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対策問題集

対策問題集

第17回:
“医薬品に共通する特性と基本的な知識 Part3”は全部で10問です。
さぁ、やってみよう!

医薬品に関する記述について誤っているものを選びなさい。

  1. 1:すべての医薬品は人体に取り込まれて効果を発揮する。
  2. 2:医薬品が人体に及ぼす作用は複雑かつ多岐にわたり、解明されていない部分もある。
  3. 3:医薬品は市販後にも、医学・薬学等の新たな知見、使用成績等に基づき、その有効性等の確認が行われている。
  4. 4:検査薬はその結果について正しい判断がなされなければ、医療機関を受診して適切な治療を受ける機会を失う恐れがあり、人の健康に影響を与えるものと考えられる。
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答え
1
<解説> 医薬品は多くの場合は人体に取り込まれて作用し、効果を発現させるものです。しかし医薬品が人体に及ぼす作用は複雑かつ多岐にわたり、そのすべてが解明されていないため、必ずしも期待される有益な効果のみをもたらすとは限らず、好ましくない反応を生じることもあります。

 人体に対して使用されない医薬品であっても、例えば、殺虫剤の中には誤って人体がそれに曝されれば健康を害する恐れがあるものもあり、検査薬は検査結果について正しい解釈や判断がなされなければ医療機関を受診して適切な治療を受ける機会を失うなど人の健康に影響を与えるものと考えられています。

医薬品の保管に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。

  1. 1:医薬品は、適切な保管・陳列がなされれば、経時変化による品質の劣化は起こらない。
  2. 2:医薬品に表示されている「使用期限」は、開封後に品質が保証される期限のことである。
  3. 3:医薬品の有効成分には、高温や多湿等によって品質の劣化をおこすものがあるが、添加物成分については考慮しなくてもよい。
  4. 4:一般用医薬品は購入後すぐに使用されるとは限らないため、使用期限が十分に残っている製品を販売することが望ましい。
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答え
4
<解説> 医薬品は高い水準で均一な品質が保証されていなければならないが、配合されている成分(有効成分及び添加物成分)には、高温や多湿、光(紫外線)等によって品質の劣化(変質・変敗)を起こしやすいものが多く、適切な保管陳列がなされなければ、医薬品の効き目が低下したり、人体に好ましくない作用をもたらす物質を生じることがあります。

 ただし、医薬品は適切な保管・陳列がなされたとしても、経時変化における品質の劣化は避けられません。一般用医薬品では、薬局又は店舗販売業において購入された後、すぐに使用されるとは限らず、家庭における常備薬として購入されることも多いことから、外箱等に記載されている使用期限から十分な余裕をもって販売等がなされることも重要です。

一般用医薬品の役割に関する記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:健康状態の自己検査
  2. 2:生活習慣病等の疾病に伴う症状発現の予防
  3. 3:健康の維持・増進
  4. 4:軽度な疾病の治療
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答え
4
<解説> 一般用医薬品は薬事法上「医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものであって、薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされているもの」と定義されているように、主として軽医療の分野で使用されるものです。

 その役割としては、①軽度な疾病に伴う症状の改善、②生活習慣病等の疾病に伴う症状発現の予防、③生活の質の改善・向上、④健康状態の自己検査、⑤健康の維持・増進、⑥その他保健衛生(衛生害虫の防除、殺菌消毒等)の6項目があり、医療機関で治療を受けるほどではない体調の不調や疾病の初期段階、あるいは日常において、生活者が自らの疾病の診断、治療若しくは予防又は生活の質の改善・向上を図ることを目的としています。

医薬品の相互作用に関する記述のうち誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:酒類をよく摂取する人が医薬品を使用すると、通常の人より代謝が速くなり、作用が十分得られなくなることがある。
  2. 2:かぜ薬、解熱鎮痛薬、鎮静薬、鎮咳去痰薬、アレルギー用薬等では、成分や作用が重複することが多く、通常、これらの薬効群に属する医薬品の併用は避けることとされている。
  3. 3:医薬品と食品の相互作用は、ほとんど考えなくてもよい
  4. 4:複数の医薬品を併用した場合や、特定の食品と一緒に摂取した場合に、医薬品の作用が増強したり、減弱したりすることを相互作用という。
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答え
3
<解説> 一般用医薬品は一つの医薬品の中に作用の異なる複数の成分を組み合わせて含んでいることが多く、他の医薬品と併用した場合に、同様な作用を持つ成分が重複することがあり、これにより、作用が強く出過ぎたり、副作用を招く危険性が増すことがあります。例えばかぜ薬、解熱鎮痛薬、鎮静薬、鎮咳去痰薬、アレルギー用薬等では成分が重複することが多く、通常これらの薬効群に属する医薬品の併用は避けることとされています。

