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第27回:
“主な医薬品とその作用 Part4-(1)”は全部で10問です。
さぁ、やってみよう!
総合感冒薬の配合成分と配合目的に関する組み合わせのうち正しいものを一つ選びなさい。
- 1:トラネキサム酸 : くしゃみや鼻水を抑える
- 2:マレイン酸クロルフェニラミン : のどの痛みを抑える
- 3:エテンザミド : 解熱鎮痛成分
- 4:セミアルカリプロティナーゼ : 咳止め
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- 答え
- 3
解熱鎮痛成分としては、アスピリン、サリチルアミド、エテンザミド、アセトアミノフェン、イブプロフェン、イソプロピルアンチピリン等があり、気管・気管支を広げる成分としては塩酸メチルエフェドリンや塩酸プソイドエフェドリン等が、去痰成分としてはグアイフェヘシン、グアヤコールスルホン酸カリウム、塩酸ブロムヘキシン等が、鼻粘膜や喉の炎症による腫れを和らげることを目的として塩化リゾチーム、セミアルカリプロティナーゼ、トラネキサム酸、グリチルリチン酸二カリウム等が、鎮咳成分としてリン酸コデイン、臭化水素酸デキストロメトルファン、ノスカピン、ヒベンズ酸チペピジン等が、鎮静成分としてブロムワレリル尿素等が配合されていることがあります。
ブロムワレリル尿素、塩酸メチルエフェドリン、リン酸コデイン等が依存性のある成分であることも再確認しておきましょう。
解熱鎮痛薬の配合成分に関する記述について、誤っているものを一つ選びなさい。
- 1:アスピリン喘息はアスピリン特有の副作用ではない。
- 2:アセトアミノフェンは他の解熱鎮痛成分より胃腸障害が少ない。
- 3:化学的に合成された解熱鎮痛成分は、中枢でのプロスタグランジンの産生を抑え腎臓での水分の再吸収を抑え循環血流量を増やす。
- 4:胃腸のプロスタグランジン産生が抑制されると、胃酸と粘液分泌のバランスが崩れる。
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- 答え
- 3
アセトアミノフェンは中枢でのプロスタグランジン産生を抑制することで解熱鎮痛作用を示しますが、他の解熱鎮痛成分では、末梢での痛みや炎症反応に対して局所のプロスタグランジンの産生を抑えることでそれらを鎮める効果をもたらします。
プロスタグランジンには胃酸の分泌を調節する働きや、胃腸粘膜の保護に寄与する働きもあり、これらの働きが解熱鎮痛成分によって妨げられると胃酸の分泌が増し、また、胃壁の血流量が低下することにつながります。胃への影響を軽減するためにはなるべく空腹時の服用を避けることが必要です。まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)、皮膚粘膜眼症候群や中毒性皮膚壊死症、喘息を生じることがあります。喘息については、「アスピリン喘息」としてよく知られていますが、アスピリン特有の副作用ではなく、他の解熱鎮痛成分でも生じる可能性があります。
次のカフェインについての記述のうち誤っているものを一つ選びなさい。
- 1:カフェインは脳に軽い興奮状態を引き起こし、眠気や倦怠感を一時的に抑える作用がある。
- 2:胃液の分泌を抑えるため、胃潰瘍の診断を受けた人では服用を避ける必要がある。
- 3:心筋を興奮させる作用があるため、心臓病の診断を受けた人では服用を避ける必要がある。
- 4:腎臓での水分の再吸収を増加させ、膀胱括約筋を弛緩させるため尿量の増加をもたらす。
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- 答え
- 2
但し、胃液の分泌を亢進させる作用や心筋を興奮させる作用があるため、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の診断を受けた人や、心臓病の診断を受けた人では服用を避ける必要があります。
また、腎臓での水分の再吸収を抑制するとともに、膀胱括約筋を弛緩させる働きがあり、尿量を増加させます。
