経系と自律神経系に分類されます。自律神経系は交感神経系と副交感神経系からなります。概ね交感神経系は体が闘争や恐怖等の緊張状態に対応した体制をとるように働き、副交感神経系は体が食事や休憩等の安息状態となるように働きます。

 効果を及ぼす各臓器・器官に対して交感神経と副交感神経の二つの神経線維が支配していて、交感神経と副交感神経は互いに拮抗して働きます。

 交感神経系と副交感神経は、効果器それぞれの神経線維の末端から神経伝達物質を放出し、各効果器を作動させています。

交感神経の神経伝達物質はアドレナリンとノルアドレナリン、副交感神経の神経伝達物質はアセチルコリンです。ただし汗腺を支配する神経線維の末端では例外的にアセチルコリンが伝達物質として放出されています。

薬の吸収・代謝・分布・排泄に関する記述のうち正しいものを選びなさい。

  1. 1:坐薬の成分は直腸粘膜から吸収され、初めに肝臓の代謝を受けて全身を巡る。
  2. 2:吸収は主に小腸からなされるが、消化管の内容物によって吸収量や吸収速度の影響を受けることがある。
  3. 3:腸溶製剤は弱アルカリ性の状態で有効成分が溶出するように設計されている。
  4. 4:消化管からの吸収は薄い方から濃い方へ拡散することによって消化管にしみ込んでいく現象である。
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答え
2
<解説> 医薬品の中には吸収された有効成分が循環血液中に移行して全身を巡って薬効をもたらす全身作用と、特定の身体部位において薬効をもたらす局所作用とがあります。全身作用が現れるまでには摂取してからある程度時間を要しますが、局所作用は比較的速やかに反応が現れます。

 内服薬は有効成分が消化管で吸収された後、循環血液中に入って薬効をもたらす全身作用のものが殆どですが、膨潤性下剤、生菌製剤等のように有効成分が消化管内で作用する場合には局所作用といえます。消化管からの吸収は、消化管が積極的に医薬品を取り込むのではなく、濃い方から薄い方へ拡散していくことによって消化管にしみ込んでいく現象です。

 外用薬では多くの場合に適用部位に対する局所的な効果を目的としていますが、坐剤、経皮吸収製剤等のように内服以外の経路から薬が吸収され、循環血液中に入って全身作用をもたらすものもあります。

 坐剤や禁煙補助剤のように有効成分が粘膜から吸収される場合、これらの部位を通っている静脈は肝臓を経由しないため吸収されて循環血液中に入った成分は初めに肝臓で代謝を受けることなく全身を巡り、内服の場合よりも全身作用が速やかに現れます。

次の脾臓に関する記述の中で誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:血液中の古くなった赤血球の除去を行う。
  2. 2:免疫機能を担うリンパ球を蓄えている。
  3. 3:脾臓がとらえた老化した赤血球はマクロファージが貪食する。
  4. 4:脾臓は血液中の老廃物に様々な代謝を加え、無毒化・弱毒化し排泄しやすい形に変換する。
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答え
2
<解説> 脾臓は左上腹部に位置し、三角形に似た形をしています。上方は横隔膜に接し内側は左の腎臓と接しています。前方には胃があり、肋骨の下に隠れている為通常体表から触れることはできません。

 主な働きは脾臓内を流れる血液から古くなった赤血球を濾しとって処理することです。健康な赤血球には柔軟性があるので脾臓内の網目構造をすり抜けられますが、古くなって柔軟性が失われた赤血球は引っかかり、脾臓内の組織に存在するマクロファージによって破壊されます。

 又、骨髄で造血が始まるまでの胎生期には、脾臓で赤血球が作られ、生後はその機能は失われますが、大量出血や骨髄の機能が抑制された状態では再び脾臓での造血が行われることがあります。

 免疫機能により異物を除去するのはリンパ系の役割です。リンパ節の内部にはリンパ球やマクロファージが密集していて、リンパ液で運ばれてきた細菌やウイルス等はここで免疫反応によって排除されています。

中枢神経系と脳に関する記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:延髄では記憶、情動、意思決定の働きを担っている。
  2. 2:質量は全身の2%、酸素消費量は全身の20%、ブドウ糖消費量は全身の25%である。
  3. 3:脳のエネルギー源はグルコースである。
  4. 4:中枢神経系は脳と脊髄からなり延髄でつながっている。
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答え
1
<解説> 中枢神経系は脳と脊髄から構成されています。脳は頭の上部から下後方部にあり、記憶情動、意思決定等の働きを行っています。脳の下部には自律神経系、ホルモン分泌等の様々な調節機能を担っている部位があります。脳の質量は体重の2%でありながら、血液の循環量は心拍出量の約15%、酸素消費量は全身の約20%、ブドウ糖消費量は全身の約25%もあります。

