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対策問題集

対策問題集

第18回:
“人体の働きと医薬品 Part3”は全部で10問です。
さぁ、やってみよう!

胆嚢、肝臓の働きに関する次の記述について誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:肝臓には栄養分を代謝したり貯蔵したりする働きがあり、小腸で吸収されたブドウ糖は、血液によって肝臓に運ばれてグリコーゲンとして蓄えられる。
  2. 2:胆嚢は胆汁を産生し、凝縮して蓄える器官である。
  3. 3:胆汁に含まれる胆汁酸塩は、脂質の消化を容易にし、又脂溶性ビタミンの吸収を助ける。
  4. 4:胆汁には古くなった赤血球や過剰のコレステロールを排出する役割がある。
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答え
2
<解説> 胆嚢は肝臓で産生された胆汁を凝縮して蓄える器官で、十二指腸に内容物が入ってくると収縮して腸管内に胆汁を送り込みます。

 胆汁に含まれる胆汁酸塩(コール酸、デオキシコール酸等の塩類)は、脂質の消化を容易にし、また、脂溶性ビタミンの吸収を助けます。腸内に放出された胆汁酸塩の大部分は、小腸で再吸収されて、肝臓に戻されます(腸肝循環)。

 胆汁には古くなった赤血球や過剰のコレステロール等を排出する役割もあります。胆汁に含まれるビリルビン(胆汁色素)は、赤血球中のヘモグロビンが分解されて生じた老廃物で、腸管内に排出されたビリルビンは腸管内に生息する常在細菌によって代謝されて、糞便を茶褐色にする色素となります。

心臓に関する記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

  1. 1:心臓は平滑筋でできた握りこぶし大の袋状の臓器である。
  2. 2:心室には血液を取り込む側と送り出す側にそれぞれ弁があり、拍動と協調して交互に開閉する。
  3. 3:心臓の内部は上部左右の心室、下部左右の心房の4つの空洞に分かれている。
  4. 4:心臓の左側部分(左心房、左心室)は全身から集まってきた血液を肺へ送り出す。
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答え
2
<解説> 心臓は心筋でできた握りこぶし大の袋状の臓器で、胸骨の真下に位置しています。血液は心臓がポンプの働きをすることで循環しています。

 心臓の内部は上部左右の心房、下部左右の心室の4つの空洞に分かれています。心房で血液を集めて心室に送り、心室から血液を拍出しています。その際血液が確実に一方向に流れるよう、心室には血液を取り込む側と送り出す側にそれぞれ弁があり、拍動と協調して交互に開閉します。心臓の右側部分(右心房、右心室)は、全身から集まってきた血液を肺へ送り出し、肺でガス交換が行われた血液は心臓の左側部分(左心房、左心室)に入り、そこから全身に送り出されます。

次の記述は肺に関するものである。(   )にあてはまる正しい字句を選びなさい。

肺の内部で気管支が細かく枝分かれし、末端はブドウの房のような構造となっており、その球状の袋部分を(   )という。その壁は非常に薄くできていて、周囲を毛細血管が網のように取り囲んでいる。

  1. 1:間質
  2. 2:肺胞
  3. 3:ネフロン
  4. 4:胸腔
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答え
2
<解説> 肺は胸部の左右両側に1対あります。肺自体には肺を動かす筋組織がないため、自力で膨らんだり縮んだりするのではなく、横隔膜や肋間筋によって拡張・収縮して呼吸運動が行われています。

 肺の内部では気管支が細かく枝分かれし、末端はブドウの房のような構造となっており、その球状の部分を肺胞といいます。肺胞と毛細血管を取り囲んで支持している組織を間質といいます。

 肺胞の壁を介して、心臓から送られてくる血液から二酸化炭素が肺胞気中に拡散し、代わりに酸素が血液中の赤血球に取り込まれるガス交換が行われます。肺胞気中の二酸化炭素は呼気に交じって排出されます。

目に関する記述について誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:網膜にある視細胞が光を感じる反応には、ビタミンAが不可欠であり、ビタミンAが不足すると夜間視力の低下(夜盲症)を生じる。
  2. 2:睡眠中は涙液の分泌が多く、老廃物が滞留して目脂が増える。
  3. 3:水晶体は近くの物を見るときには丸く厚みが増し、遠くの物を見るときには扁平になる。
  4. 4:眼精疲労とはストレスや睡眠不足などの要因によって、慢性的な目の疲れに肩こり、頭痛等の全身症状を伴うものをいう。
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答え
2
<解説> 涙液の主な働きとして

