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対策問題集

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第9回:
“医薬品に共通する特性と基本的な知識 Part2”は全部で10問です。
さぁ、やってみよう!

医薬品に関する次の記述について、正しいものを選びなさい。

  1. 1:医薬品の役割を十分に発揮するためには、効能効果、用法用量、副作用等の必要な情報が適切に伝達されることを通じて、購入者が適切に使用することが必要である。
  2. 2:医薬品の市販後は、その有効性の確認が行われることになっているわけではない。
  3. 3:一般用医薬品ではその承認基準が見直されることはない。
  4. 4:一般用医薬品は、一般の生活者が自ら選択し使用するものであるため、他者からの情報提供は必要ではない。
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答え
1
<解説> 一般用医薬品は一般の生活者が自ら選択し、使用するものですが、一般の生活者においては、添付文書や製品表示に記載された内容をみただけでは、効能・効果や副作用等について誤解や認識不足を生じることもあります。購入者が一般用医薬品を適切に選択し、適正に使用するためにはその販売に専門家が関与し、専門用語をわかりやすい表現で伝えるなどの適切な情報提供を行い、購入者が知りたい情報を十分に得ることができるように、相談に対応することが不可欠です。

 また医薬品は市販後にも、医学・薬学等の新たな知見、使用成績等に基づき、その有効性、安全性等の確認が行われる仕組みになっていて、それらの結果を踏まえ、リスク区分の見直し、承認基準の見直し等がなされます。販売時の取扱い、製品の成分分量、効能効果、用法用量、使用上の注意等が変更となった場合は、それが添付文書や製品表示の記載に随時反映され、新たな情報が付加されます。一般用医薬品の販売に従事する専門家は、これらに円滑に対応できるよう新しい情報の把握に努める必要があります。

医薬品の副作用に関する記述のうち、正しいものを選びなさい。

  1. 1:適正な使用が図られることで、副作用はすべて防ぐことができる。
  2. 2:一般用医薬品では、副作用の兆候が現れた時には基本的に使用を中止することとされている。
  3. 3:副作用は、明確な自覚症状として現れることが多い。
  4. 4:副作用を認識した場合、その初期段階で医薬品の使用は全て中止しなくてはならない。
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答え
2
<解説> 副作用は、眠気や口渇等の比較的よく見られるものから、日常生活に支障をきたす程度の健康被害を生じる重大なものまで様々ですが、どのような副作用であれ、起きないことが望ましいと考えられます。そのため、副作用が起きる仕組みや起こしやすい要因の認識、また、それらに影響を与える体質や体調等があらかじめ把握され、適切な医薬品の選択、適正な使用が図られることが重要です。医薬品を十分注意して適正に使用した場合であっても、副作用が生じることがあり、医薬品を使用する人が副作用をその初期段階で認識することにより、適切に対応し、重篤化を回避することが重要であると考えられます。

 一般用医薬品は軽度な疾病に伴う症状の改善等を図るためのものであり、一般の生活者が自らの判断で使用するものであることから、通常はその使用を中断することによる不利益よりも、重大な副作用を回避することが優先され、その兆候が現れた時には基本的に使用を中止することとされています。また副作用は容易に異変を自覚できるものばかりではなく、血液や内臓機能への影響のように直ちに明確な自覚症状として現れないこともあるので、継続して使用する場合は、特段の異常が感じられなくても、定期的に健診を受けるよう、促していくことも重要です。

一般用医薬品の使用に関する記述のうち、正しいものを選びなさい。

  1. 1:大人用の一般用医薬品を子供に服用させる場合は、半分にして服用させるとよい。
  2. 2:一般用医薬品は、長期間服用しても、薬物依存は生じない。
  3. 3:人体に直接使用されない医薬品では、有害事象につながることはない。
  4. 4:医薬品はその目的とする効果に対して、副作用が生じる危険性が最小限となるよう使用量が定められている。
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答え
4
<解説> 一般用医薬品は、購入者の誤解や認識不足のために適正に使用されないことがあります。例えば選択された医薬品が適切でないのに症状が改善されないまま使用を続けている場合や、用量を超えて服用したり、小児への使用を避けるべき医薬品を大人の半分にして服用させたりする等、安易に医薬品を使用する場合、また人体に直接使用されない医薬品についても使用する人の誤解や認識不足によって使い方や判断を誤り、有害事象につながることがあります。