 相互作用には医薬品が吸収、代謝、分布又は排泄される過程で起こるものと、医薬品が薬理作用をもたらす部位において起こるものがありますが、相互作用を回避するには、その医薬品と相互作用を生じるおそれのある医薬品や食品の摂取を控えなければならないのが通常です。

セルフメディケーションに関する記述における(   )の中にあてはまる字句として正しいものの組み合わせを選びなさい。

セルフメディケーションの主役は( a )であり、( b )によるとセルフメディケーションとは「自分自身の健康に( c )を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てする」こととされている。

  1. 1:(a)薬剤師や登録販売者, (b)世界保健機関, (c)責任
  2. 2:(a)一般の生活者, (b)世界保健機関, (c)責任
  3. 3:(a)薬剤師や登録販売者, (b)厚生労働省, (c)関心
  4. 4:(a)一般の生活者, (b)厚生労働省, (c)責任
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答え
2
<解説> 世界保健機関(WHO)によれば、セルフメディケーションとは、『自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てする』こととされています。一般用医薬品の利用のほか、食事と栄養バランス、睡眠・休養、運動、禁煙等の生活習慣の改善を含めた健康維持・増進全般について『セルフメディケーション』という場合もあります。

 セルフメディケーションの主役は一般の生活者であることから、一般用医薬品の販売に従事する専門家においては、購入者等に対して常に科学的な根拠に基づいた正確な情報提供を行い、セルフメディケーションを適切に支援していくことが期待されています。したがって、情報提供は必ずしも医薬品の販売に結び付けるのではなく、医療機関の受診を勧めたり、医薬品の使用によらない対処を勧めることが適切な場合があることにも、留意する必要があります。

小児及び乳幼児に関する記述のうち、正しいものを選びなさい。

  1. 1:登録販売者は必ず年齢に応じた用法用量が定められている一般用医薬品を使用するよう、保護者等に対して説明する必要がある。
  2. 2:乳幼児については病気の状態が変わりやすいので、医療機関に連れて行くよりも、一般用医薬品により対処することが重要である。
  3. 3:一般用医薬品を乳幼児が誤飲、誤用したという相談があった場合すぐに吐かせるか、大量の水を飲ませ、そのまま様子を見るよう説明する事。
  4. 4:錠剤、カプセル剤は7歳未満の幼児に使用される場合、服用時に喉につかえやすいので注意するよう添付文書に記載されている。
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答え
1
<解説> 安全性の観点から小児への使用を避けることとされている医薬品の販売に際しては、購入者から状況を聞いて想定される使用者の把握に努め、積極的な情報収集が必要です。また、保護者に対して、成人用の医薬品の量を減らして小児へ与えるようなことはせず、必ず年齢に応じた用法用量が定められているものを使用するよう説明をします。

 又、乳児は状態が急変しやすく、一般用医薬品の使用の適否が見極めにくいため、基本的には医師の診療を受けることが優先され、一般用医薬品による対処は最小限にとどめることが大切です。

 誤飲・誤用事故の場合には、通常の使用状況から著しく異なるため想定しがたい事態につながるおそれがあります。このような場合には一般用医薬品であっても高度に専門的判断が必要となることが多いので、応急処置等について関係機関の専門家に相談し又は様子がおかしいようであれば医療機関に連れて行くなどの対応がなされることが重要です。

販売時のコミュニケーションに関する記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:医薬品の販売に際しては、購入者と会話しやすい雰囲気づくりに努め、購入者が医薬品を使用する状況について自らの意志で伝えてもらえるよう促していくことが重要である。
  2. 2:医薬品の販売に際して、現に症状のある本人が購入しようとしている場合は、その人の言葉だけでなく、その人の状態や様子全般から得られる状況も重要である。
  3. 3:医薬品の販売に際しては、購入者側が情報提供を受けようとする意識が乏しい場合は、それなりの対応でよい。
  4. 4:医薬品の適正使用のための情報について、購入者から求めがあれば、添付文書や製品表示に記載があっても、説明をする必要がある。
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答え
3
<解説> 販売時の情報提供は購入者等のセルフメディケーションについて、医薬関係者の一員として共に取り組むという姿勢で臨むことが重要であり、そのためのコミュニケーションは、セルフメディケーションの主役たる生活者と医薬品の販売等に従事する専門家との共同作業です。しかし、購入者自身、何を期待して医薬品を購入するのか漠然としている場合や、購入者側に情報提供を受けようとする意識が乏しく、コミュニケーションが成立しがたい場合もありますが、医薬品の販売等に従事する専門家は、そうした場合であっても、購入者から医薬品の使用状況に斯かる情報をできる限り引出し、可能な限りコミュニケーション技術を身につける必要があります。