 脳内には多くの血管が通っていますが、血液脳関門があり、末梢に比べて物質の透過に関する選択性が高く、血液中から脳の組織へ移行できる物質の種類は限られています。

 脳と脊髄は延髄でつながっていて、延髄には心拍数を調節する心臓中枢、呼吸を調節する呼吸中枢等があります。

 脊髄は脊椎の中にあり、脳と末梢の間で刺激を伝えるほか、脊髄反射と呼ばれる末梢からの刺激の一部に対して脳を介さずに刺激を返す場合があります。

次の膵臓に関する記述のうち誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:膵液は十二指腸内へ送られる。
  2. 2:膵液にはアミラーゼやトリプシン、リパーゼ等の消化酵素を含んでいる。
  3. 3:膵臓のランゲルハンス島A細胞からはインスリンが分泌される。
  4. 4:インスリンとグルカゴンによって血糖値が一定に調節されることになっている。
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答え
3
<解説> 膵臓は胃の後ろにある長さ15㎝位の臓器で、消化液を分泌する外分泌機能と、ホルモンを分泌する内分泌機能を持っています。

 膵液は水管を通して十二指腸内へ送られます。膵液には糖質を分解するアミラーゼ、蛋白質を分解するトリプシン、脂肪を分解するリパーゼなどの消化酵素、核酸の分解酵素を含んでいます。また膵臓のランゲルハンス島B細胞からインスリン、A細胞からグルカゴン、D細胞からソマトスタチン等のホルモンを分泌します。

 インスリンは血液中のブドウ糖をエネルギーにする作用があります。グルカゴンとともに血糖値のコントロールを行います。

ソマトスタチンは脳の視床下部や、消化管の内分泌細胞からも分泌されるホルモンで、下垂体からの成長ホルモンや胃液・胃酸の分泌抑制、インスリン及びグルカゴンの産生・分泌抑制機能があります。

肝臓の働きについて誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:血液中のグルコースをグリコーゲンに変えて貯蔵し、必要に応じて、グルコースに分解して血液中に戻す。
  2. 2:血液中から有害なアルコールや酸などを効率よく取り除いたり、有害なアンモニアを比較的無害な尿素に作り変えたりする。
  3. 3:アルブミンなど、体内環境を一定に保つ上で重要な蛋白質を合成し血液へ供給する。
  4. 4:脂肪の消化に必要なリパーゼを合成する。
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答え
4
<解説> リパーゼはアミラーゼやトリプシノーゲンとともに膵液の中に含まれています。 肝臓は体内で最も大きい臓器で、横隔膜の真下にあります。胆汁を産生するほかに、小腸で吸収されたブドウ糖は血液によって肝臓に運ばれてグリコーゲンとして蓄えられます。グリコーゲンはブドウ糖が重合してできた高分子多糖で、血糖値が下がったときなど、必要に応じてブドウ糖に分解されて血液中に放出されます。皮下組織等に蓄えられた脂質も一度肝臓に運ばれてからエネルギー源として利用可能な形に代謝されます。

 肝臓は生体で生成した滞留すると生体に有害な物質を、肝細胞内の酵素の働きで代謝して無毒化し、体外に排出されやすい形にします。例えばアルコールの場合、肝臓へと運ばれて一度アセトアルデヒドに代謝されたのちさらに代謝されて酢酸となります。アミノ酸が分解された場合等に生成するアンモニアも、肝臓において尿素へと代謝されます。

 胆汁酸やホルモン等の生合成の出発物質となるコレステロール、フィブリノゲンおよび、血液凝固因子、アルブミン、必須アミノ酸以外のアミノ酸など、生命維持に必須な役割を果たす種々の物質の生体物質が生合成されます。

血液についての記述で誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:血液は血漿と血球からなり、酸素や栄養分を全身の組織に供給し、二酸化炭素や老廃物を排泄器官へ運ぶ働きをする。
  2. 2:グロブリンは血液の浸透圧を保持する働きがある。
  3. 3:脂質は血漿中の蛋白質と結合してリポ蛋白質を形成し血漿中に分散している。
  4. 4:血液の粘稠性は主として血漿の水分量や赤血球の量で決まり、血中脂質量はほとんど影響を与えない。
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答え
2
<解説> 血液は血漿と血球からなり、酸素や栄養分を全身の組織に供給し、二酸化炭素や老廃物を排泄器官へ運ぶほか、ホルモンの運搬によって体内各所の器官・組織相互の連絡を図る役割があります。また、血液の循環によって、体内で発生した温熱が体表、肺、四肢の末端等に分配され、全身の温度をある程度均等に保つのに役立っています。

 血漿は90%以上が水分ですが、アルブミン、グロブリン等の蛋白質のほか微量の脂質、糖質、電解質を含んでいます。アルブミンは血液の浸透圧を保持する働きがあるほか、ホルモンや医薬品の成分等と複合体を形成してそれらが血液によって運ばれるときに代謝や排泄を受けにくくします。

 グロブリンはその多くが、免疫反応において、体内に侵入した細菌やウイルス等の異物を特異的に認識する抗体としての役割を担うため、そういったものは免疫グロブリンとも呼ばれています。脂質(中性脂肪、コレステロール等)は血漿中の蛋白質と結合してリポ蛋白質を形成し血漿中に分散していますが、血液の粘稠性は主として血漿の水分量や赤血球の量で決まり血中脂質量はほとんど影響を与えません。

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