 医薬品はその目的とする効果に対して副作用が生じる危険性が最小限となるよう、使用する量や使い方が定められています。みだりに他の医薬品や酒類と一緒に摂取するといった乱用がなされると、過量摂取による急性中毒等を生じる危険性が高くなり、また乱用の繰り返しによって慢性的な臓器障害が生じるおそれもあります。

 さらに、一般用医薬品にも習慣性依存性がある成分を含んでいるものがあり、そうした医薬品がしばしば乱用された場合、薬物依存を生じることがあります。一度薬物依存が形成されると、そこから離脱することは容易ではありません。そのため必要以上に大量購入や頻回購入を試みる不審な購入者等には慎重に対処する必要があるのです。

成人と比較した場合の小児と医薬品に関する記述について、誤っているものを選びなさい。

  1. 1:小児は腸が比較的長いので、医薬品成分の吸収効率が高い。
  2. 2:小児は医薬品を代謝する生理機能が未発達である。
  3. 3:小児は血液脳関門が未発達なので、医薬品成分が脳に移行しやすい。
  4. 4:小児は、医薬品成分の代謝・排泄のスピードが速く、作用が現れにくい。
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答え
4
<解説> 医薬品の使用上の注意において、乳児、幼児、小児という場合には、おおよその目安として、乳児:1歳未満、幼児:7歳未満、小児:15歳未満をいいます。

 小児は、医薬品を受け付ける生理機能が未発達であるため、その使用に際して特に配慮が必要です。例えば、小児は大人と比べて、身体の大きさに対して腸が長く、服用した医薬品の吸収率が高いと考えられます。又、吸収されて循環血液中に移行した医薬品の成分が脳に達しやすいため、中枢神経系に影響を与える医薬品で副作用を起こしやすく、加えて、肝臓や腎臓の機能が未発達であるため、医薬品成分の代謝・排泄に時間がかり、作用が強く出過ぎたり、副作用がより強く出ることがあります。

 乳児向けの用法用量が設定されている医薬品であっても、乳児は医薬品の影響を受けやすく、また状態が急変しやすく、一般用医薬品の使用の適否が見極めにくいため、基本的には医師の診療を受けることが優先され、一般用医薬品による対処は最小限にとどめることが望ましいとされています。

高齢者と医薬品に関する記述について誤っているものを選びなさい。

  1. 1:一般に高齢者は生理機能が衰えつつあり、特に、肝臓や腎臓の機能が低下していると医薬品の作用が現れやすい。
  2. 2:高齢者の場合、どの程度副作用を生じるリスクが増大しているか、その年齢から判断することができる。
  3. 3:一般用医薬品を使用する際、定められた用量以下に量を減らしても十分な効果が得られなくなるだけで、必ずしもリスクの軽減にはならない。
  4. 4:高齢者は持病を抱えていることが多く、一般用医薬品の使用によって基礎疾患の症状が悪化したり、治療の妨げとなる場合がある。
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答え
2
<解説> 医薬品の使用上の注意において「高齢者」という場合には、おおよその目安として65歳以上を指します。一般に高齢者は生理機能が衰えつつあり、特に肝臓や腎臓の機能が低下していると医薬品の作用が現れやすく、若年時と比べて副作用を生じるリスクが高くなります。しかし、高齢者であっても基礎体力や生理機能の衰えの度合いは個人差が大きく、年齢のみから一概にどの程度リスクが増大しているかを判断することは困難です。

 生理機能が衰えている高齢者では、少ない用量から様子を見ながら使用するのが望ましいとされていますが、一般用医薬品の用法用量は使用する人の生理機能を含めて、ある程度の個人差は折り込んで設定されているため、一般用医薬品については、基本的には定められた用量の範囲内で使用されることが望ましく、それ以下に量を減らしても十分な効果が得られなくなるだけで、必ずしもリスクの軽減にはつながらないと考えられます。

