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対策問題集

対策問題集

第19回:
“主な医薬品とその作用 Part3-(1)”は全部で10問です。
さぁ、やってみよう!

かぜの発症と諸症状に関する記述について誤っているものを1つ選びなさい。

  1. 1:かぜとよく似た症状が現れる疾患は喘息、アレルギー性鼻炎、リウマチ熱、関節リウマチ等がある。
  2. 2:かぜであるからといって必ずしもかぜ薬(総合感冒薬)が選択されるのが最適とは限らない。
  3. 3:インフルエンザはウイルスの呼吸器感染によるものでかぜの一種として扱われる。
  4. 4:かぜ薬はウイルスの増殖を抑えたり、体内から取り除く作用はない。
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答え
3
<解説> かぜの症状はくしゃみ、鼻汁・鼻閉、咽頭痛、咳、痰等の呼吸器症状、発熱、頭痛、関節痛、全身倦怠感等の全身症状が様々に組み合わさって現れます。かぜは単一の疾患ではなく、医学的にはかぜ症候群といいます。主にウイルスが鼻やのどなどに感染しておこる様々な症状の総称で、通常は数日から1週間程度で自然寛解します。

 インフルエンザ(流行性感冒)はかぜと同様、ウイルスの呼吸器感染によるものですが、感染力が強く、重症化しやすいため、かぜとは区別して扱われます。

 かぜの症状は生体にもともと備わっている免疫機構によってウイルスが排除されれば自然に治ります。したがって、安静にして休養し、栄養・水分を十分に摂ることが大切です。
かぜ薬はウイルスの増殖を抑えたり体内から取り除いたりするものではなく、咳で眠れなかったり、発熱で体力を消耗しそうな時などに、それらの諸症状の緩和を図るものです。
そのため、かぜであるからといって必ずしもかぜ薬(総合感冒薬)が選択されるのが最適ではなく、発熱、鼻水、咳など症状がはっきりしている場合には、解熱鎮痛薬、鼻炎用内服薬、鎮咳去痰薬などを選択しましょう。

アセトアミノフェンに関する記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:一般用医薬品の中に大人向けの製品はない。
  2. 2:主として中枢性の作用によって解熱・鎮痛作用をもたらすと考えられている。
  3. 3:抗炎症作用は期待できない。
  4. 4:重篤な副作用として肝機能障害を生じることがある。
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答え
1
<解説> アセトアミノフェンは大人にも子供にも使用します。主として中枢性の作用によって解熱・鎮痛をもたらすと考えられていて、抗炎症作用は期待できませんが、他の解熱鎮痛成分のような胃腸障害をもたらすことは少なく、空腹時に使用できる製品もあります。

 まれに重篤な副作用として肝機能障害を生じることがあり、特に定められた用量を超えて使用した場合や、日頃から酒類をよく摂取する人は肝機能障害を起こしやすいと考えられています。

 アセトアミノフェンは内服薬のほか、専ら小児の解熱に用いる製品としてアセトアミノフェンが配合された坐薬もあります。一般の生活者においては、坐薬と内服薬とでは影響し合わないと謝った認識がされている場合があり、解熱鎮痛薬や風邪薬と併用されることがないように注意が必要です。

次の医薬品成分のうち一般用医薬品のACE処方と呼ばれる処方に含まれている成分を選びなさい。

  1. 1:アスピリン
  2. 2:カフェイン
  3. 3:サリチルアミド
  4. 4:塩酸メチルエフェドリン
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答え
2
<解説> アスピリン、サザピリン、エテンザミド、サリチルアミド等を総称してサリチル酸系解熱鎮痛成分といいます。アスピリンは他の解熱鎮痛成分に比べて胃腸障害が起こりやすいとされ、アスピリンアルミニウムとして胃粘膜への刺激を減弱させる製品もあります。