総合感冒薬に解熱鎮痛成分の鎮痛作用を高める効果を期待して、カフェイン、無水カフェイン、安息香酸ナトリウムカフェイン等が配合されることがあります。ただし、鎮静成分の作用による眠気が解消されるわけではなく、かぜ薬やアレルギー用薬などを使用したことによる眠気を抑えるために、眠気防止薬を使用するのは適切ではありません。
眠気防止薬におけるカフェインの1回摂取量はカフェインとして200㎎、1日摂取量では500mgが上限とされています。
総合感冒薬に配合される成分に関する記述のうち正しいものを一つ選びなさい。
- 1:鎮咳成分であるノスカピンには依存性がある。
- 2:塩化リゾチームは牛乳アレルギーのある人では避ける必要がある。
- 3:ブロメラインは鼻粘膜や喉の炎症を生じた組織を修復する作用がある。
- 4:イブプロフェンはアスピリンよりも胃腸障害が少ない。
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- 答え
- 4
塩化リゾチームは鼻粘膜や喉の炎症を生じた組織の修復に寄与するほか、痰の粘り気を弱め、また気道粘膜の繊毛運動を促進させて痰の排出を容易にします。医薬品の成分として用いられている塩化リゾチームは鶏卵の卵白から抽出した蛋白質であるため鶏卵アレルギーのある人では使用を避ける必要があります。
ブロメラインは蛋白質分解酵素で、体内で産生される炎症物質を分解する作用を示します。
イブプロフェンはアスピリン等に比べて胃腸への影響が少なく、抗炎症作用も示すことから、頭痛、咽頭痛、月経痛、腰痛等に使用されていますが、一般用医薬品では小児向けの製品はありません。
胃腸薬とその成分に関する記述について正しいものを一つ選びなさい。
- 1:炭水化物、脂質、蛋白質、繊維質等の分解に働く酵素を補うことを目的としてカルニチンが配合されている場合がある。
- 2:ゲンチアナはミカン科のキハダの樹皮を用いた生薬で、苦みによる健胃作用を期待して用いられる。
- 3:塩酸ピレンゼピンは消化管内容物中に発生した気泡の分離を促すことを目的として用いられる。
- 4:塩酸セトラキサートは体内で代謝されてトラネキサム酸を生じる。
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- 答え
- 4
制酸成分の中には炭酸水素ナトリウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、合成ヒドロサルタイト等、健胃成分の中には芳香性健胃薬としてオウレン、オウバク、センブリ、ゲンチアナ、リュウタン、ケイヒ等が、消化成分としてジアスターゼ、プロザイム、ニューラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ等、胃粘膜の炎症を和らげる成分として、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸ナトリウム等、消泡成分としてジメチルポリシロキサン(別名ジメチコン)が、胃液分泌抑制成分としてロートエキスや塩酸ピレンゼピンが配合されていることがあります。塩酸セトラキサートは胃粘膜保護・修復成分の一つですが、体内で代謝されてトラネキサム酸を生じることから血栓のある人、血栓を起こすおそれのある人では、使用の適否につき主治医に相談することが必要です。
マオウについての記述で誤っているものを選びなさい。
- 1:気管支を拡張させる作用がある。
- 2:発汗促進、尿量増加作用がある。
- 3:心機能を亢進させる作用がある。
- 4:血圧を下降させる作用がある。
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- 答え
- 4
一般的に心悸亢進や血圧上昇、血糖値上昇を招きやすく、中枢神経系に対する作用が他の成分に比べ強いとされています。また依存性があることにも注意が必要です。
漢方処方薬の麻黄湯はかぜのひき始めで、寒気がして発熱、頭痛があり、身体のふしぶしが痛い場合に適すとされていますが、胃腸の弱い人、発汗傾向の著しい人では、悪心、胃部不快感、発汗過多、全身脱力感等の副作用が現れやすい等不向きとされています。
次の医薬品成分の中で、牛乳アレルギーのある人では使用を避ける必要があるものを一つ選びなさい。
- 1:天然ケイ酸アルミニウム
- 2:塩化ベルベリン
- 3:次硝酸ビスマス
- 4:カゼイン