サリドマイドに関する記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

  1. 1:サリドマイド製剤は整腸剤として販売されていた。
  2. 2:妊娠している女性がサリドマイドを摂取すると、胎盤を通じて胎児に移行し、胎児に四肢欠損、視聴覚等の感覚器や心肺機能の障害等の先天異常が発生することがある。
  3. 3:先天異常の原因となる血管新生を妨げる作用は、サリドマイド光学異性体のうちR体のみが有する作用である。
  4. 4:サリドマイドによる薬害事件は日本のみで起こり世界的には問題とはならなかった。
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答え
2
<解説> サリドマイドは催眠鎮静剤として承認されていました。また、その鎮静作用を目的として胃腸薬にも配合されていましたが、副作用として血管新生を妨げる作用がありました。

 妊娠している女性が摂取した場合、サリドマイドは胎盤関門を通過して胎児に移行し、その結果、器官が十分に成長しないことから、四肢欠損、視聴覚等の感覚器や心肺機能の障害等の先天異常が発生しました。

血管新生を妨げる作用は、サリドマイドの光学異性体のうち、一方の異性体(S体)のみが有する作用であり、もう一方の異性体(R体)にはなく、又鎮静作用はR体のみが有するとされています。しかしサリドマイドが摂取されるとR体とS体は体内で相互に転換するため、R体のサリドマイドを分離して製剤化しても催奇形性は避けられません。

 サリドマイドによる薬害事件は我が国のみならず、世界的にも問題になったため、WHO加盟国を中心に市販後の副作用情報収集の重要性が改めて認識され、各国における副作用情報収集の体制の整備が図られることとなりました。

登録販売者の対応に関する記述について誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:高齢者に対し、医薬品の取り違えの防止のため、医薬品使用時は家族や介護者に確認してもらうなどの対応を薦めた。
  2. 2:高齢者には医薬品の販売時の説明では理解してもらえないことが多いため、本人には説明を行わず、服用時に家族や介護者から説明を受けるように薦めた。
  3. 3:医療機関で治療を受けている人が、一般用医薬品を使用する際、かかりつけの医師に相談してから使用するように伝えた。
  4. 4:一般用医薬品を購入しようとする人に、その医薬品を使用する人は誰であるかを尋ねた。
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答え
2
<解説> 購入者が適切な医薬品を選択し、実際にその医薬品を使用する人が必要な注意を払って適正に使用していくためには、医薬品の販売に従事する専門家が、可能な限り、購入者側の個々の状況の把握に努めることが重要となります。一般用医薬品の場合必ずしも情報提供を受けた人が医薬品を使用するとは限らないため、販売時のコミュニケーションを考える必要があります。高齢者であるからといって説明を行わないのはよくありません。

 医薬品の販売等に従事する専門家が購入者から確認しておきたい基本的なポイントとして次の事項を再確認しておきましょう。①何のために購入しようとしているか、②その医薬品を使用する人は誰か、③使用する人は小児や高齢者、妊婦等が想定されるか、④その医薬品を使用する人が医療機関で治療を受けていないか、⑤その医薬品を使用する人が過去にアレルギーや医薬品による副作用等の経験があるか、⑥その医薬品を使用する人が相互作用や飲み合わせで問題を生じるおそれのある他の医薬品や食品を摂取していないか。

 こうした購入者側の状況を把握するには医薬品の販売等に従事する専門家から購入者に尋ねることが少なくありませんが、会話しやすい雰囲気づくりに努め、医薬品を使用する状況等について自らの意志で伝えてもらえるよう促していくことが重要です。

次の小児に関する記述のうち、誤っているものを選びなさい。

  1. 1:小児は大人と比べて体の大きさに対して腸が長い。
  2. 2:服用した医薬品の吸収率は大人ほど高くない。
  3. 3:吸収されて循環血液中に移行した成分は脳に達しやすい。
  4. 4:中枢神経系に影響を与える医薬品では副作用を起こしやすい。
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答え
2
<解説> 小児は大人と比べて身体の大きさに対して腸が長く、医薬品もよく吸収されます。また、吸収されて循環血液中に移行した医薬品の成分が脳に達しやすいため、中枢神経系に影響を与える医薬品で副作用を起こすことがよくあります。加えて肝臓や腎臓の機能が未発達であるため、医薬品の成分の代謝・排泄に時間がかかり、作用が強く出過ぎたり、副作用がより強く出ることがあります。

 その他、医薬品の販売に従事する専門家においては、小児に対して使用した場合に副作用等が発生する危険性が高まることが知られ、安全性の観点から小児への使用を避けることとされている医薬品の販売等に際しては、購入者等から状況を聞いて、想定される使用者の把握に努めるなど、積極的な情報収集とそれに基づく情報提供が重要となります。

 また、乳児向けの用法用量が設定されている医薬品であっても、乳児は医薬品の影響を受けやすく、又状態が急変しやすく、一般用医薬品の適否が見極めにくいため、基本的には医師の診療を受けることが優先されます。

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