ACE処方はアセトアミノフェン、カフェイン、エテンザミドを組み合わせたものです。 アセトアミノフェンは中枢性の作用により解熱鎮痛を発揮し、エテンザミドは痛みの発生を抑える働きが中心である他の解熱鎮痛成分に比べ、痛みの伝わり方を抑える働きが優位であるとされています。また、カフェインは解熱鎮痛成分の鎮痛作用を助ける働きがあると考えられています。こうした作用の違いによる効果を期待して一般用医薬品にはよく用いられています。

鎮暈薬(乗物酔い防止薬)とその成分に関する記述について誤っているものを選びなさい。

  1. 1:塩酸ジフェニドールは延髄にある嘔吐中枢への刺激や内耳の前庭における自律神経反射を抑える作用を示す。
  2. 2:抗ヒスタミン成分は抗コリン作用を示すものも多く、乗り物酔いによるめまい、吐き気等の防止・緩和に寄与すると考えられている。
  3. 3:乗り物の運転操作をするときは乗り物酔い防止薬の使用を控える必要がある。
  4. 4:プロメタジンを含む成分については、15歳未満の使用を避けること。
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答え
1
<解説> めまい(眩暈)は体の平衡を感知して、保持する機能(平衡機能)に異常が生じて起こる症状であり、内耳にある平衡器官の障害や中枢神経系の障害など、様々な要因により引き起こされます。

 乗物酔い防止薬は、乗物酔い(動揺病)による頭痛を防止し、緩和することを目的としています。主な配合成分の中に、抗めまい成分で内耳にある前庭と脳を結ぶ神経の調節作用のほか内耳への血流を改善する作用を示す塩酸ジフェニドールや、延髄にある嘔吐中枢への刺激や内耳の前庭における自律神経反射を抑える抗ヒスタミン成分(ジメンヒドリナート、塩酸メクリジン等)、抗コリン成分(臭化水素酸スコポラミン等)、鎮静成分(ブロムワレリル尿素)、中枢神経を興奮させて平衡感覚の混乱によるめまいを軽減させる成分(カフェイン、ジプロフィリン等)等が配合されています。その他、胃粘膜への麻酔作用によって嘔吐刺激を和らげる安息香酸エチルのような局所麻酔成分が配合されている場合もありますが、6歳未満の小児へは使用を避ける必要があります。

腸に作用する医薬品に関する記述について誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:瀉下薬は、便秘症状及び便秘に伴う肌荒れ、頭重、のぼせ、吹き出物、食欲不振、腹部膨満も改善する。
  2. 2:止瀉薬は下痢、食あたり、吐き下し、水あたり、軟便等に用いられる。
  3. 3:下痢が起こる要因としては体の冷えや消化不良、細菌やウイルス等の消化器感染のみである。
  4. 4:マレイン酸トリメブチンは消化管の平滑筋を支配している自律神経に働いて消化管の運動を調整する作用があるとされる。
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答え
3
<解説> 腸における消化、栄養成分や水分の吸収が正常に行われなかったり、腸管がその内容物を送り出す運動に異常を生じると、便秘や軟便、下痢といった症状が現れます。

 水分の吸収は大半が小腸で行われ、大腸では腸内容物が糞便となる過程で大切な水分量に調整がなされるが、糞便には腸内細菌の活動によって生じる物質や腸内細菌自体及びその死骸が多く含まれ、それらも便通や糞便の質に影響を与えます。

 下痢が起こる主な要因としては、急性の下痢では、身体の冷えや消化不良、消化器感染(食中毒等)、緊張等の精神的なストレスによるものがあり、慢性の下痢については腸自体に病変を生じている可能性があります。一過性の便秘では、環境変化等のストレスや医薬品の副作用等があり、慢性の便秘については加齢や病気による腸の働きの低下、便意を繰り返し我慢し続けることによる腸管の感受性の低下等があります。