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- 答え
- 4
天然ケイ酸アルミニウムは吸着作用があり、胃及び腸管内における異常有害物質、過剰の水分又は粘液などを吸着し、除去します。その結果腸管内では収斂作用ひいては止瀉作用をあらわします。
次硝酸ビスマスは腸粘膜のたんぱく質と結合して不溶性の膜を形成し腸粘膜を引き締めることにより、腸粘膜を保護し炎症を鎮めます。
塩化ベルベリンは細菌感染による下痢の症状を鎮めることを目的として用いられますが、オウバクやオウレンの中に存在する物質の一つであり、抗菌作用のほか、抗炎症作用も併せ持つとされています。
次の駆虫薬に関する記述の中で誤っているものを選びなさい。
- 1:一般用医薬品の駆虫薬が対象とする寄生虫は回虫と条虫である。
- 2:駆虫薬とヒマシ油は併用を避ける必要がある。
- 3:サントニンは回虫の自発運動を抑える作用を示し、虫体を排便とともに排出させることを目的として用いられる。
- 4:駆虫薬を再度使用する場合には1ケ月以上間隔を置いて使用することが望ましい。
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- 答え
- 1
駆虫薬は腸管内に生息する虫体にのみ作用し、虫卵や腸管内以外に潜伏した幼虫(回虫の場合)には駆虫作用が及ばないため、それらが成虫となった頃に改めて使用しないと完全に駆除したことになりません。再度駆除を必要とする場合には、1か月以上間隔をおいてから使用することとされています。通常、衣食を共にする家族全員にその可能性があり、保健所等において、虫卵検査を受けて感染が確認された場合には、一緒に駆虫を図ることが基本となります。
駆虫した虫体や腸管内に残留する駆虫成分の排出を促すため瀉下薬が併用されることがありますが、ヒマシ油を使用すると駆虫成分が腸管内で吸収されやすくなり、副作用を生じる危険性が高まるためヒマシ油との併用は避ける必要があります。
浣腸薬に関する記述について正しいものを一つ選びなさい。
- 1:浣腸薬の剤型は直腸内に適用される注入剤(肛門から薬液を注入するもの)のみである。
- 2:浣腸薬は一般に直腸の急激な動きに刺激されて流産・早産を誘発することがある。
- 3:繰り返し使用しても、効果が弱くなることはない。
- 4:薬液を注入した後すぐ便意を催すので、排便を試みること。
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- 答え
- 2
便秘については、便秘になりやすい食生活等の生活習慣の改善が図られることが重要であり、浣腸薬の使用は一時的なものにしましょう。
浣腸薬は一般に流産・早産を誘発する恐れがあるため、妊婦又は妊娠している可能性のある女性では使用を避けることが望ましいとされています。
また薬液を注入した後すぐに排便を試みると、薬液のみが排出されて効果が十分得られないことから、便意が強まるまでしばらく我慢するようにします。
高コレステロール改善薬に関する記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
- 1:ポリエンホスファチジルコリンはコレステロールと結合して、代謝されやすいエステルを形成するとされ、肝臓におけるコレステロールの代謝を促すとされている。
- 2:リノール酸を含む植物油が配合されているものは悪心、胃部不快感等の副作用が現れることがある。
- 3:ソイステロールは末梢組織におけるコレステロール吸収を抑える働きがあるとされている。
- 4:ビタミンEは過酸化脂質と結合し、その代謝を促す作用を期待して用いられる。
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- 答え
- 4
高コレステロール改善成分としては大豆油不鹸化物のソイステロール、リノール酸、ポリエンホスファチジルコリン、パンテチン等がありいずれも脂溶性物質であるため、悪心、胃部不快感、胸やけ、下痢等の消化器系の副作用が現れることがあります。
ソイステロールは末梢組織におけるコレステロールの吸収を抑え、リノール酸やポリエンホスファチジルコリンは肝臓におけるコレステロールの代謝を促し、パンテチンはコレステロールの代謝を正常化し、LDLの分解を促し,HDLを増加させる効果を期待して用いられています。