 高齢者は、嚥下障害や誤嚥を誘発しやすくなるので注意が必要です。 また、基礎疾患を抱えていることが多く、一般用医薬品の使用によって基礎疾患の症状が悪化したり、治療の妨げとならないよう注意深く観察していく必要があるのです。

プラセボ効果に関する記述について誤っているものを選びなさい。

  1. 1:医薬品を使用したときにもたらされる反応や変化はすべて薬理作用によるものとは限らない。
  2. 2:プラセボ効果によってもたらされる反応には、望ましいものと不都合なものがある。
  3. 3:プラセボ効果は主観的な変化だけでなく、客観的に測定可能な変化として現れることはない。
  4. 4:プラセボ効果に関与しているものの一つとして、条件づけによる生体反応が考えられている。
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答え
3
<解説> 医薬品を使用したとき、結果的又は偶発的に薬理作用によらない作用を生じることをプラセボ効果といいます。プラセボ効果は、医薬品を使用したこと自体による楽観的な結果への期待(暗示効果)や、条件付けによる生体反応、時間経過による自然発生的な変化等が関与して生じると考えられています。

 通常、医薬品を使用したときにもたらされる反応や変化には、薬理作用によるもののほか、プラセボ効果によるものも含まれています。プラセボ効果によってもたらされる反応には、望ましいものと不都合なものとがあります。

 プラセボ効果は主観的な変化だけでなく、客観的に測定可能な変化として現れることもありますが、不確実であり、それを目的として医薬品が使用されるべきではありません。購入者等が適切な医薬品の選択、医療機関の受診機会を失うことのないよう、正確な情報が適切に伝えられることが重要であると考えられます。

一般用医薬品の役割として、該当しないものを一つ選びなさい。

  1. 1:生活の質の改善・向上
  2. 2:健康状態の自己検査
  3. 3:生活習慣病等の疾病に伴う症状の治療
  4. 4:衛生害虫の防除・殺菌消毒など
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答え
3
<解説> 一般用医薬品は薬事法上「医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものであって、薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされているもの」と定義されているように、主として軽医療の分野で使用されるものです。

 その役割としては、1)軽度な疾病に伴う症状の改善、2)生活習慣病等の疾病に伴う症状発現の予防、3)生活の質の改善・向上、4)健康状態の自己検査、5)健康の維持・増進、6)その他保健衛生(衛生害虫の防除、殺菌消毒等)の6つがあり、医療機関での治療を受けるほどではない体調の不調や疾病の初期段階、あるいは日常において生活者が自らの疾病の診断、治療若しくは予防又はQOLの改善・向上を図ることを目的としています。

 身近にある一般用医薬品を利用するセルフメディケーションの主役は一般の生活者であり、登録販売者は購入者に対して常に科学的な根拠に基づいた正確な情報提供を行い、セルフメディケーションを適切に支援していくことが期待されています。

一般用医薬品購入者への情報提供等に関する記述について、誤っているものを選びなさい。

  1. 1:購入者の生活習慣病等の慢性疾患の種類や程度は、一般用医薬品の有効性に影響を与えることはない。
  2. 2:医療機関や薬局で交付された薬剤を使用している人については、登録販売者において、一般用医薬品との併用の可否を判断することは困難なことが多い。
  3. 3:過去に医療機関を受診していた購入者への情報提供時には、どのような疾患で、いつ頃かかっていたのか考慮する必要がある。
  4. 4:医療機関での治療は特に受けていない場合であっても、医薬品の種類や配合成分等によっては、特定の症状がある人が使用するとその症状を悪化させるおそれがある。
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答え
1
<解説> 医薬品の販売時に従事する専門家が購入者から確認しておきたい基本的なポイントとしては、
1)何のためにその医薬品を購入しようとしているか、
2)その医薬品を使用する人は情報提供を受けている当人か、又はその家族か、
3)その医薬品を使用する人として、小児や高齢者、妊婦等か、
4)その医薬品を使用する人は医療機関で治療を受けていないか、
5)その医薬品を使用する人が過去にアレルギーや医薬品による副作用等の経験があるか、
6)その医薬品を使用する人が相互作用や飲み合わせで問題を生じるおそれのある他の医薬品や食品を摂取していないか、
7)その一般用医薬品をすぐに使用するのか、常備薬として購入するのか、
8)症状がある場合はいつ頃からか、その原因や患部等の特定はなされているか、
こうした購入者側の状況を把握するには医薬品販売等に従事する専門家から購入者に尋ね、購入者のセルフメディケーションに共に取り組むという姿勢で臨むことが重要であると考えられています。