 整腸薬・瀉下薬には医薬部外品として製造販売されている製品もあります。

貧血用薬に関する記述で誤っているものを一つ選びなさい。

  1. 1:貧血用薬を服用すると便が黒くなることがある。
  2. 2:鉄製剤を過剰に摂取すると、胃腸障害や便秘などの副作用が起こりやすくなる。
  3. 3:銅はヘモクロビンの産生過程で、鉄の代謝や輸送に重要な役割を持つ。
  4. 4:マンガンは赤血球ができる過程で必要不可欠なビタミンB12の構成成分である。
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答え
4
<解説> 貧血はその原因により、ビタミン欠乏性貧血、鉄欠乏性貧血等に分類されます。一般的な症状として、疲労、動悸、息切れ、血色不良、頭痛、耳鳴り、めまい、微熱、皮膚や粘膜の蒼白、下半身のむくみ等が現れます。

 貧血用薬は鉄欠乏性貧血に対して不足している鉄分を補充し、造血機能の回復を図るものです。

 鉄分は赤血球が酸素を運搬するうえで重要なヘモグロビンの産生に不可欠なミネラルです。鉄分の摂取不足を生じても、初期には貯蔵鉄や血清鉄が減少するのみでヘモグロビン量自体は変化せず、直ちに貧血の症状は現れません。しかし持続的に鉄が欠乏すると、ヘモグロビンが減少して貧血症状が現れます。

 貧血用薬の配合成分としては、不足した鉄分を補充することを目的としたフマル酸第一鉄等、鉄の代謝や輸送に重要な役割をもつ目的で銅(硫酸銅)が、骨髄での造血機能を高める目的でビタミンB12の構成成分であるコバルト(硫酸コバルト)が、エネルギー合成を促進する目的で硫酸マンガンが配合されている場合があります。

抗ヒスタミン成分に関する記述のうち誤っているものを選びなさい。

  1. 1:抗ヒスタミン成分は抗コリン作用も示すため、排尿困難や口渇、便秘等の副作用が現れることがある。
  2. 2:抗ヒスタミン成分によりヒスタミンの働きが抑えられると眠気が促される。
  3. 3:抗ヒスタミン成分は授乳婦が摂取しても、乳汁に分泌されることはない。
  4. 4:メキタジンはまれにショック、肝機能障害、血小板減少を生じることがある。
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答え
3
<解説> 肥満細胞から遊離したヒスタミンが受容体と反応するのを妨げることにより、ヒスタミンの働きを抑える作用を示す成分として、マレイン酸クロルフェニラミン、マレイン酸カルビノキサミン、フマル酸クレマスチン、塩酸ジフェンヒドラミン、メキタジン、塩酸ジフェニルピラリン、テオクル酸ジフェニルピラリン、塩酸トリプロジン等が用いられます。

 抗ヒスタミン成分を内服すると、吸収されて循環血流に入り全身的に作用します。 例えば、ヒスタミンは脳の下部にある睡眠・覚醒に大きく関与する部位において覚醒の維持・調節を行う働きを担っていますが、抗ヒスタミン成分によりヒスタミンの働きが抑えられると、眠気が促されます。また塩酸ジフェンヒドラミン、ジメンヒドリナート等のジフェンヒドラミンを含む成分については吸収されたジフェンヒドラミンの一部が乳汁に移行して乳児に昏睡を生じるおそれがあります。排尿困難の症状のある人や緑内障の診断を受けた人では、使用する前にその適否について、医師等に相談する必要があります。

次の成分の中で、局所麻酔作用のほか、胃液分泌を抑える作用があり、胃腸鎮痛鎮痙薬と制酸薬の両方を持つ成分を選びなさい。

  1. 1:アミノ安息香酸エチル
  2. 2:塩酸パパベリン
  3. 3:ロートエキス
  4. 4:オキセサゼイン
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答え
4
<解説> 胃腸薬の中には、消化管の粘膜及び平滑筋に対する麻酔作用による鎮痛鎮痙の効果を期待して、アミノ安息香酸エチル、オキセサゼインのような局所麻酔成分が配合されている場合があります。いずれも痛みが感じにくくなることで重大な消化器疾患や状態の悪化等を見過ごすおそれがあり、長期間に渡って漫然と使用することはよくありません。