①ゴミや埃等の異物や刺激性の化学物質が目に入ったときにそれらを洗い流す。
②角膜に酸素や栄養分を供給する。
③角膜や結膜で生じた老廃物を洗い流す。
④目が鮮明な視覚情報を得られるよう角膜表面を滑らかに保つ。
⑤リゾチーム、免疫グロブリン等を含み、角膜や結膜を感染から防御する。

等があります。涙液は起きている間は絶えず分泌されていて、目頭の内側にある小さな穴(涙点)から涙道に流れ込んでいます。涙液分泌がほとんどない睡眠中や涙液の働きが悪くなったときには滞留した老廃物に粘液や脂分が混じって眼脂(目やに)となります。

皮膚粘膜症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群。以下「SJS」という。)、中毒性表皮壊死症(ライエル症候群。以下「TEN」という。)に関する記述について誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:SJSとTENはともに原因と考えられる医薬品の服用後2週間以内に発症することが多い。
  2. 2:SJSは高熱(38℃以上)を伴って、発疹・発赤、火傷様の水疱等の激しい症状が、比較的短期間に全身の皮膚、口、目の粘膜に現れる病態である。
  3. 3:現在ではSJSの発症機序が明確にされており、治療方法も確立されている。
  4. 4:TENはSJSと関連のある病態と考えられており,TENの症例の多くがSJSの進展型とみられる。
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答え
3
<解説> SJSは高熱を伴って発疹・発赤、火傷様の水疱等の激しい症状が比較的短期間に全身の皮膚、口、目の粘膜に現れる病態です。発生頻度は人口100万人当たり年間1~6人と報告されていますが、現状では発症機序の詳細は明確にされておらず、また、関連があるとされる医薬品の種類も多いため発症を予測することは困難な状態です。

 TENはSJSと関連のある病態と考えられていて、TENの症例の多くがSJSの進展型とみられています。発生頻度は人口100万人当たり0.4~1.2人と報告されていますが、SJSと同様、発症機序は明確にされておらず、発症を予測することは困難です。

 SJSもTENも発生は非常にまれですが、いったん発症すると、皮膚症状が軽快した後も目や呼吸器等に障害が残ったり、多臓器障害の合併症等により、致命的な転帰をたどることがある重篤な皮膚疾患です。

剤型に関する記述について誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:クリーム剤は一般的に適用部位を水から遮断する場合等に用いられることが多い。
  2. 2:噴霧剤は有効成分(薬液)を霧状にする等して局所に吹き付ける剤型であり、手指等では塗りにくい部位に用いる場合等に適している。
  3. 3:チュアブル錠は口の中で舐めたり噛み砕いたりして服用する剤型であり、水なしでも服用できる。
  4. 4:口腔内崩壊錠は、口の中で唾液によって比較的速やかに溶けるため、固形物を飲み込むことが困難な高齢者であっても服用できる。
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答え
1
<解説> 外用局所に適用する剤型として軟膏剤、クリーム剤、液剤(外用)、貼付剤、噴霧剤等があります。

 軟膏剤とクリーム剤は有効成分が適用部位に止まりやすいことが特長です。一般的には適用部位を自ら遮断する場合等には軟膏剤を用い、水で洗い流しやすくする場合等ではクリーム剤を用います。

 液状の剤型のうち外用として局所に用いる液剤は、適用した表面が乾きやすいという特徴があります。

 貼付剤は皮膚に粘着させて用いますが、適用した部位に有効成分が一定期間留まるため、薬効の持続が期待できる反面、かぶれなどが生じることもあります。

 噴霧剤は有効成分を霧状にするなどして、局所に吹き付ける剤型ですが、手指等では塗りにくい部位や、比較的広範な部位に適用する場合にも用いられます。

 口腔に用いる錠剤として、口腔内崩壊錠、チュアブル錠、トローチ、ドロップがあります。口腔内崩壊錠は口の中で唾液によって比較的速やかに溶けるため、水なしでも服用することも可能で、固形物を飲み込むことが困難な高齢者や乳幼児も、口の中で溶かした後に唾液と一緒に飲み込むことができます。

医薬品の使用により生じるアナフィラキシー様症状として誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:顔面蒼白
  2. 2:手足のしびれ
  3. 3:浮腫
  4. 4:口渇
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答え
4
<解説> アナフィラキシーは医薬品の成分に対する即時型の過敏反応(アレルギー)です。発生頻度は低いけれども、以前にその医薬品の使用によって蕁麻疹等のアレルギーを起こしたことがある人で起きるリスクが高いとされています。