サリドマイド訴訟についての記述で誤っているものを選びなさい。

  1. 1:サリドマイドは催眠鎮静剤として販売されていた。
  2. 2:サリドマイドには健康な大人の血管新生を妨げる作用はない。
  3. 3:サリドマイドは妊婦が摂取した場合、胎盤関門を通過して、胎児に移行する。
  4. 4:国と製薬企業が被告として提訴された。
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答え
2
<解説> サリドマイド訴訟とは催眠鎮静剤等として販売されていたサリドマイド製剤を妊娠している女性が使用したことにより、出生時に四肢欠損、耳の障害等の先天異常が発生じたことに対する損害賠償訴訟です。1963年6月に製薬企業を被告として、さらに翌年12月には国及び製薬企業を被告として提訴され、1974年10月に和解が成立しました。

 サリドマイドは催眠鎮静成分として承認されました(その鎮静作用を目的として、胃腸薬にも配合されることもありました)が、副作用として血管新生を妨げる作用をもっていました。妊娠している女性が服用した場合、サリドマイドは胎盤関門を通過して胎児に移行します。胎児はその成長過程で、諸器官の形成のため細胞分裂が活発に行われますが、血管新生が妨げられますと細胞分裂が正常におこなわれず、器官が十分に成長しないことから、四肢欠損、視聴覚等の感覚器や心肺機能の障害等の先天異常が発生しました。

 健康な成人においても血管新生は重要ですが、成人における新しい血管の形成は胎児期に比べると活発ではありません。ただし、腫瘍化した細胞近辺では血管新生が活発化し、腫瘍の成長を促すことから、血管新生を妨げるサリドマイドを抗がん剤として用いることがあるのです。

HIV及びHIV訴訟に関する記述のうち誤っているものを選びなさい。

  1. 1:HIVとはヒト免疫不全ウイルスのことである。
  2. 2:血友病患者がHIVが混入した原料血漿から製造された血液凝固阻止製剤の投与を受けたことにより、HIVに感染したことに対する損害賠償訴訟である。
  3. 3:HIV訴訟の和解を踏まえ、国はHIV感染者に対する恒久対策として、拠点病院の整備や治療薬の早期提供等の取り組みを推進している。
  4. 4:HIV訴訟を契機に血液製剤の安全確保対策の一つとして、献血時の問診の充実が図られた。
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答え
2
<解説> 血友病患者がヒト免疫不全ウイルス(HIV)が混入した原料血漿から製造された血液凝固因子製剤投与を受けたことにより、HIVに感染したことに対する損害賠償訴訟です。 国及び製薬企業を被告として、1989年提訴され1996年に和解が成立した。この訴訟の和解を踏まえ、国はHIV感染者に対する恒久対策として、エイズ治療研究開発センター及び拠点病院の整備や治療薬の早期提供等の様々な取り組みを推進してきました。

 HIV感染者に対する恒久対策のほか、医薬品の副作用等による健康被害の再発防止に向けた取り組みも進められ、医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構(当時)との連携による再審査体制の充実、製薬企業に対し従来の副作用報告に加えて感染症報告の義務付け、緊急に必要とされる医薬品を迅速に供給するための「緊急輸入」制度の創設等を内容とする改正薬事法が1996年に成立し、翌年4月に施行されました。また、血液製剤の安全確保対策として、検査や献血時の問診の充実が図られるとともに、薬事行政組織の再編、情報公開の推進、健康危機管理体制の確立がなされるようになりました。

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