 アミノ安息香酸エチルについては乳幼児がメトヘモグロビン血症を起こすおそれがあるため、6歳未満の小児への使用は避ける必要があります。

 オキセサゼインについては局所麻酔作用のほか、胃液分泌を抑える作用もあるとされ、胃腸鎮痛鎮痙薬と制酸薬の両方の目的で使用されます。精神神経系の副作用として頭痛、眠気、めまい、脱力感が現れることがあります。ただし、妊娠中や小児における安全性は確立されておらず、妊娠又は妊娠していると思われる女性、15歳未満の小児では使用を避けることとされています。

強心薬に関する記述のうち誤っているものを選びなさい。

  1. 1:センソは心筋に直接刺激を与え、その収縮力を高める作用を期待して用いられる。
  2. 2:ジャコウは強心作用のほか、呼吸中枢を刺激して呼吸機能を高めたり、意識をはっきりさせる等の作用がある。
  3. 3:ロクジョウは微量で強い強心作用を示し、皮膚や粘膜に触れると局所麻痺作用を示す。
  4. 4:ゴオウは強心作用のほか、末梢血管の拡張による血圧降下興奮を鎮める等の作用がある。
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答え
3
<解説> センソはヒキガエル科のシナヒキガエル又はヘリグロヒキガエルの毒腺の分泌物を集めた物で微量で強い強心作用を示します。皮膚や粘膜に触れると局所麻酔作用を示し、センソが配合された丸薬、錠剤等の内服固形製剤は、口中で噛み砕くと舌等が麻痺することがあり、噛まずに服用することになっています。

 ジャコウはジャコウジカ等の雄のジャコウ腺分泌物を乾燥したもので、強心作用のほか呼吸中枢を刺激して呼吸機能を高めたり、意識をはっきりさせる等の作用があります。ゴオウはウシの胆嚢中に生じた結石を用いた生薬で強心作用のほか、末梢血管の拡張による血圧降下、興奮を鎮める等の作用があるとされています。ロクジョウはシベリアジカ等の雄の幼角を用いた生薬で強心作用のほか、強壮、血行促進等の作用があるとされています。

抗真菌成分に関する記述について正しいものを一つ選びなさい。

  1. 1:ウンデシレン酸は皮膚糸状菌の細胞膜に作用して、その増殖・生存に必要な物質の輸送機能を妨げ、その増殖を抑える。
  2. 2:シクロピロクスオラミンは患部を酸性にすることで皮膚糸状菌の発育を抑える。
  3. 3:塩酸アモロルフィンは皮膚糸状菌の細胞膜を構成する成分の産生を妨げることにより、その増殖を抑える。
  4. 4:塩酸ブテナフィンは菌の呼吸や代謝を妨げることにより皮膚糸状菌の増殖を抑える。
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答え
3
<解説> みずむし、たむし等は皮膚糸状菌(白癬菌)という真菌類の一種が皮膚に寄生することによって起こる疾患(表在性真菌感染症)です。スリッパやタオルなどを介して、他の保菌者やペットから皮膚糸状菌が感染することが多く、発生する部位によって呼び名が変わります。 水虫は手足、ぜにたむしは体部、いんきんたむしは頑癬と呼ばれ、内股・尻・陰嚢付近の白癬です。

 爪に発生する爪白癬や、頭部の白癬(しらくも)もありますが一般用医薬品ではこれらに適用を持つものはありません。

抗真菌成分である硝酸オキシコナゾールや硝酸スルコナゾール等のイミダゾール系成分は、皮膚糸状菌の細胞膜を構成する成分の産生を防いだり細胞膜の透過性を変化させることによりその増殖を抑えます。その他、細胞膜構成成分の産生を防ぐ塩酸アモロルフィンや塩酸ブテナフィン、糸状菌の細胞膜に作用しその増殖・生存に必要な物質の輸送機能を妨げるシクロピロクスオラミン、患部を酸性にすることで菌の発育を抑えるウンデシレン酸等があります。

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