 顔や上半身の紅潮・熱感、皮膚の痒み、蕁麻疹、口唇や舌・手足のしびれ感、むくみ(浮腫)、吐き気、顔面蒼白、手足が冷たくなる、冷や汗、息苦しさ・胸苦しさなどの症状が突如現れ、発症すると急速に症状が進行してチアノーゼや呼吸困難を生じ、適切な対応が遅れれば致命的な転帰をたどるおそれがあります。

 アナフィラキシー様症状は、初めて使用した医薬品で起きる場合等、その原因がアレルギーかどうかはっきりしない時の呼称です。ショック(アナフィラキシー)と同様の症状が現れ、その対応においても違いはありません。

次のカプセル剤についての記述で(   )内にあてはまる字句を一つ選びなさい。
なお、2つの(   )には同じ字句が入ります。

カプセルの原材料として広く用いられている(   )はブタ等の蛋白質であるためアレルギーを持つ人では使用を避けるなどの注意が必要である。また水なしで服用すると(   )が喉や食道に貼り付くことがあるため、注意が必要である。

  1. 1:ゼラチン
  2. 2:セルロース
  3. 3:ケラチン
  4. 4:コラーゲン
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答え
1
<解説> カプセル剤は、カプセル内に散剤や顆粒剤、液剤などを充填などした剤型で、内服用の医薬品として広く用いられています。固形製剤であるため、その特長はほぼ錠剤と同様です。

 カプセルの原材料として広く用いられているゼラチンはブタなどの蛋白質にアレルギーを持つ人では使用を避けるなどの対応が必要です。また、水なしで服用するとゼラチンが喉や食道に貼り付くことがあるため、注意しましょう。

 カプセルのサイズは8種類、大きい順に000号、00号、0号、1号、2号、3号、4号、5号となっていて、数字が大きくなると逆にサイズは小さくなっていきます。

 ゼラチンにアレルギーのある人等には植物性カプセル(セルロースカプセル)もあります。

皮膚に現れる副作用に関する記述のうち誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:医薬品を使用した後に発疹・発赤等の症状が現れた場合には、まず薬疹の可能性が考慮される。
  2. 2:接触性皮膚炎は原因となった医薬品との接触がなくなれば、通常は1週間程度で症状は治まり、再度その医薬品と接触しても再発することはない。
  3. 3:接触性皮膚炎の症状が現れたときは、重篤な症状への移行を防止するため、原因と考えられる医薬品の使用を中止する必要がある。
  4. 4:光線過敏症の症状は医薬品がふれた部分だけでなく、光が当たった部分の皮膚から全身へ広がり、重篤化する場合がある。
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答え
2
<解説> 化学物質、金属等による皮膚刺激に対して皮膚が敏感に反応して強いかゆみを伴う発疹・発赤、腫れ、刺激感、水疱・ただれ等の激しい炎症症状(接触皮膚炎)が起きたり、色素沈着や白斑を生じることもあります。一般に「かぶれ」と呼ばれる日常的な疾患ですが、外用薬の使用が原因で生じることもあります。

 接触性皮膚炎は触れた部分の皮膚にのみ生じ、正常な皮膚との境目がはっきりしているのが特徴です。

 光線過敏症の症状は、医薬品が触れた部分だけではなく、光が当たった部分の皮膚から全身へ広がり重篤化する場合があります。また、貼付剤では剥がした後でも発症することがあり、原因と考えられる医薬品の使用を中止して、皮膚に医薬品が残らないように洗い流し、患部を遮光して速やかに医師の診察を受ける必要があります。

唾液に関する記述について誤っているものを選びなさい。

  1. 1:食物を湿潤させて、かみ砕きやすくする。
  2. 2:でんぷんを分解する消化酵素が含まれている。
  3. 3:殺菌・抗菌物質を含んでいる。
  4. 4:口腔内のpHをアルカリ性に保ち、酸による歯の齲蝕を防いでいる。
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答え
4
<解説> 唾液は食物を湿潤させてかみ砕きやすくし、また咀嚼物を滑らかにして嚥下を容易にします。また、唾液にはデンプンをデキストリンや麦芽糖に分解する消化酵素(プチアリン。唾液アミラーゼともいう)が含まれています。唾液は味覚の形成にも重要な役割を持ちます。

 唾液にはリゾチーム等の殺菌・抗菌物質が存在し、口腔粘膜の保護・洗浄、殺菌等の作用もあります。リゾチームは唾液以外に鼻汁や涙液にも含まれていて、細菌の細胞壁を分解する酵素作用のほか、消炎作用などもあり、生体防御因子として働きます。

又、唾液は口腔内のpHをほぼ中性に保ち、酸による歯の齲蝕を防いでいます。

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